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5mの捉え方

今朝は起きたい時間に起きることができた。朝起きられないのではなくて、起きた後にまた寝てしまうのが問題ではないか。ふと寝る前に思いたち、目を閉じてからは「起きたらベッドから出る」とひたすら念じ続けてみた。その甲斐あってか目が覚めた瞬間に、頭にこびりついている起きねばという使命を思い出すことができて、今日の勝利に繋がった。これはえらい。
でも私には平日起きられないけど休日起きられる問題が残っている。いまだに原因は不明。ただ、平日は起きたいという「意欲」よりも起きなければという「義務」がある。だから起きたくなくなるんだと仮説を立てている。でもこの仮説が真なら、仕事を辞めない限り起きられないかもしれないという、もしもに怯えているので、なるべく考えない様にしている。

radikoのタイムフリーでオードリーのオールナイトニッポンを聴きながら家事をしていて、銀シャリハウスがとても羨ましかった。銀シャリハウスだけでなく、バカリズムさんとか佐久間宣行さんが作業部屋として家とは別の空間を作っている話もとても好き。子供の頃に憧れていた秘密基地のようでロマンとワクワクを感じてしまう。
私だったらどこにつくるんだろう。無難に家の近くでもいいけれど、お気に入りのカフェがある街にするのも捨てがたい。壁一面を本棚にするのにも憧れる。片っ端から気になった本を詰め込んで、自分の説明書を作り上げたい。ただ肝心な作業部屋で何を作業するのかという、存在意義の大黒柱となるところがないので実現する可能性はほとんどないのだけれど。

夕方の少し涼しくなった時間を狙って、パル、犬の散歩に繰り出した。パルは散歩が嫌いみたいで散歩道具を見ただけで震えてしまい、この姿を見るたびに罪悪感を感じてしまう。今日も今日とてお休みにしてもいいよね、また今度行けばいいかと心が揺らいだが、彼女の健康と将来のために鬼を心におろして家を出た。
いつも不思議に思うけど、パルはなぜか地面に下ろした瞬間にすーっと震えが止まる。そして私と一緒に歩き出す。歩き始めると立ち止まったり座り込んだりすることは一切なく、時折キョロキョロしながらとてとてと歩き出す。
パルとは3年くらい一緒にいるけれど、いまだに散歩が好きなのか嫌いなのかよくわからない。

信号待ち、数メートル先を見上げると電柱には赤いテープが貼ってある。それは私の住む地域で想定される最大規模の降水で想定される浸水の高さ、5mのライン。建物の二階部分がまるまる水に使ってしまう高さ。右を見ても左を見ても周りにある建物のほとんどは二階建てくらいの建物。周りの建物が建った当時はそんな想定がされていなかったと思うけど、今はこの5mという高さをどういう風に捉えているんだろう。
幸いにも浸水は雨に起因する災害で、数日前に予測することができる。最悪の場合でも避難をすれば命を守ることは難しくないのかも知れない。それでも私の家からは見下ろす高さでも、2階に住む人からは正面から見つめる5mになる。もしかしたら雨の日には同じ5mではあるけれど、私との捉え方とは天と地ほどの差があるかもしれないと思ってしまった。
いつの間にか信号は青になり、体高30cmほどの愛犬は「行きますよ」とでも言いたげな表情で私を見つめていた。梅雨入りのニュースを見たからこんなことを考えてしまったけれど、犬には梅雨も5mもないかと気が抜けた。

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