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3x3バスケット女子日本代表4名について勝手に語る

勝手に語るシリーズ第3弾。3x3代表です。オリンピックになんとか間に合わせました。

実はバスケットボールは3x3の女子だけが開催国枠で出場権を得られなかった。そんな不平等なことがあるかーいヽ( ̄д ̄;)ノと思ったけれど、TEAM JAPANは実力でトーナメントを勝ち抜き、オリンピック出場権を獲得した。ちなみにその大会の順位、1.アメリカ 2.フランス 3.日本(ここまでオリンピック出場) 4.スペイン である。この並びに日本が名を連ねていることの凄まじさたるや。特に最後の切符を賭けた3位決定戦は延長戦にもつれこむ大接戦、歴史に残る一戦となったので、ご覧になってない方は是非。両チームとも、この日の3試合目。まさに死闘。私は何度見ても目から水が流れ出す。うるむとかいうレベルじゃなく、滝のように。

そのトーナメントを戦った4名が、そのままオリンピック代表となった。

#3 馬瓜ステファニー選手 SF トヨタ自動車アンテロープス所属 182cm

姉のエブリン選手が五人制、妹のステファニー選手が3x3。姉妹そろってのオリンピアンだ。繊細な性格のエブリン選手と比べると、ステファニー選手は非常に次女らしい(ここには私の多大な長女コンプレックスが込められている)、力が抜けた大らかな性格に見える。力が抜けすぎていて高校3年生の時には「自分がキャプテンをやります」と立候補しているのにもかかわらずコーチに「お前じゃダメだ。2年生の山本にやらせろ。」と言われたそうだ。彼女の名誉のために付け足すが、最終的にはキャプテンになって全国三冠を成し遂げている。力の抜け具合というのは、プレッシャーのかかるスポーツ選手にとって大事な才能だと思う。

ステファニー選手の最大の武器はもう何だか分からない。それだけ何でもできる。ちょっと前までは長い手足とフィジカルを活かしたドライブとリバウンドだった。が、今ではツー(五人制で言うスリー)も入るし、アウトサイドのディフェンスもタイトに守るし、インサイドのディフェンスもしつこいし。彼女ほどオールラウンダーという言葉が似合う選手を、私は知らない。特にアウトサイドのディフェンスは、相当練習したんじゃないかなぁと思う。速くて大きい海外の選手とバチバチにやりあう様は必見だ。

#11 篠崎澪選手 SG 富士通レッドウェーブ所属 167cm

ガッツ溢れるプレースタイルから絶大な人気を集め、国内リーグオールスターの投票では常に3位以内に名を連ねる。しかし5人制の日本代表選考では、候補には呼ばれるものの最後のメンバーに残れないということが続いていた。テレビのドキュメンタリー番組で、選考落ちして悔し涙を流すところを放映されたこともある。篠崎選手のオリンピック出場は、いつしか日本女子バスケファン共通の願いになっていた、と言っても過言ではない。と思う。

鍛え上げられた肉体で俊敏に動き回り、絶対に当たり負けないドライブで得点を量産する。篠崎選手のストイックさは折り紙付きで、過酷な3x3の合宿中に「5人制に戻ってオールコート走れなくなったら困る」と言って、休憩時間にラントレをするほどだ。そうして蓄えたスタミナは無尽蔵。3x3は10分間ほとんど止まることなく試合が進む上、一日に何試合も行われる。これを4人のメンバーで戦い抜かなければならないので、試合後半になるとガス欠になったり、足がもつれたりする選手が続出する。その中で篠崎選手は、まるで今試合が始まったかのようなドライブを繰り出す。その様はFIBAの実況により「忍者」と命名された。

さらに付け加えたい注目ポイントは、ゴール下のディフェンス。3x3では167cmの篠崎選手が2m近い大きい選手を守らなければいけないタイミングがたびたび出てくる。圧倒的不利な状況にもかかわらず、強靭な足腰で必死に守り抜く。ボールを持たれる前はポストのポジション争いをし、持たれた後はピボットフットをを抑えに行き、シュートを打たれた後はスクリーンアウト。信じられない体格差でも相当粘れているので注目してほしい。

#15 西岡里紗選手 C 三菱電機コアラーズ所属 186cm

私の愛する三菱電機コアラーズから、今回唯一のオリンピアンが西岡選手。それだけに思い入れは格別だ。西岡選手は"THE・縁の下の力持ち"。他の3人が華やかなこともあって、試合のハイライト動画を見ても西岡選手が映る時間はほとんど無い。だからこそ私がここで、西岡選手について語らなければならない(使命感)。

西岡選手は4人の中で1番身体が大きい。特に日本は160cm台の選手を2人入れているので、西岡選手はインサイドの要として常にゴール下で戦うのかな、と想像していた。しかし実際は、コート中をめちゃくちゃ走り回っている。オフェンス時、まずはスクリーナーとしてディフェンスとガッチガチのぶつかり合いをし、次にパスが渡った味方にもスクリーンをかけ、息つく間も無くローポストにダイブしてポジションを確保する。さらに味方がドライブをすれば、自分のディフェンスを抑え込んでコースを確保する。そしてオフェンスリバウンドを取りに行く。走っては身体をぶつけ、走っては身体をぶつけ、の繰り返し。しかもそれを全部「誰かのため」にやっている。献身的を絵に描いたような選手だ。華やかなドライブのハイライトシーンにはなかなか映らないが、その瞬間、映っていないところで西岡選手が踏ん張っている確率はかなり高い。

身長が高い選手はえてして猫背になり気味だが、西岡選手は姿勢が良く、かっこいい。立っているだけでもかっこいいのだが、特にかっこいいと思う瞬間はリバウンドを取った瞬間。びょーんと跳んで必ず両手でキャッチする。とても力強い。五人制の国内リーグで、西岡選手が後輩が放ったシュートのリバウンドに飛び込む時、その姿に私は「憧れの先輩像」を見ている。こんな先輩がいたら絶対好きになる、頼れる姉御という感じがする。本当に惚れ惚れするほどかっこいいので、全世界に知れ渡って欲しい。

#23 山本麻衣選手 PG トヨタ自動車アンテロープス所属 165cm

最年少21歳。しかしキャプテンシーは人一倍ある。常に強気のプレーをしながら、プレーの切れ目には味方に声をかけ、タイムアウトになれば誰よりも先に発言する。自分がフリーになってチャンスと見るや、ボールを持ってる人をめちゃくちゃ呼ぶ。山本選手が出ていない時間帯にコート外から聞こえてくる1番高い声は、山本選手の声だ。貴重な休憩時間のはずなのに、ずっと叫んでいる。ちなみに、高校時代のステファニー選手の代わりに下級生ながらキャプテンに指名されたのは、紛れもなく、この山本選手である。

武器は、どんなに遠くからでも仕留める打点の高いツーポイントと、見るたびにフィニッシュスキルのバリエーションが増えるドライブ。分かりやすく華やかで、FIBAの超お気に入り選手だ。こんなハイライト動画まで公開されている。絵になる選手なのだ、とても。オリンピックで優勝して、ニュースで山本選手がツーポイントを決めてガッツポーズをしている動画が流れる妄想を、私は既に何十回もしている。この妄想はきっと現実になる。きっと。

3x3女子の初戦は7/24(土)10:15〜vsロシア、NHK Eテレで生放送があります。頑張れTEAM JAPAN!!!


5人制代表についてはこちらをご覧ください。

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