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獺祭がアメリカ市場において挑戦するマーケティング戦略(旭酒造 桜井会長/モーサテ20231002)

世界的な人気を誇る日本酒、獺祭を製造する旭酒造がアメリカで現地生産する新ブランド、獺祭ブルーを立ち上げ、2023年9月に販売を開始した。

2022年の日本酒の輸出額は、13年連続で過去最高を更新するなど世界で日本酒ブームと言われる中でデビューする新たな獺祭だが、アメリカ市場開拓には課題も山積みと言われている。

当初の計画では、獺祭ブルーに使う米は日本、水はニューヨーク州、そしてアメリカ現地の酒蔵で生産することを決めていた。

旭酒造 桜井会長は、その理由として、海外の現地に酒蔵を作らないと、日本酒は国際化しないんじゃないかというのが持論であり、アメリカでのチャンスを頂いた際、これは今行かないと決意された。
そして、日本の獺祭に負けないような酒を作らないと事業として成功しない。ここでそういったお酒を作り、アメリカという国に失礼にならない覚悟でやるとコメントを残している。

しかしその後、新型コロナの流行等の事態が重なり、計画にも遅れが出て、酒蔵の建設費用も、当初のおよそ4倍に膨れ上がった。

それでもあきらめず計画を進め、2023年に入り桜井会長自身も、アメリカへ移住し、3月に獺祭ブルーの生産を開始した。

ただ、アメリカ市場の攻略には道のりは非常に厳しい。アメリカ市場において、日本酒のシェアは、0.2%しかなく、一般的に言われるアメリカは日本酒ブームという風潮はない。私たちは弱者なんだ。弱者の戦略を取らなければならない。

ニューヨークの酒店で、新規客開拓のため獺祭の試飲イベントを開催したが、酒は癖があって飲みにくいイメージが強いことが分かり、日本酒を普段飲まない客に獺祭を手に取ってもらうためのきっかけ作りが、課題を乗り越えるカギだと認識した。

アメリカ南部のアーカンソー州で、山田錦を栽培しているクリスさんにお願いし、酒に使う米もアメリカ産に切り替えた。

生産だけでなく原料も、Made in USAに拘った獺祭ブルーが、アメリカ人の目を日本酒に向けるきっかけ作りになると考えている。

実際に試飲者の多くは、アーカンソーの米をニューヨークで生産しているという親近感がアメリカ消費者のギャップを埋める架け橋となると伝えている。

0.2%のシェアを超えるための挑戦が幕を開け、
桜井会長は、質を上げること。今は及第点を出しているが、まだまだ満足していない。完成度がまず目標であり、売り上げも結果としてついてくると考えている。日本で私らがやったやり方と同じことをアメリカでやろうと思っている。

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