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【本】老人ホテル 原田ひ香  230303

決して読書家ではない私
2月時点で1冊読めたことは珍しい

今年1冊目の読了は「老人ホテル」
原田ひ香さんの作品

ここでは
本の内容を私なりにまとめてみようと思う

あらすじ

主人公は清掃員としてホテルに勤務する
20代の若い女性 天使(えんじぇる)
このホテルのワンフロアには長期滞在の老人たちが複数いる
このことから「老人ホテル」という呼び名が付けられている
なぜ、天使はこのホテルに勤めているのか
それは老人ホテルに住む光子という老女に近づくためであった
彼女に「お金持ちになる方法」を聞くため。。。

この本は多くのストーリーがある
どれも現在の社会問題を物語っている
天使の壮絶な過去、ホテルに住む老人たちの人生を通して
ネグレクト、生活保護の受給や不動産投資など様々な話題に触れている
そして
光子と天使のやり取りを通じて
お金との向き合い方を読者に伝えていく・・・

 

感想

原田ひ香さんは
私が昨年11月ごろに読んだ「三千円の使いかた」と同じ作者
読書の習慣がない私が立て続けに本を読むことができたのは
原田ひ香さんの作品が面白いから

原田ひ香さんの作品は描写表現が秀逸で
細部まで読み手に伝えわります
「あぁそれわかるー!」という
庶民感覚まで繊細に表現されています
故に読み進めていくと
どんどんその世界に引き込まれていく
原田ひ香さんの表現は
私に合っているのだと感じる

本の内容については
多要素に広く触れられるため自身の世界観が広がる
この本の主題は「お金の話」だと私は捉えているが
お金についての話は
終盤1/4あたりから急ピッチで進んでいく
その中に
正社員のこと、固定費の削減や余剰資金でのインデックス投資
更には不動産投資と多くの内容が書かれている
私にとって
不動産投資の部分は自分の未知の領域であるため
もう少し詳しく解説があればありがたかったが
この本をキッカケに興味が湧いたなら
それ専門の本を手に取れということだと自己解釈した

終盤1/4から主題に入っていくのは
少々遅い感覚もあるが
そこに至るまでの主人公 天使のストーリーが
濃く描かれていたからこそ
「お金の話」も読み手に入りやすくなっているとも感じる
そのため
主題が終盤1/4に詰め込まれても読み苦しくなかった

この本を
1つの小説という前提で読んだ私は大変に楽しめた
早速、原田ひ香さんの別作品を読み進めている
ただ
「三千円の使いかた」のようにお金にまつわる話が
最初からどんどん入ってくるマネー本に近い前提で
読み進める方には消化不良の内容になりそうだ



なにはともあれ
消えかかったロウソクの火のようだった
私の読書魂に火をつけてくれた原田ひ香さんには
感謝、感謝である





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