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旅館とターゲット向けのライティングの重要さ

こんばんは。観光ライターのMasanoriです。

旅館サイトのライティング見直しを引き受ける際に、よくあることなんですが、ターゲット層をお聞きしたときに、明確な答えがない場合が多いです。

「ターゲットは全部ですね」

こんな感じで返された経験ありませんか?
ビジネスホテルなら、まぁ理解できなくもないのですが、明確なコンセプトやこだわりがあって、歴史のある旅館では、ターゲットが曖昧なはずはなく、“ターゲット”を、“きてほしい”に履き違えているケースです。
これを丁寧に紐解いていくと・・

データではどうだった?

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・実際の顧客の予約データでは?→M2層が最も多かった
・Google Analyticsのユーザーセグメントでは?→F2層に偏りが見られた
・じゃらんや楽天トラベルの口コミでは?→女性の書き込みが多く見られた
マーケティング用語について

こんなことが判明したりします。
GA以外にも多々ツールはありますが、とりあえず。
ここから推測できることは、あくまでターゲット層だけを焦点に絞る場合、少なくとも顕在化している顧客層はF/M2層のファミリー、または夫婦。OTA経由かオーガニック検索かはまた別の問題として、ネットからの予約をコンバージョンとする場合、女性(妻)がその旅館との接点になっている、ということがわかります。
※OTA:Online Travel Agent

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ライティングに反映させると・・

そうなると、露天風呂の紹介ひとつとっても、「美肌」や「保湿」というキーワードの有無、オーガニック化粧品のアメニティの有無、エステサービスの紹介を、記事やインタビューにしてみる、朝食“バイキング”と表記するか“ビュッフェ”とするか、オリジナルスイーツのコンテンツ、みたいな感じで、ライター側にはわかりやすい答えがおのずと導き出されます。
ただ、ビジュアルだけは逆で、女性の入浴画像に対するエンゲージメント率が高いのは男性です。

口コミデータを分析してみると、公式サイト上に書かれていないサービスや料理の話題で盛り上がっていたりすることもあるので、新たに追記する理由付けにもなります。

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顕在・潜在ターゲット設定

大前提で、顕在化している層とターゲットが異なるなら、もっと根本的な部分に問題があるのかもしれません。また、潜在ターゲットを設定する場合も、意思決定するメインターゲットを妻とすると、「まぁここでいいんじゃない?」と背中を押す“夫”が決裁者です。その夫がサイト上で見る部分として、眺望・景観的なコンテンツ(意外に女性よりも男性のほうがこのあたりの情緒的な“非日常”を求める傾向にあります)や、フリーWi-Fiの有無、相性の良い、親和性の高い周辺観光施設の紹介などを取り入れると、グッと直販予約率が上がります。

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トレンドも取り入れる

その時々のトレンドを取り入れることも重要です。
今はユーザーのセグメントよりも「ワーケーション」ステイに関するキーワードが旬ではあります。(実際自分もワーケーションプランがあってデイユース可能な旅館を利用しています)
じわじわきているキーワードとしては、「サステナビリティ」「SDGs」。一時期前は「地産地消」でした。「新型コロナ感染拡大防止」については、もはや特定商取引法記載と同じようなレベルで考えておいたほうがよさそうです。

いかがでしたか。
サイトリニューアルなどに莫大なコストを投じるよりも先に、まずその公式サイトは、しっかりターゲット向けに訴求できているのか、ということから見直してみるとよいかもしれません。

僕は、本業では編集のほか、ディレクションやマーケターでもあるため、ただヤミクモにライティングするのではなく、ペルソナ設計や口コミのリサーチを先行しておこないます。もちろん、予算的な問題もありますが、料金設定を文字数単価にしていませんので、最低限の稼働範囲内でしっかりマーケティングリサーチをおこなって、無駄のないライティングを心がけるようにしています。

※見出し画像以外の画像は、フリー素材サイト「PAKUTASO」を利用しています。

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