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Street snap photo session Vol.4 石田シンヤ

僕のリスペクトしている写真家と街撮りを一緒にして note に纏める企画の第四弾です。第一弾から第三弾は以下の 記事となります。

ルールは以下の通りです。

1.二人でストリートスナップ
2.ロケ地は相手の写真家さんが選択
3.セッション時間は二時間以上
4.お互いを撮影した写真含めたそれぞれ五枚以上の写真を後で共有
5.その写真含めて松永が note に総括

そして、 Vol.4 は2024年4月〜8月 Haeden Museum(韓国仁川)日韓交流展への出展や写真集「RECOLLECTION / 記憶」出版や個展ととても意欲的に活動されている 石田シンヤ 氏です。石田さんに「石田さんにとって写真とは?」とお聞きすると、「写真は第二の人生です。」とのことでした。そう言い切っても頷く程、最近の写真活動は目覚ましいモノだと感じています。

photo by 石田シンヤ

過去の石田さんのストリートスナップで一枚上げるとすると写真集「RECOLLECTION / 記憶」の中のこの写真がとても印象に残っています。これはガラスかと思っていたのですが、氷だということです。石田さんの繊細な表現が凝縮しており、大きく伸ばしてじっくり観たい作品ですね。

今回の session で石田さんが指定したエリアは、静岡県の沼津でした。
沼津まで行くのであれば、宿泊しましょうということになり沼津駅近くのホテルを拠点2024年6月中旬に二人で撮り歩きました(石田さんとは以前にも高知へ宿泊撮影をご一緒したこともあります)。

石田さんは僕も「非日常シリーズ」で参加しているBEATSの写真修行僧の活動を行っており、旅に出た時の写真を毎月一冊にまとめています。石田さん曰く、”写真集をみて、そこに行ってみたい。”と思ってもらえると嬉しいとのことです。今回の石田さんの沼津での写真は写真修行僧写真集として、BEATS で見ることが出来ます。ちなみに僕もここで撮影した写真の数枚は「非日常 2024年6月」に掲載します。

沼津駅のポスター

沼津は駿河湾のかたすみにある小さな高校で2年生の高海千歌を中心とした9人の少女たちが “スクールアイドル”になる夢を抱いて立ち上がる漫画/アニメ作品「ラブライブ!」の舞台だったらしく、駅や街の至る所に沢山のポスターが張ってありました。そんな沼津をストリートスナップした石田さんのカメラは Leica Q2 (28mm) 、僕はRICOH GRⅢ(28mm)、ワイドコンバージョン付きRICOH GRⅢ(21mm) と RICOH GRⅢx(40mm)の三台体制でした。

さて、初日は沼津駅から沼津港を目標に二人で歩きました。

一日目:沼津港エリア

今回の石田さんの写真は横のカラーで、僕が縦のモノクロームなので二人がどちらが撮影した写真かは一発で見分けられることになっています。

photo by 石田シンヤ

石田さんの撮影した草の茂みの中の車の写真です。よく見ると車のライトが覗いていて面白い光景ですね。花が赤いところからカラー向きの写真と言えましょう。実は僕もシャッターは切ったのですが、モノクロームが苦手とする光景だと思いました(汗)


photo by 松永 亨

同じ花の写真でも光と影でここまでコントラストが強いとモノクロームでも表現が可能になります。木漏れ日と紫陽花のコラボレーションが美しくかったのですが、紫陽花の花の色はもっと濃かったら光が当たった箇所が明確になり、尚、良かったように思います。


photo by 石田シンヤ

同じ道を歩いていても、二人の見つけるモノが違います。この被写体に僕は気が付きませんでした。鳥の死骸ですが、これはこれでフォトジェニックなモノですね。石田さんは少し周りも入れて、周囲の状況を入れています。僕も見つけていたら撮影してたと思いますが、もっと画面一杯に撮影していたと思います。その辺りの構図の選び方の違いは趣深いですね。


photo by 松永 亨

道の向こうから雰囲気のある男性が歩いてきたので、勇気を持って正面から撮影した一枚です。堤防によって男性の歩いているゾーンは日陰になっており、それ以外の陽が当たったゾーンはとても眩しく感じ、強烈なコントラストに圧倒されるシーンでした。写真ではそのコントラストを緩和して現像しました。お互い会釈をして通り過ぎました。


photo by 松永 亨

港で光の具合と背景に奥行きが出る場所を探して、Leica Q2を構えてもらい石田さんのポートレート撮影を行いました。渋い石田さんと背景の港らしい柱・左奥の光に包まれた街角・右奥の連なる柱の奥行きが愛おしい(笑)


photo by 石田シンヤ


photo by 松永 亨

この場所はちょっと異様だったのですが、シャッターや窓に「西尾 カネ返せ」と落書きされていました。どんな因縁があったのかは分かりませんが、書く方の気持ちやそれを消さない方の気持ちを色々、想像してしまいます。

その日は二人共疲れたので、とあるバス停から沼津駅行きのバスでホテルに戻ったのでありました。

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二日目は沼津駅からバスに乗り、内浦湾を巡りました。一日目も二日目も快晴で流石、晴れ男と噂されている石田さんです。
後で知ったのですが、内浦はラブライブ!の舞台である私立浦の星女学院がある場所だそうです。だから、ポスターやグッズ、巡礼をしている方が多かったんですね。石田さんも僕も残念ながらラブライブ!は観たことがなく、この辺りを徘徊したのはラブライブ!とは全く無関係な二人でした(笑)

二日目:内浦湾エリア
photo by 石田シンヤ


photo by 松永 亨

バスを降りてすぐに二人で撮影した光景です。石田さんは飛んでいる鳥を入れての作画です。こういう細かい配慮は写真を撮る上で必要ですね。鳥の飛ぶ位置も良い感じです。
僕は太陽を入れての作画です。ワイドコンバージョン付きRICOH GRⅢを使い、21mmで撮影しています。あまり出番のないワイドコンバージョンですが、この写真のように広く空を入れ、太陽を入れた時にコンバージョンレンズで乱反射が起きて、不思議な感じに撮れるのが気に入っています。


photo by 石田シンヤ

フランスの画家である印象派 クロード・モネ の作品「印象・日の出」のような写真です。「印象・日の出」と同じように光が反射する水面が主役です。カーブしている縄と右下の太陽の反射がポイントとなり、構図の切り方と淡い色が絶妙です。

photo by 松永 亨

同じように港の縄と太陽が反射している海面の光景を撮影ました。海面が波で揺れることで太陽のリフレクションが同期して動いていたので、何枚かを撮影して一番リフレクションの描写が惹かれる写真をセレクトしています。ワイドコンバージョン付きRICOH GRⅢを使い、21mmで撮影しています。


photo by 石田シンヤ

長閑な湾の光景です。海と建物、そして山がバランス良い配置に収まっている素敵な写真です。この時は僕は石田さんよりかなり先行して歩いていました。もちろん、この場所は通ったのですが、ここで撮影はしてませんでした。カラーとモノクロームの差もあると思いますが、反応するモノの相違が面白いです。

photo by 松永 亨

錆びた鉄板に穴が空いており、その穴に蜘蛛の巣が複雑に張ってありました。こういうのを見るとシャッターを押さずにはいられません。こういう被写体はもっと画素数の多いカメラで撮影するのが相応しいのかもしれません。石田さんが撮影したかは不明でしたが、やはりちゃんと撮られてたそうです(笑)


photo by 石田シンヤ


photo by 松永 亨

これは二人で並んで同じ廃墟を撮影しました。柵にかこまれていたので、柵を入れずに構成するために腕を伸ばして撮影しています。この案内所が稼働していたころにも訪れたかったですね。写真を見てわかるように「内所」の文字部分に光が射しているのがフォトジェニックだなと痺れました。

photo by 石田シンヤ

富士山をバックにGRを構える松永を撮影してもらいました。ありがとうございます。この写真の撮影後に二人で沼津駅行きのバスに乗りました。

ということで、セッションは終了です。4回目の Street snap photo session で初めて泊りがけのセッションが出来ました。一人旅が多い僕ですが、たまには二人旅も楽しいですね。石田さん、ありがとうございました。

では、また。


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