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ICTで学校生活を変えるまでの2ステップ

 生徒の一日は朝登校し、SHRから始まります。SHRでは担任の先生が出欠確認や健康観察を行い、その日の連絡事項を伝えて終わります。しかし、ICTを日常的に使うようになれば、SHRのあり方やその他の学校生活を変えることでしょう。紙ゴミが減り、連絡ミスが減り、作業効率が上がり時間を創出できるはずです。ICTで学校生活の日常を豊かにするための方法を、2つのステップに分けて考察していきます。

1 連絡事項や掲示物をデータ配信する

 担任が朝、職員室からGoogle ClassroomやClassiを使って連絡事項を伝達すれば、伝え忘れ等のミスが無くなります。委員会や部活動の連絡は、今まで担当者が一度担任に伝えてから、担任が生徒に連絡することが多かったですが、ICTを使えば担当者が生徒に直接連絡することも容易です。
 掲示物や配布物については、Googleドライブの共有ドライブ機能を使えば生徒に伝えるのが簡単になります。生徒もプリントを紛失するリスクが無くなり、いつでもどこでもアクセスできるので、従来よりも遥かに利便性が高くなります。

2 記録をデータで残す

 かつては、勉強時間はノートや手帳に記録するのが一般的でした。しかし、今はClassiなどでスマホアプリで記録していくのが当たり前になりました。これは、単に手帳を紛失したり破損しても大丈夫というだけではありません。教員が生徒の学習時間データを分析し、今後の教育活動に役立てられるという新しい価値が産まれています。
 LHRや総合の時間、部活動での活動記録もデータとして記録することで、他のクラスや学年との比較・共有が容易になり、教員の指導改善に大きく寄与するでしょう。勤務校だけでなく、他校との情報共有もしやすくなるので、広い視野と新しい着想を獲得できるかもしれません。

データの配信や記録をする際の留意事項

 データの配信や記録は便利な一方で、やり方を間違えるとセキュリティインシデントの発生や人権侵害にも繋がります。最後に特に気をつけるべきことを2点確認します。

1 共有設定

 自分の学校の教員や生徒に共有をかけたつもりが、全世界公開になってる!ということになると大惨事です。一度流出したら止められません。共有の設定はしっかりと確認しましょう。

2 本人や保護者の同意

 データ分析を行う際、個人を特定されないような配慮をすることが大切ですが、そもそもデータを勝手に収集することもいけません。収集するデータの種類やその目的を説明し、同意の上で行うというプロセスをきちんと踏みましょう。

 なお、令和4年1月7日にデジタル庁が教育データ利活用ロードマップを公表しました。データが年単位で集まれば、長年経験則に頼らざるを得なかった教員の指導もエビデンスベースで行えるようになり、科学的に裏付けされたより良い指導へと改善することができるようになるのではと強く期待しています。

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