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インタビューで相手が「困った人」だったらどうするか?

つい先日、某出版社のエラい人に聞いた話。
もう、びっくり!

今の若い編集者やライターさんは、芸能人とか、著名人とか、大企業の社長とか、ベンチャー企業の社長とかへのインタビューを嫌がるんですって。
バカにされそう、とか思うらしい。

アイドルに会うためにライターになった人もいた(多数)

かつては、有名人、芸能人に会うのが目的のライターがたくさんいた。

覚えてもらう、気を引きたい、どうにかなれないものか。
だからマジックを習って、最初にアイドルにひと笑いさせる人もいた。

有名人にインタビューしたくない若者は、インタビューしてください! という人ばかり、インタビューしてきたのだろうか。

名を売りたい新ビジネスの社長とか? これから、ブレイクするかもしれない芸人とか? 

きっと、なごやか~にインタビューして、なごやか~に答えてもらえる人しか、インタビューしてこなかったのかもしれない。

「インタビューさせてください!」
と、お願いして、インタビューをしたことがなかったのかもしれない。

noteで書いてるインタビューライターさん、出番ですね!

だいたい皆、良い方々。でも中には困った人も。

わたしは芸能人にそれほど興味はなかったけど、それでも何回かある。

今も人気のアイドルグループ(男性)の1人とか、かつて一世を風靡した女性ユニットの1人とか、紅白にも出た女性ミュージシャンとか。

芸能人ではなく有名人という枠なら、たくさんある。
で、たまに困った人もいる。

しゃべってくれない人。

数少ない芸能人インタビューの、女性ミュージシャンが、そうだった。
機嫌が悪いのか、昨日寝ていないのか、とにかくお話してくれない。

でも、そこは芸能人。マネージャーがついている。
「これって、こういうことよね?ね?」

と、ほぼマネージャーさんインタビューに。
一応、頷いてくれてはいたけど。

取材も短い時間しかないと、マネージャーさんも知っている。

考えてきた質問では太刀打ちできないので、こちらもいろんなボール(=質問)を投げる。こう聞いてみよう。ダメだー。じゃこれではどうか?

結局、マネージャーさんが通訳(?)してくれた情報がとれた。
何を聞いたか? うーん、むかしすぎて忘れたー。

自分の業界用語が多い人。

ベンチャーだけでなく、大企業でなくてもいらっしゃる。
もちろん、ある程度はこちらも勉強していく。

しかし、カタカナ言葉がどんどん出てきて、内容がわからない!
これは……大幅な作戦変更をせざるをえない。

「●●って、▲▲という意味でしょうかー?」

相手が「そんなことも知らないの感」を出してくることもある。
そういうときは、卑屈にならず、笑顔で切り返す。

「一般誌なんで~、一般の人がわかる言葉のほうが、より多くの人に、御社のよさが伝わると思うんですよ~。すみません、何度もどういう意味でしょうか、って聞いてしまって~。わたしも勉強不足で~」
(普通の言葉で話したほうが、あなた自身のメリットになりますよ? わたしも勉強不足でしたし? という裏取引)

「たとえば、✗✗で、■■ということでしょうか?」
(このくらい、わかりやすくしてね、という例示)

だいたいの場合、こんな感じでなんとかなる。

ライターをいじめる人。

後にも先にも、ひとりだけ。
もう亡くなった方なのでくわしくは書かないが、ある意味、頭がいいと多くの人に思われていた人。自分で自分を天才と言っていたかな。

当時、わたしは編集。優秀なライターさんと取材に行った。しかし……。

なんだか、よくわからないことを言うので、ライターさんは、
「それって、どういう●●ですか?」
と、食い下がるのだが……。

「だから、▲▲を■■して……。そんなこともわかんないんですか?」

話が完全に食い違っている。それ以前に、この人あやふやなことばかり言って、ライターさんの質問に全然、答えてない。実は何も考えてないのが丸わかり。

なーにが天才だぁ? わたしも助け舟を出すが……。その有名人は、ライターさんにロックオン。

帰宅時に、泣きそうになってるライターさんに言う。

「こっちの質問に答えないで、あなたをバカにしていただけだから。あんなのが言ったこと、気にしなくていいから!」

ライターさんが、うんうんと泣きそうな顔で頷いていた。

知ったかぶりしないで、切り込めるか?

インタビューは、チャンバラだと思う。
チャンバラって死語? じゃ検索してください。

相手も「自分に都合のいいことだけ言う」という刀で切りかかってくるので、こっちも自分の刀で受けて、「いいことじゃないことも聞きますよ~」
と返す。

わからないことは、わからないと聞く。これ、一番大事。

「すみません~、不勉強で。先程の●●という言葉って、こういう意味でしょうか?」

優秀な人、何かの第一人者の方ほど、すんなり教えてくれる。そうそう、怒り出したり嫌味を言ったりする人はいない。全くいないわけじゃないけど。なんだコイツオーラを出す人もいる。

言うつもりじゃなかったことを言うように仕向ける

まあ、相手もなんだこいつと思いつつも、メディアに載るんだからいい関係でいようとか、わかってないのに話して、実はわかってなくて、時間が押したら嫌だとか、思うところはあるだろう。

本当のチャンバラは切り合いだけど、インタビュー・チャンバラは、お互いバッサリ切らないのがお約束。

たまに少し切ったら新しい面が見えたり、お、そんな返しをするの? という意外性を見つけたり。

もちろん、いつもチャンバラをするインタビューばかりではないのだが。

ちなみにわたしは、何かひとつ、相手が言うつもりじゃなかったことを、聞くようにしている。

「すみません、最後に~」

と、「もうこれでインタビューは終わりますよ」という安心感を持ってもらってからの~、踏み込んで、切り込み! 

実はそれが、一番面白い話だったというのは、よくあることだ。

以上、わたしの「インタビューで困ったら、こうやって切り抜けましょう」でした。

若い編集&ライターさんの参考になればいいなー。



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