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三菱電機コアラーズの選手について勝手に語る

いよいよ待ちに待ったWリーグオータムカップが始まる。そして10月にはシーズンが開幕する。

オリンピック前に書いた日本代表を勝手に語る記事(5人制前編後編3x3)は沢山の方に読んでいただいて大変嬉しかった。が、私が1番語りたいのは他でもない、三菱電機コアラーズ。以下のチーム紹介記事も合わせてご覧いただきたい。

#45 渡邉亜弥(レブ) キャプテン SG 169cm

何を隠そう、私が地球上、いや銀河系で1番好きなバスケットボール選手。Myヒーロー。スポーツのキャプテンの在り方として「言葉で引っ張るキャプテン」と「プレーで引っ張るキャプテン」の2種類が挙げられるが、レブさんは「言葉でもプレーでも引っ張るキャプテン」。コアラーズ名物の毎プレーごとに組むハドルでもいつも中心になって喋っているし、ピンチでは必ず点を取ってくる。ルーズボールも捨て身で突っ込む。その背中の引力が凄まじい。

レブさんのプレーは魔法使いのようで、スキルの引き出しが無限にある。長年見ているファンでも「そんな技もあったの?!」と思わされることしょっちゅうだ。これはファンの贔屓目でも何でもなく、Wリーグで1番多様なスキルを使いこなす選手だと思う。実際、Wリーグの他チームの選手から「Wリーグで1番上手い」「Wリーグで1番好き」「要注意人物」等と語られている。そのスキルで得点を取りまくる。止めに行こうと複数ディフェンスが寄るとパスを出す。このパスを出すスキルも絶妙で、必ず何らかのフェイクが入る。ちょっとした目線の動きだったり、タイミングをずらしたり。観たらコートで真似したくなる。

レブさんの魔法使いっぷりはオフェンスだけにとどまらない。さっきまでゴール下にいたレブさんが、ウィングからトップへのパスをインターセプトする、なんてことがザラにある。瞬間移動。そしてレブさんのインターセプトをきっかけに、コアラタイムの幕が明ける。ここから始まる、イケイケどんどんを絵に描いたような猛攻。コアラの名を返上した方がいいのではと思うくらいの破壊力で得点を重ね、あっという間の大逆転になることもある。

#4 根本葉瑠乃(イシ) 副キャプテン SF 176cm

何を隠そう、私が銀河系で2番目に好きなバスケットボール選手。レブさんがコアラーズの太陽だとしたら、イシさんはコアラーズの月。鋭い視線でゴールを見つめて淡々と自分の仕事をする。

必殺技はスリーポイントシュート。キャッチした瞬間に放たれるシュートは、満月のような曲線を描いて無音で入る。ズドンズドンと入る三好砲(トヨタ自動車に搭載)に対して、サイレンサー付きの葉瑠乃砲。入りだしたら面白いくらい良く入る。特に2018-19シーズンのファイナル第二戦は大変なことになっている。レジェンド吉田亜沙美選手と193cmの渡嘉敷来夢選手の上から立て続けにスリーを決めた時は、あまりのことに心臓が止まるかと思った。実際には心臓は止まらなかったが、目から大量に水が流れた。そう、イシさんのシュートは、泣ける。理屈では説明できないが。美しくて、時が止まったような錯覚に陥り、涙が出る。

イシさんの魅力その2は、ピボットやドライブ、ボールミートといった、基本動作の美しさ。基本に忠実。個人的には華やかなスリーポイント以上に、こういった地味なキッチリしたプレーが好きだ。バスケットボールの教科書を編纂する権利が与えられたら、イシさんの写真をピボットの欄に採用したい。

イシさんの魅力その3はディフェンス。これも派手さはない。しかし丁寧に丁寧に1on1を守り、ミスマッチになっても懸命に身体を張り、最後は教科書に載りそうなスクリーンアウトからのディフェンスリバウンドで締める。好き。

#9 小菅由香(オル) 副キャプテン PF 180cm

派手さは無いし、1試合の得点もすごく多いわけではない。しかし、ここぞの一本を沈めてくる。インサイドプレーヤーだが、得意なプレーはジャンプショットとスリーポイント。特に、チームのパスが綺麗につながった後のシュートは絶対に落とさない。大事な場面のオフェンスで、相手チームの警戒度は第一にレブさんのドライブ、第二にイシさんのスリーだ。しかしボールはオルさんに周り、オルさんが確実に仕留める。その様は「必殺仕事人」と評される。

オルさんにまつわる1番の思い出は、皇后杯の準々決勝vs日立ハイテク戦。その日私は有給休暇を取り、ガラガラの埼玉スーパーアリーナの最前列に陣取っていた。双方守り合うロースコアの重い展開で、オルさんが交代でコートに入る瞬間、私が思わず叫んだ「オルさんがんばれ!」に、気づき、振り返り、そして頷いてくれた。その目つきがかっこよすぎて、心臓が止まるかと思った。よく止まりそうになる心臓だ。結局その試合は延長戦にもつれ、残り数秒でオルさんの決勝ゴールが決まって勝利をつかんだ。一生忘れない思い出である。

#10 見崎南美(メイ) G 165cm

信念の人メイさん。プレッシャーディフェンスが売り。数年前まではプレータイムがかなり少なかったが、出ると毎回150%のディフェンスをするので大好きになった。昨シーズンまでスタメンで出ていたPG川井選手が移籍したため、今年はメイさんにとって勝負の年。コアラーズを引っ張る存在になって欲しい。

メイさんのオフェンスは、日本代表ガードで言うと本橋選手に近いと思う。まず、肝が座っていて判断が良い。波がない。そして実は得点能力が高く、ドライブやジャンプショットの確率がすごく良い。昨シーズンは2P:57%, 3P:41%, FT:100%である。プレータイムが多くはないとは言え、20試合出てこの数字はすごい。他のチームの主力PGの数字と比べても際立っている。思うに、判断が良いんだと思う。無茶や無謀なプレーはしない、良いシュートセレクションが数字に現れている。

#15 西岡里紗(ハク) C 186cm

ゴール下の守護神ハクさん。昨シーズン西地区ののブロック王を受賞。コアラーズから唯一東京オリンピックに出場(3x3)ということでこちらの記事に書いたので、今回は割愛する。しかし一言言うならば、とても献身的でチームのために頑張る選手だ。今回のオータムカップは日本代表チームで出場する。5人制でも代表に選ばれたら本当にすごい。今からワクワクだ。

#3 永井唯菜(ユイナ) SF 177cm

初めてユイナさんのプレー観たのは、ユイナさんが高校3年生の時のウィンターカップ1回戦。ヘルプディフェンスの上手さとリバウンドへの集中力が一際目立ち、「この選手、コアラーズに来てくれたらな」と思っていた。そしたら本当に来てくれたものだから、とてもびっくりし、格別の思いで毎年の成長を見ている。

元々インサイドでプレーしていたのを、Wリーグに入って3番ポジションにトライ。アウトサイドのディフェンスはあっという間に上手くなり、オフェンスもスリーポイントが入るようになってきた。あとは、試合中に攻め気を持って少しだけセルフィッシュにプレーできれば、すぐに主力になれると思う。

同期入団の2人が相次いで退団したため、先輩方にとても可愛がられていた印象のユイナさん。「みんなの妹」のように見ていたユイナさんも、もう3年目。昨シーズン、ルーキーの選手と一緒に出場した際に、いつもよりキリッとした顔で後輩のシュートのオフェンスリバウンドを拾いまくっていた姿が忘れられない。3年目の今年は、さらなる飛躍を期待している。今年のコアラーズの活躍は、メイさんとユイナさんにかかっていると踏んでいるので。

#51 濱口京子(ウィン) C 181cm

昨シーズン、アイシンAWから移籍してきた選手。引退を迷っていたところに声をかけたコアラーズに来てくれた。昨シーズン、ウィンさんがいなかったらと考えると恐ろしい。それくらい存在感があった。コアラーズのオフェンスもディフェンスもかなり複雑なので、1年目の選手が試合に出るのはかなり難しい。しかしウィンさんは、観ている私達には全く違和感を感じさせず、チームにフィットしていた。高卒から12年間同じチームでプレーをして、そこからすぐ新天地にフィットする。すごすぎる。そして何度もピンチを救ってくれた。ウィンさんがナイスプレーをするたびに、中継の画面の前で「ありがとう、ありがとう」と呟きながら観戦した。

ウィンさんのSNSの発信は決して多くはないが、大事な節目に、ご自分の言葉で丁寧に発信するのが非常に印象的で、誠実な方なんだろうなと思う。その性格が、ピンチでのディフェンスリバウンドやゴール下の確実なシュートなどに現れている気がする。

続きはオータムカップ後に。

残りの選手については、オータムカップ後に更新する予定だ。きっとオータムカップで私のイメージを上書きする活躍をすると思うので。そして、まだ半数しか書いていないのに4000字に達しようとしているので…(汗)

久しぶりに観るコアラーズがとても楽しみ。怪我なく安全に大会を開催できますように。

2021/11/28追記 後編書きました。

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