「オランダの教育と幸福度」勉強会②インプット編
第二回の勉強会が5/19に終了。今回も熱量の高い参加者の方々ばかりで、チャット欄・アーカイブ視聴に対するグループでのシェアが濃密、、
子育てにもですが、企業やチームにも関連する内容だと感じました
内容としては、下記の安井さんの記事にも詳細が記載されているのでおすすめ。
印象に残ったこと
最低限、体育が嫌いにならないことが教育のゴール
上記を達成するために心理的安全性を底上げする「場の作り方」「ルール設定」への工夫。例えば、比較が生まれない・自分で評価基準を決定するなど
「今ここにいる参加者によって作り上げる(人先行、ルールは変えていい)」ユニバーサルデザイン視点により、心理的安全性が高まり子供たちがチャレンジする回数や質が圧倒的に変わる
主語は生徒である。日本では教育指導=教師が指導する。教師が主語である。オランダでは生徒がどのように学ぶのかを引き出すのが教師のつとめ。
気づき
教育の目的とは何か?
個人としては 教育によって様々な視点を獲得して、より豊かな人間性を育みながら社会の中で生きていく力を培うことではないかと思う。そして、その中で、個人の可能性を相互にひらいていける社会を育むことができたら、世界はもっと平和になる。
平等ではなく公平
その中で、平等ではなく公平であろうとする工夫が教育プロセスの中で組み込まれている。 人それぞれのハンディキャップや得意は異なるので、同じ視点で見られるような支援や働きかけ。それも自主性を引き出す。生徒がもっと学びたい!と働きかけるまで教えないなどを意図的に行われていて、先生がそのプロセスデザインの主導権も握っていること。先生自体も常に最善のプロセスを実行できるような環境。仕組みが用意されていることが、個人主義ではなくチーム戦として教育を重視しているオランダの特徴だと感じた。
ここからは勉強会のメモになります
体育では動きの組み合わせとバリエーション
一つの種目をみんなんでやるのではなく、複数の「動き」を各自で選んで学べる多様さがある。進め方はローテーションか、自分で選ぶかをミックスさせる。
バラバラ動くことの良さは?
注目されないので運動苦手意識のある人も比較が生まれにくく心理的安全性が高い。また個別対応がしやすい。
日本の体育は「できる」「できない」がはっきりしているから、運動嫌いが必ず一定数でます。『生涯体育』を掲げている日本の体育ですが、「動き」よりも「種目」が先にあるから、未だに現場では運動嫌いを生産しています。とても残念です。
心理的安全性の大事さ
人間は元来、危険を回避したい、子供からそのベースを作っている。危険な場所では力は発揮できない、心理的安全性がある信頼がある。だからクリエイティビティが発動する
心理的安全性:4-5年前 googleの研究でも優秀さよりも人当たりの良さを重視。結果チームの生産性が高い。
日本は学習指導要領 先生がどう指導するか。オランダは主語が生徒。
場のデザインで引き出す、広がる
体育の授業は複数の動きに着目していて、これが正解!がない。動きを取り入れればOK。だから組み合わせでアイディアが広がる!
これ楽しそう!でも学習になってるってこと。勝手に自分で発展していく。いろんな組み合わせでOK。
やりたい!これを教えて!と言われた時だけ教える。結果より、自分の体と向き合う機会が授業のなかにある。
先生自体もプロセスデザインのアイデアにアクセスできる場所がたくさんある。勉強会に出席 ユトレヒト公立小学校 ネットワーク オーガナイズされた勉強会に出席→アイデアを吸収する
大学6校に持ち回りで勉強会を開催してくれる、いろんな情報・知識にアクセスする機会がある。目の前の生徒からのアイデアなど組み合わせる。
基準は自分で選ぶ
先生が決めた基準でチャレンジさせるのではなく、自分で設定した高さでOK。誰でもチャレンジができる。日本だと、ここまで頑張ろう、ここまでできて花丸。といった基準があり、その上下でできたできないが無意識的に比較されてしまう。そのルールを変えている。
服装の自由があるのは貧富の差・格差を知るため
ユニフォームを着ることによって貧富の差が見えにくい。それはサポートをすることを妨げてしまう(見えにくいことがいいということがあるかも)
整列、体育座りなど規律を守るルールもない。
体育の授業とは元々軍隊として機能する体力を培うための授業。これは世界的に。オランダでは、軍隊を育てたいわけではないので、集団行動をしない。動きに着目して身体能力を伸ばす。だから運動嫌いな人は少ない。
最低嫌いにならない。
OPAモデル理論で授業を生徒たちと振り返る
OPAモデル理論「今ここにいる参加者によって作り上げる」ユニバーサルデザインしていく視点
開かれたスポーツ、つまり、スポーツとは固定化されているルールではなく、多様な参加者が楽しめるようにルールチェンジすることができる。スポーツ、体を使ったりコミュニケーションを深めることがその本質としてすごく共感。
この理論やマインドがベースにあるので子供のチャレンジの回数や心理的安全性が違う。誰でも挑戦できる場を作る。ひらかれている
勉強会中の印象に残った質問
上記のチャットから、親も多様な学び方の知識を得て、できる範囲で子供たちとの関わり方を意識することでリテラシーを高めることから、学校教育の変革ができると感じる。
美味しくて楽しいの両立が教師として大切にしたいこと
栄養満点でも美味しくなかったり、美しい一皿でも食べれない食材があれば楽しめない。それらをちゃんとおいしくて楽しい食卓に仕上げることがシェフのような存在であると安井さん。この多様さを支え、各自が持っている幸せの定義も認めた上で、改めて「幸せな教育とは?」をこれからも考えていきたい。とのこと