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【※2022/10/9更新】フリーゲーム、どこで公開する? ~思いつく限りのPFで公開した記録~【SteamとDLsiteがすごい!】

■追記を行うにあたって(2022/10/9)

 この記事は当初、 2022/5/11に配信を開始したSteam版『学園スイーツ発見 ~双目(ざらめ)のドーナツ編~』リリース1ヶ月を経過したことを踏まえ、DL数をPFごとに比較した記事でした。

 このSteam版を機に『学園スイーツ発見』の展開は終わりかな、という思いもあってまとめたところがあったのですが……。

 その後、DLsite様でも配信を行うことができました。
 PF比較記事としてこの件についてはこの記事でも触れておきたいな……というところで、各PFの数字を現在(10/9)に更新しつつ、DLsite部分について一項目追加していこう……という追記内容となります。

■はじめに

 こんにちは、サークル「ほんわかふわふわ」代表、花倉みだれです。
 主にゲームを制作しています。
 第1作は『HIGH&LOW ~めざせ! 26連勝! 5000兆円への道~』というゲームでした。

 「思いつく・可能な限りの場所で有料販売を行う」という方針でこれは動いていて、その件についてnoteにまとめていたりします。

 2作目は『学園スイーツ発見 ~双目(ざらめ)のドーナツ編~』というゲームです。

 こちらは逆に「思いつく・可能な限りの場所で無料配布を行う」という方針で動いています。
 それぞれやれる限りやってみて、自分なりの所感を得て、今後絞るなら絞るで考えていきたいな~というところですね。
 一通りやって数字も出てきたかなと思うので、これをまとめて参考までに共有できればいいなと、そんな記事になります。

 結論から言うとSteamがすごい。

■比較

 私が配布をしていたサイトと、そこでのDL数(一部サイトはプレイ数)を並べるとこうなります。

PFごとのDL数リスト

 Steam / DLsiteを抜きにしてDL数だけで棒グラフにするとこうです

SteamとDLsite抜きのDL数グラフ


Steam / DLsite込みのDL数のグラフ

 結構、大きな差がある気がしますね。
 ただこれも、Steamを国内のみに絞ると見え方が変わります。

SteamのDL数を日本に限定した(537)パターン

 んー……それでもやっぱりSteamすごい! って結論にはなりますね。
 一方で、DLsiteすごーい!!!(こちらはユーザーの国別データは取れないのでわからないのですが)
 言うまでもなくどちらも有料ゲームプラットフォームではあるのですが、無料配布もできるのは強いなぁと思います。
 1つずつ、振り返っていこうと思います。

■unityroom

 プレイ数:3555
 評価数:99
 コメント数:36

 ブラウザでプレイできるのでDL数じゃないのはそういうことですね。
 ブラウザゲームのプレイ回数、自分でも回しちゃうのであまり参考になるとは思わないのですが、それでも結構稼げているかなと思います。
 評価数100弱、コメント30件超というのは全PFの中で最強です
 これはunity1weekに参加したタイトルであることが大きいですね。
 神イベント……! 参加し得! みなさん出ましょう!

 逆に言うと、unity1weekに参加しなかったらこんなに伸びたとは思わないので、こればかりはタイミング次第なところが大きいですねぇ。出れそうな時は出ると絶対いいと思います。

■GAMEアツマール

※(2022/12/20追記)2023年6月28日でサービス終了とのことです

 プレイ数:164
 コメント:0

 こちらもブラウザなのでプレイ回数になってしまいますね。
 あまりイベント便乗などもできなかったのもありますが、多分ほぼほぼ自分だけで回してる気がします(笑)
 GAMEアツマールのWebGLはUnityroomで動くものをそのままでは動かせなかったりして、ちょっとだけ癖があります。今回機能オミットすることで自分はのっけているので、その辺の魅力減少の影響も多少なりともあるのかもしれません。

■PliCy

https://plicy.net/GamePlay/119090

 プレイ数:823
 コメント:0

 こちらもブラウザなのでプレイ回数になってしまいますね。
 公式Twitterが一定回数プレイされるごとにbotで告知してくれるのがいいなぁポイントではあるかもしれませんが、影響がどれほどあるかは微妙なところかもしれません。
 かなりの回数自分で回しているとは思うので、こちらも手応えという意味ではうーん……って感じは正直ありますね。

■Steam

DL数:17462(うち日本537。全体の3%)
UU:1764
レビュー数:29
(※10/9時点)

 シンプルにすごいですね。
 圧倒的プラットフォームパワーを感じます。
 こちらからプレイをお願いするキュレーターレビューも、無料ゲームのこちらでも無事使えましたし、積極的にアピールできるのもありがたいですね。

 レビューの内容もほとんどが好意的なもので、有料のプラットフォームだから辛辣で病むんじゃないか……? みたいな懸念もほとんど無意味なんじゃないかなと思います。他のPFだとそもそもレビュー頂けるハードルを越えられていませんし(笑)
 Steamのレビュー(というかコミュニティ)文化は、ほとんどSNSなので、基本的にはそこまでひどくないものを悪く書くことそのものがユーザーにとっての不利益になっているんじゃないかと想像します。全然怖くなさそうだよ、というのが所感ですね。
 UUや国別のDL数なんかのデータを勝手に集めてくれることや、実績の実装がそこまで難しくなかった点も良いですね。

 唯一の懸念は、場所代に100ドルかかることですかね。
 円安のご時世だとなお厳しい。
 フリーゲームをお金をかけて出すってことは、それだけで赤字確定なわけで悩ましいところだとは思いますが、使ってるツールやアセットのことを思えばもう誤差なんじゃない? と思います。
 なんだかんだで、多くの方に遊んでもらいたくて無料で出しているのかなと思うので、そうであればSteamで出すのは大いに有意義な選択肢になるかと思いますよ。少なくとも、私は出してとっても満足しています。

※10/9追記
 
この記事を書いた段階では約7000DLだったので17,000超は伸びをとても感じます。
 一方で、UU(DL数から起動率を割った数っぽい)の伸びはDL数と比較して鈍化します。
 前回時点が
DL7000に対し起動1000……だいたい14~15%程度だったのに対し、現在はDL17,000に対し起動1700……と、10%程度です
 
10,000DLさせて700に起動していただいている……と考えると、配信一ヶ月以後の起動率は10%を割りますね。
 それにしても伸びてはいるのでとてもありがたいな~と重ね重ね思うのですが「無料だからとりあえずライブラリに入れる」層の割合が時間とともに高まっていくものなのだな~、と当たり前のようなことを改めて認識しました。逆に言えば、そういった需要(「無料」「ゲーム」でディグってくれるユーザーがいる)があるというのも強いPF感あってありがたい存在ですね。
 本当、とりあえずライブラリに入れるだけでいいので入れてください(笑)嬉しいのです本当に!!
 時間や期間を区切って振り替えるのって数字を見るうえでは大事だな~と思ったりしました。

■DLsite

DL数:3836
評価数:191
レビュー数:1

 追記部分の本命ですね。
 DLSiteは従来有料のコンテンツのみを提供するプラットフォームでした。

 フリーゲームを扱うようになったのは昨年末頃と、無料ゲームを提供できるプラットフォームとしては比較的歴史の浅いプラットフォームと言えるかと思います。

全年齢版特設ページ(https://www.dlsite.com/home/genres/works?genrekey=freegame )より

 全年齢版の特設ページに掲載されているタイトル数は10/9現在34で、私が最新の状態です。
 集客力のあるPFの中で、需要のある(無料)形態でありながら供給数が少ない中に列席させていただけているのは、パブリッシャーとしては正直メチャクチャ美味しい状況なのではと想定以上のDL数や評価数を見て感じています。
 見た目上の数字こそSteamには及ばないものの、その他は圧倒する数字です。比較的日本人向けPFであることを考えると、日本人向けに作ったゲームを提供するPFとしてとても魅力的に見えますね。
 評価やレビューなどの反応もいただけるのはとてもありがたい限り。評価に対するインセンティブがあるなど反応がもらいやすい仕組みなのも影響していそうですね。
 個人的には本当に出せてよかったと感謝しています。

 ちなみに、今回ご縁が繋がったきっかけは私のnoteの記事だったとのこと。
 追記前のこの記事や、この記事あたりが目に止まったのでしょうかね……?

 こんなに直接的に発信した効果があった!! ってなったのはじめてで嬉しいですね(笑) よく見ていらっしゃる……。

 私自身はDLSiteの中の人ではないので詳しいことはわからない、無責任なことは言えないのですが、
 この辺り色々気になる方は先方にお問い合わせしてみてもいいかもしれませんね。
 (先方に迷惑にならない形で!) 

■GooglePlayStore

DL数:72
レビュー数:0

 PFパワーそのものは絶対的にあるとは思うのですが、新着から拾っていく(そもそも新着アプリって見れるのか……?)みたいな文化もそうなさそうですし、ウマ娘もFGOも無料で遊べる中で無料もさほど売りにはなりませんし、厳しいですね。周囲もiOS勢ばかりで身内に勧める道も難しかったです(笑)
 とはいえ、50超えたのは個人的には大善戦だと思っていますし、Steamの次にDL数があるのはここです。
 やはり場所代(ここはパブリッシャーとしての登録のみなので一回でいいけど)はかかりますが、iOS版作るよりは断然手頃なので、手を出す価値は全然あるかなと思います。

■amazon

DL数:14
コメント数:0

 AndroidアプリはGooglePlayStore独占というわけではなく、ちょこちょこ他でも配っているんですよね。amazonもその1つです。
 リリースしてからしばらくの間0更新で、まぁそれはそうだな~と思っていたのですが、今見たら6になっていました。感謝!
 0じゃないなら出したかいはあるかなぁとは思います。
 あのamazonの検索結果に出る、というのも中長期的には活きるかもしれませんしね。
 手間に見合うのかどうか……? というのは判断が難しいところかもしれませんけど。

■ふりーむ!

DL数:33
コメント数:0

 フリーゲームのPFと言えば、真っ先に思い浮かぶのがこのサイトでしょう。
 少しだけ審査が厳しく特別な対応が必要だったりすることがある(私は必要だった)のが個人的には厳しいポイントだと思っているのですが、
 バッチリ2桁は届いていて、苦労して出した甲斐を感じます。
 たくさんDLしていただけてありがたい限り。

■フリーゲーム夢現

DL数:25
コメント数:0

 フリーゲームサイトとしてはふりーむと双璧をなすイメージが私にはあります。
 そのイメージ通り、ほぼほぼふりーむと同程度のDL数でありがたいなと思います。

■itch.io

 DL数:4
 コメント数:0

 世界的なフリーゲーム(シェアウェアや投げ銭も可能)プラットフォームとのことですが、結果はちょっと厳しいですね……。4人には感謝!
 化ければすごいことになる期待感はあるとは思うので、やってみるのは全然ありかなぁとは思います。期待しすぎて特に準備も戦略もなくいくと泣いちゃうかもしれませんね(笑)

■BOOTH

 DL数:3

 あくまで「ゲームも売れるPF」であって「ゲームを売るPF」ではないというのは非常に大きいでしょうね。
 ほんわかふわふわではキャラクターグッズを置いているのもBOOTHなので、長期的にはそういうシナジーも見込めると……いいなぁ……というところでしょうか。
 何も考えずに置いて好奇心のある方に見つかりたい! みたいなのはちょっと厳しい場所だとは思います。

■vector

 DL数:17
 コメント:0

 もはや若干懐かしいPFな印象もありますがバリバリ現役でした。
 有料で置くのは手続き色々あってちょっと面倒そうでしたが、無料で置くのならもう少し手頃でした。
 歴史ありますし、ゲームも結構今でも更新されていたりするんですよね。
 穴場感はありますが、ユーザーは間違いなくいるんだなぁ……って感じですね。正直0だと思ってました。
 ダウンロードしてくださった方ありがとうございます!

■たくさんの場所で出すメリット

 今回私はありたっけの思いつく場所で無料リリースをしたわけですが、
 今後に備えた情報収集、以外のメリットも感じはします。

  なんだかんだで「プラットフォームについているユーザー」がいるとわかったことです。
 Steamしか見ない人はSteamしか見ないし、Vectorしか見ない人はVectorしか見ない。
その人たちにそれぞれリーチする一番シンプルな方法として、多方面展開するのはアリな戦術だと思います。

 ある程度自分自身に付加価値が出来て、ファンがついてきた頃であれば政治信条なりなんなり好きな理由で好きな場所で出してもそこに人はついてくるのだと思いますが、私は現状PF様にピックしてもらうこと、そのPFのヘビーユーザーにピックしてもらうことを期待するほかありません
 中長期的に獲得を目指していきたい「ファン」にリーチしたいと思った時、4DLだろうが10DLだろうが0じゃない限りありがたいものに違いはないのです。

 「1人でも多くのユーザーに(このゲームを)リーチしたい」と思うなら原則広くやったほうがいいと思います。

■たくさんの場所で出すデメリット

 一方で、シンプルなデメリットはリリース手続きが面倒なこと、アプデする際に面倒なこと、とにかく面倒なことに尽きます(笑)
 マルチPF展開に費やしているリソースがあれば新作が作れるのでは……?
 その新作を一番パイの大きいPFに向けて出すのが最適解なのでは……?
 
みたいな感覚は正直ありますね。
 
4人でも10人でもありがたいのは間違いない本音ですが、
 一方で、同じ労力で新たな300人、3000人、17000人に当たれるかもしれない……と思うとなかなか判断が難しくなりますね。

■総括

 弱者の戦略としては、やはりプラットフォーム力に乗っかったほうが間違いないと思います。
 iOSは私の財力の問題で放棄していますが、GooglePlayStoreSteam、DLsite、ここを軸に動くのが間違いないなぁ……とは思います。それは無料ゲームでも変わらない、ということですね。

 正直出すまで、無料でSteam、どうなのかなぁ……と思ってました。
 ふりーむとGooglePlayStoreがベンチマークになっていたので、50超えるかなぁ……? みたいな皮算用でした。
 それが蓋を開ければ17000なので、あまりに世界が違いましたよね。

 DLsiteもトップバナーからの誘導は消えていて、エッチなものでもない中で見つかるかなぁ……? と思っていた中で4桁超はかなりすごいと思っています。

 なんにせよ『学園スイーツ発見 ~双目(ざらめ)のドーナツ編~』で試したかったことはようやくやりきれたかな、という思いです。

 とはいえ、例えばこれがRPGだったりノベルゲームでエンジンが固有のものだったりするなら、そっち向けのコミュニティでも高い効果を期待できるのかもしれないです。
 具体的に言うなら、普段はUnityで作ってるノベルゲームを、あえてティラノスクリプトで作ってノベルゲームコレクションに出す……みたいなのは考えていいのではないかな、と思います。
 究極的にはそれぞれのタイトルごと、パブリッシャーのスタンスによるものなのだとは思います。と、予防線は貼ります。

 uniy1week、ないしそれに準ずる高インプレッションを期待できるイベントに参加しながらプロトタイプを制作、改修して→GooglePlayStore or Steam / DLsite でリリース、適宜アップデートもしていく……
 という流れが一番効果が高いかなぁと現状思っていたりします。

 まぁ今回ご祝儀やビギナーズラック的なところもあったりして、
 次SteamやDLsiteでリリースした時痛い目を見るかもしれませんが、その時はその時!

 楽しいゲーム制作ライフをこれからも送っていきたいところです!

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