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自作ゲーム、無料で出すか有料で出すか(良し悪し)

■はじめに

 こんにちは、ゲーム制作サークル「ほんわかふわふわ」代表、花倉みだれです。
 先日、自作ゲームを無料ゲームとしてあらゆる場所に出しました、という記事を書きました。

 その前には、自作ゲームを有料ゲームとしてあらゆる場所に出しました、という記事を書いていたりもします。

 この中で、GooglePlayStore、Steamの2プラットフォームはそれぞれ無料、有料でリリースが可能だったのでそれぞれで出しています。

●『HIGH&LOW ~めざせ! 26連勝! 5000兆円への道~』

 こちらはトランプのミニゲームで100円

●学園スイーツ発見 ~双目(ざらめ)のドーナツ編~

 こちらはクイズ + AVGで無料です。

 ジャンルやキャッチーさなど総合的な魅力は前者、
 シンプルにゲームとしての出来やリッチさでは後者のほうが優れていると私自身は思っています。

 というわけで、ゲームの性質やクオリティやタイミングなど色々な要素の違いはある(本当ならほぼ同じもので比較するのがいいとは思うのですが)ので完全にシンプルな比較とはならないことは承知しておりますが、
 それでも同じゲーム製作者のゲームで無料と有料でどれだけ反応に差が出るのか? という点を同じPFで比較できるのは1つ価値あるものなのではないかと思い、まとめることにしました。

 値段がつくのと無料で配布するのとで、どれだけ届く層が変わるのでしょうか。
 一般的には「無料」の効果は非常に強いとされていますが……。

■比較

 それぞれの記事でDL数については触れているので熱心な方はご存知かもしれませんが、現状で比較するとこうなります。

 「有料、無料でどちらのほうがユーザーにリーチできるか」で言えば同じPFなら「無料である」というのは概ね間違いなさそうな気がします。
 私の場合、数字にするとおおよそ5~26倍なんですね(Steamの学園~はまだじわ伸びしているので今後さらに開く可能性は高いです。暫定的に)。

 逆に、無料でたくさんDLしてもらえてるから有料で出してもウッハウハでついてきてもらえるはず! と考える場合、無料で配っていた時の1/5~1/26になるくらいの覚悟はないと泣いちゃうかもしれませんね。

■有料で出すメリット

 この記事ではマネタイズでの損益は一切考えず「自身や自身のゲームを売り込む方法」「そのほかデベロッパー・クリエイターとしての心持ち」として有料・無料について取り上げます。

 その前提に立つと原則無料で出すのが最適なんじゃないか……? というのが比較したところでの結論になってしまいそうなところですが、実際のところ私は現状でも一概にそうだとは思っていません

 ゲームの制作は、私レベルのミニゲームであっても成果物を出すのには多少の期間が必要なものです。
 谷間の期間であっても何かしらのアウトプットを続けて、
既にいればファンに対しての認知・愛着を、いなければあわよくばそれを掴み、そうでなくても開発者仲間や将来の発注先からの信頼を獲得していきたいところではあったりします。

 新規のアウトプットがないならないなりに、アイデンティティとして「自分はゲームを作って出してる人間だ」「作ってるのはこんなやつだ」というのを嫌味無い範囲で反復していくことは必要なことかなと思っているわけです。
(ある意味、こういうnoteもそういうものの1つです)

 この「何もない時の話題作り」が有料のゲームのほうがやりやすいというのが私が感じている最大のメリットです。

 そう、大概のPF(今回取り上げたGooglePlayStoreではあんまりなさそうなイメージですが……)にはセールがあります。それも大概季節ごととか、一定間隔でやってくれます。
 セールがある → それに参加していると告知をする
 というのはデベロッパーとしてもパブリッシャーとしても、あるいは共同制作者、さらには既に購入してくださった方(安くなってるしオススメだよ! と言ってくれるかもしれません)としても、とにかく自然にそのタイトルについて触れることができるとてもよい機会です。
 そういうセールは大抵PF側も力を入れて宣伝しているので、便乗することでこれまで触れられなかった層へリーチできるかもしれないという期待感を持つこともできます。
 ある意味(動作するなら)一生擦っていくこともできますし、1つあるとないのとだと結構違うなと思います。

 逆に言うと、無料ゲームはリリース直後以外に話題を出すことが非常に難しいという問題があります。
 最初から底値なわけでセールは当然ありませんし、例えば「よっぽど特定のジャンルが流行ってその特集に紛れ込む」「なにかの賞を受賞する」「なんかしらのフィーチャーに選ばれる」みたいなミラクルがない限りPF側から再度取り上げてもらうことは期待できません。
 何か定期的に話題を作ろう、DLしてもらおうと思ったら、原則自分で動くほかありません。広告を出すのか横展開するのかアップデートするのか……方法そのものは色々あると思いますが、実はよっぽどこっちのほうが商業的技量や予算が必要だと思います。
 セールの告知をするだけよりもずっとしんどいのは間違いないはず。
 (フリゲ界隈を盛り上げている方々や、話題に上げてくださる方はほんっとーに貴重でありがたいものなのです)

 その他「マネタイズは気にしない」とは言ったものの、1円でもなんでも「自分のゲーム経由でお金が入った」という経験は何者にも代え難い喜びがあります。これも結構バカにできるものではないなと思いますね。

※6/20追記
●インフルエンサーマーケティングの心理的な難度の低下
 書き忘れていたことがあったのでここだけ追記します。
 有料で売るメリットについては、セール以外にも「ゲームを渡す」ことに価値を生み出せることも見逃せません。
 無料ゲームを作って公開して、誰かにプレイしてもらいたい……あわよくば動画や記事にしてほしい……と考えた際、Steamであればキューレーターに対してはシステム的に依頼することができますが、他の手段でお願いする場合、本当にただお願いするだけになってしまいます。筋としては多少の金銭なりもつかないと格好が付きません。無料でできるものをもらったって……と相手としてはなってしまう気がしますし、そもそも(見積もりレベルですら)依頼するための心理的ハードルが非常に高くなってしまうものなのです。
 この点、有料ゲームのキーを渡してプレイを依頼する場合「通常のルートだと有料のものを無料でもらえる」という価値を最低限担保することができます。
 最終的な結果として+αで案件としていくらかお支払いしてお願いすることになったとしても、初手の段階で多少なりとも相手側にメリットを提供できるというのは、営業としての心理としては圧倒的に気が楽です。
 ゲームのDL数や売上以外のブランド的な認知度を睨みつつ、インフルエンサーマーケティングに挑むなら、有料にすることは有利に働く可能性があります。(あくまで心理的な問題なので、日和らないマインドがあれば実際にやってもらった時の波及度は無料のほうが高いはずなので、その辺りはパーソナリティ次第です)
 実際『HIGH&LOW』は発売直後に1人、1周年のタイミングで数人に見積もりを投げることができていますが『学園スイーツ発見』に関してはなかなか一歩を踏み出せてなかったりします。

■まとめ

 まとめるとこんな感じのところが現在の私の所感です。
 このあたりのことを肌感覚では理解できてなかったのが私のスタート地点だったので、今後はようやく考えて選んでいけるかなぁと思います。

 ちなみに、時々話題になる、無料だから客層が~このPFだから国籍がこうだからレビューが~みたいなのは正直、私レベルのミクロな範囲では全然感じませんし気になりません。
 自分の目指すゴールに向かって、適切なルートを怖がらずに選べるといいですよね。

■おわりに

 自己正当化的なバイアスがある判断だとも思いますが、有料のゲーム、無料のゲーム、それぞれ今後も作っていけるといいのかなと思います。
 理想は、旗艦的な少ししっかりした有料のゲームと、それとの関連がありそうな無料ゲーム……というような布陣ですかねぇ。

 リソース面の問題もあって、ほんふわはあえてオリジナルキャラクターとしてつかさと姫花(とヒスイ)を擦り続けています。

 飽きと愛着は紙一重ですが、イメージとしてはシンプルシリーズの双葉理保みたいな感じで「本編(『Love Songs アイドルがクラスメ〜ト』)はやったことないけどなんとなく好きで愛着がある」みたいな形で無料ゲームを中心につかさや姫花に愛着もってもらいつつ、いつかは本編(今はnull)に勝手に誘導されてる……みたいなところを目指していきたいなぁと青写真を描いています。
 自分の力量やリソース面の問題もあって本編不在でミニゲームばっか作ってるみたいな現状はどうにかしたい気持ちは持っているんですz(笑)

 まぁ現状、ちゃんとした計画として考えているわけではないので展望ぼやいているだけですけどね(笑)

 いわゆる「本編」作りたいですね~!
 ノベルゲーム、作りたい!!
 
 これからも頑張っていきたいところです!

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