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今こそ後編:三菱電機コアラーズの選手について勝手に語る

9月に行われたオータムカップの前に、渾身の推しチーム選手紹介記事を書いた。

愛が溢れすぎて文字数がオーバーしたこともあり、またあまりプレーを見たことのない選手もいるために、7人の選手を紹介するにとどまった。そのときは、オータムカップ後に後編を書くつもりでいた。…しかし、悲しいことに現地で観戦したオータムカップではほとんど若手のプレーが見られず、持ち越しになっていた。

Wリーグが開幕して早2ヶ月。今こそ若手選手について語るべき時が来た。

#7 篠宮杏奈(ケイ) 167cm GF

まだまだ若手と思っているがキャリアは6年目。試合を観に行けばアップ中から誰よりも声を出して誰よりもシャカリキに動き、試合中もベンチから1番大きい声を出し、公式SNSでは率先して芸を披露する。そんな一生懸命なケイさんが、試合中にコート上で活躍するのを見るのが、ここ数年の私の夢だった。

現地観戦に行った今シーズンの開幕カードトヨタ紡織戦Game2、相手の険しいディフェンスに攻めあぐねコアラーズ劣勢の後半に、ケイさんの出番がやってきた。昨シーズンまでだったら、スタメンだけで粘っていた点差と時間だった。ケイさんがパスを受け、右45°から放ったスリーポイントがきれいにネットを揺らした瞬間、、、私は泣いてしまった。コアラーズの試合でこんなに泣いたのは、2019-20シーズンのファイナル以来だった。コート上のケイさんは、それはそれは嬉しそうに笑っていた。試合は負けてしまったが、私はあの笑顔を見るために高崎に行ったのだと幸せな気持ちで帰宅した。

今シーズンはそれ以降の試合も、コンスタントに出番をもらっている。先のエピソードではスリーポイントについて書いたが、ケイさんは基礎がきっちりした、オールマイティーに活躍できる選手。そして粘るべきタイミングで絶対に諦めずきっちり仕事をする。こぼれ球のルーズボールを拾ってゴールに押し込んだり、ショットクロックギリギリでシュートファールをもらったり、絶体絶命のピンチでナイスヘルプディフェンスを見せたり。コアラーズバスケを体現した、チームに欠かせない選手だ。

#21 笠置晴菜(レン) 167cm PG

今シーズンデンソーから移籍してきたレンさん。昨シーズンのプレーオフで、コアラーズが追い上げたところで手痛いスリーを2本連続で決めたのが記憶に新しい。ぐぬぬ。思い出すたびに悔しい。しかし今シーズンから、レンさんが仲間となった。ディフェンスが良く、スリーポイントがよく入る選手を「3&D」と呼ぶが、レンさんはまさしく3&Dの選手だ。とにかくディフェンスが粘り強い、ファールも少ないシュアなプレー。オフェンスも安定したプレーでゲームメイクし、自分がフリーになると迷わずスリーポイントを打ち高確率で決める。ありがたい。コアラーズに来てくれてありがとう。

レンさんの一生懸命さを買ったのか、現地に試合を観に行くとかなりの確率で、エースレブさんがマンツーマンで何かを教えている。移籍選手だが、まだ22歳。22歳で移籍という決断をした勇気に敬意を表しつつ、これからの伸びしろに大きく期待である。

#39 藤田和(ケン) 171cm PG

PGにしては恵まれた身長・体格。なにしろ、初めてWリーグの試合に出場した際には、ケンさんがPGだとは知らない相手のPFの選手がマッチアップしに来たくらい。全国大会決勝常連の岐阜女子高校でPGを務めてきただけあって、ドリブル、パスなどの基礎技術がとてもしっかりしている。細かいけれど、ローポストにパス入れるときにワンドリブル入れてディフェンスを交わすとか、プレッシャーをかけにきたディフェンスをいなすような動きとか、全部バスケットボールの教科書に載せたいレベル。

今シーズンは、2年目ながら途中からスタートのPGを任された。スタメンで出始めて7試合を終えた今、この7試合での成長にファンは驚きまくっている。特にディフェンスがすごくて、最初の数試合はすごい勢いで飛び出してファールをしていたのが、7試合目になるとしっかり吹かれる手前で引くようになった。恐るべきアジャスト能力。そして恵まれた体格と長い手で、相手のパスコースを防ぐのがとてもうまい。特にディナイディフェンスは一級品。これも教科書に載せたい。

また、オフェンスではパスが上手く、ミスが少ないことも特筆すべきだと思う。特にインサイドへのパスが上手い。ポストに入れるのも、裏に入れるのも、タイミングを逃さず絶妙。そしてシュートも安定している。ペイント周りのジャンプシュート、スリーポイントなど、打つべき時に打ち、高確率で決めてくる。つくづく基礎がしっかりしている選手だと思う。

#18 佐賀藍葉(アイハ) 167cm SG

まだ2年目だが、ケンさんに負けないくらいの存在感を発揮しているアイハさん。最近はSGの2番手としてコートに立つことも多くなった。アイハさんから溢れ出るエースオーラは、将来レブさんのような絶対的エースになることを予感させるほどだ。とにかく一挙手一投足がかっこいい。

特筆すべきはワンハンドシュート。これぞワンハンドシュートというフォーム、ワンハンドの最大の長所であるプルアップシュートを得意とし、厳しく守られてシュートクロックが少ない時間帯でもシュートを打てる。そして、2年目とは思えないほど積極的にシュートやドライブを狙う。まだ確率は高くないが、打てるという、それ自体が才能だ。ケンさんアイハさんの2年目コンビがいる限り、コアラーズはしばらく安心して応援できる。

#5 稲田美結(テン)  180cm PF

ルーキー三人衆のうちの1人で、岐阜女子高校のケンさんの一個下の後輩。高校の同期が軒並み大学に進学する中で、コアラーズに入ってくれた。まだプレーをしているところは少ししか見たことがないが、ケンさんからのパスに完璧に反応してゴール下シュートを決めていた。この岐阜女子ラインは今後、コアラーズの代名詞になるだろう。コアラーズインサイド陣はアウトサイド陣に比べると年長の選手が多いので、頑張ってほしい気持ちでいっぱいだ。

#11 松川侑里香(ユリ) 170cm SG

ルーキー三人衆の中で、オータムカップ初戦で一番プレータイムをもらっていたのがユリさん。しかも落ち着いてシュートをパスパス決めていた、強心臓の持ち主。そしてコアラーズのややこしい(褒め言葉)ディフェンスもしっかり身につけていて、器用な選手だなと思った。

#14 大崎万菜(ニコ) 173cm SF

ルーキー三人衆の最後の1人。今シーズンvs新潟戦でプレータイムをもらった際に、一番気になった選手。ボールを持った時のプレーのセレクションに違和感が無く、攻められるときに攻め、無理はしない。そして身のこなし、ボールの扱い方にセンスを感じた。これはもう言葉にすることはできないのだが、とにかく「この選手はすごい」と思った。絶対大成すると確信している。

これにて完成とします!

ルーキー三人衆については未だ現地でプレーを観られていないので、踏み込んだことが書けなかったが、今回はひとまずこれで「三菱電機コアラーズの選手について勝手に語る」を完成としたい。

以上、Wリーグ沼コアラ番地から、m.a.がお送りいたしました。

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