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組織文化を醸成するポイントを解説します!

皆さん、こんにちは。神村です。

全4回の「組織論・組織行動論」の企画もいよいよ最終回となります。
今回はこれまでのまとめとして、組織文化(評価、自覚/納得、時間)の3点について解説できればと思います。
組織文化は一朝一夕に形成されるものではありませんが、個々の社員にとって重視する評価軸になる部分ですので、人事に携わる方はもちろん、会社以外の組織でも活かせる内容ですので、ぜひ読み進めていただければ嬉しいです。

(本稿は「Off the pitch talk 」第234~236回の放送内容のまとめです。今回はゲスト:小出さん、文責:神田さんでお届けします)

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#234 : 何を評価し、どのように評価し、どうフィードバックする?
#235 : 評価に対してメンバーが納得・自覚する仕組みをつくれていますか?
#236 : 組織論のまとめとおすすめ本紹介!

何を、どのように評価し、どうフィードバックするのか?

(神村):組織を考える時に、組織文化はとても重要です。組織は個々人の集団によって成り立つので、どんな人が集まるかによって組織の癖みたいなものが生まれてきます。また、組織文化は人の入れ替わりや社会情勢などの外的要因によっても刻々と変化するものです。その中で変わるもの、変わらないものを考えることは、特にトップの人にとっては大切なのです。

(小出):よく神村さんがおっしゃる組織の”体質”と同義でしょうか?

(神村):そうだね。人間の体質も人それぞれなのと同様、組織も構成員の性質によって変わるんだよね。

(小出):では、組織文化について、重要ポイントの解説をお願いします。

(神村):大きく分けると3つあります。一つ目は評価、二つ目はその評価に対する納得感、そして三つ目は時間です。今回は、それぞれについて解説します。

(小出):ありがとうございます。まず一つ目の評価についてお願いします。

(神村):評価においてまず大事なのは「何を評価するのか?」です。次に「どのように評価するのか?」そして最後に「その評価を被評価者にどのようにフィードバックするか?」です。この3点が重要で、これらをどのように整備するかを考えることが、組織文化において大きな影響を持ちます。前回お話した定量と定性の話もあれば、結果とプロセスどちらを重視するかの議論もあります。いずれにせよ、それぞれの評価バランスをどのようにやるのかは難しい問題です。

(小出):たしかに、絶対評価とか相対評価でも全然違いますからね。

(神村):さらに加点評価、減点評価もあるよね。そもそも、日本企業の多くは評価と聞くと上司が部下を評価すると考えられがちですが、評価一つとっても、同僚からの評価や後輩からの評価だってある訳です。

(小出):僕も評価と聞くと、つい上司から部下に対して評価するイメージを持ってしまいます。

(神村):直属上司からの評価基準が、組織全体に公開されていることは大事ですし、上司以外の評価がどれくらい評価に反映されるかも、組織によって異なります。厳しい上司、優しい上司など、上司ありきで評価が変わるのではなく、上司によってブレない明確な基準を設ける(=再現性を持たせる)ことも同時に大切です。

(小出):ありがとうございます。最後に、その評価をどうフィードバックするかについても説明お願いします。

(神村):例えるなら学校の通知表を渡す時と同じだよね。評価を下す/伝えるときに、単に「あなたは10点中6点でした」と言うだけじゃなく、過去の実績を踏まえて、今後どうしていくべきか?という所まで話せると良いですね。

メンバーが納得・自覚する評価を作れているか?

(神村):次に、評価の内容を当人や周囲の人が納得できるかを話します。これは、評価される側の人間が「こんな評価な訳がない」、「もっと高い評価を受けて然るべきだ」と感じずに納得できているかがポイントになります。これができていないと、組織がギスギスしたり、社員から「どうせ頑張っても評価されない」とか「何をすべきか分からない」という不満や疑いを持たれます。

(小出):人間なら、働いたことに対して正当に評価されたいと思うのは自然なことですよね。

(神村):もちろん、自分の過去の実績や成果が正当に評価されると嬉しいというのもあるし、評価の公平性もとても大事です。周囲の人と比べた時に「それなら自分はこれくらいの評価で然るべきだ」というのが客観的に明瞭であることが前提です。あとは、評価に対して何がもたらされるのか?と言う点かな。

(小出):それはつまり、報酬ということですか?

(神村):報酬(昇給やボーナス)といった金銭的な場合もあれば、名誉とかランクUP(昇格)など周りからのリスペクトを得られる手段もあります。スポーツ選手の MVP が分かりやすい。MVP はあくまでその称号に価値があて、その賞金に焦点が当たっているわけではないですよね。もちろん、MVP に値する成績を出せば当然のことながらそれが年俸UPにつながることは町がないないけれどね。

(小出):働く以上はお金も大事だし、名誉・名声も全く求めない人の方が珍しいかもしれません。笑

(神村):人間なら生きる上でお金は必要だし、名誉もあるに越したことはないでしょう。それを組織でどのように皆の納得感、満足感を得て制度化できるか。これによってガラリと組織風土は変わるのが現実です。組織のトップに立つ人間は、売上/利益を増やすのとは別に、それを重々理解する必要があるのです。

(小出):大事にすべきことを各組織が選定するということですね。あとは、時間についてです。

(神村):1年、3年、5年と時間が経つにつれ、社員、経営者、経済などあらゆるものが変化します。その時に、組織が変えず大事にしていきたいものが何なのかを考えることが風土とか文化と呼ばれるようになるんだね。

(小出):なるほど。僕が前に口にした高校の校風なんかも、厳しい/緩い学校があったりと千差万別なので、まさに組織風土そのものですね。

(神村):そうだね。あるいは世代間でも「最近の若者は、、」と苦言を呈する大人が増えていますが、変わること自体を否定するのではなく、どう変わるのか、あるいは、どう変えていくべきかという未来志向の議論ができることが、何より大切ではないでしょうか

組織論のオススメ本

(神村):最後に、この組織論に関して自主的に学びたい、もっと深掘りしたい方々のために、私がオススメする本をいくつか紹介してきます。

(小出):久々の本紹介ですね!待ってました!笑

(神村):まずご紹介するのははじめての組織行動論(著:西川 真規子)です。いわゆる初級版の内容ですが、非常にアカデミックに書かれており、今回取り上げたようなテーマも網羅されているので、復習がてら読んでいただきたい一冊です。

(小出):ありがとうございます。他にオススメはありますか?

(神村):ビジネス観点で読んでみると良いだろうなと思う本が2冊あります。まずは、ウィニングカルチャー: 勝ちぐせのある人と組織のつくりかた(著:中竹 竜二)です。早稲田大学のラグビー部のキャプテンをされていた中竹さんが書かれた本です。組織はどう作るべきか?、あるいは勝つ組織にするには?という疑問にダイレクトに答えてくれる本です。それから、チームが自然に生まれ変わる(著:李 英俊 , 堀田 創)という本です。比較的新しく、最近の世の中の動向や若い世代の価値観に即した組織の作りかたが書かれています。いずれにせよ、この3冊に共通していることは、内容がとても分かりやすいので、サっと一気に読める点です。普段あまり読書に慣れていない人でも、気軽に手に取ってもらえたらと思います

(小出):そうですね。僕もこれらの本を早速購入して読んでみます!ありがとうございます。

まとめ


(小出):これまで4週にわたってお送りしてきましたが、最後に総括をお願いします。

(神村):元々これをやったきっかけは小出くんが組織を立ち上げる中で組織論を学びたいというリクエストがあったからだと思うんだけど、組織とは?の話から、組織評価や文化についても取り上げて細かく解説してきました。大事なのは、各テーマは互いに連動してますし、組織は特定の誰かが作るものではなく、組織に属する皆で作り上げていくものだと理解することです。つまり、自分の組織を良くする工夫をする責任が組織人すべてにあるということです。ですから、読者の皆さんは、「良い組織を見つけて属したい」というスタンスではなく、「自分が良い組織にしていくぞ」と主体的に動いていけるようになって欲しいと願っています。

(小出):僕も今回学んだことを現場でも活かしていきます。神村さん、ありがとうございました。

(神村):ありがとうございました!

文責:神田






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