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100%植物由来のお肉、ビヨンドミートを食べた話

代替肉という名前を聞いたことがあるでしょうか?
肉の代替品として開発された植物由来の肉(Plant-based meat)のことで、ここ数年で北米を中心に販路を広げています。

私がカナダに暮らし始めてから1年半経ちますが、個人的な感覚としては2019年の中頃からカナダの中流層向けのスーパーでも定期的に売られるようになったと思います。
ここ最近のトレンドもあって、環境問題や動物愛護の考えから肉を食べるのをやめようとする人が増えてきていますが、彼らは自分の意思表示のために肉食を止めているだけでお肉の味自体は好きだったりするので、こうした肉の代替になる商品が注目されているようです。
有名な企業だとアメリカのインポッシブル・ミートビヨンド・ミートが挙げられます。

私、九州の田舎出身なんです。
テレビや雑誌で「海外で話題のあの商品が日本上陸!」みたいな特集が組まれても、大抵は東京大阪、九州に来てもよくて福岡や鹿児島などの若者の数が多いエリアしか話題の商品がやってくることがなくて。「※一部地域を除く」の一部地域になっちゃうことが多いので、大体こうした最先端な食べ物とは縁遠いんです。

せっかく海外にいるのだから何か日本で経験できないような事をしないともったいない。機会損失なくしたい。
そう思って今回チャレンジしてみました。

パッケージを見てみる

今回はビヨンド・ミートを購入しました。ひき肉やウインナーもありましたが、今回はハンバーグをチョイス。
1パック7.99カナダドル(日本円で約625円)でした。カナダだと10ドルでステーキ用の豚肉が9枚買えたりするので割高かも。

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1パックに113gのハンバーグが2つ入っています。

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形や色は肉。いつものひき肉よりもすこし柔らかそう。

パッケージを見ると、えんどう豆や緑豆のタンパク質がベースで、植物性オイルやビーツという赤い野菜のジュース(着色用?)などで作られているとのこと。大豆やグルテンは使用していないそうです。

片栗粉やドライイーストも入っていました。
ドライイースト……我々は肉の代わりにパンを食べようとしているのか……?

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配合量が分からないですし、多分つなぎで少量使われているだけだと思いますけどね!

早速焼いてみる

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パッケージの説明書きによると、中火から強火で片面4分づつ焼くらしいです。

油をひいたフライパンを熱して、肉を乗せます。
4分後、ひっくり返してみたら……

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なんか赤い!!
この色なんか見たことある。あれだ、魚肉ソーセージ!!

牛肉のハンバーグだと焼いたら暗めのブラウンになると思うんですけど、焼く前より赤みが増しているような気がする。
そして結構長いこと焼いたはずなのに焼き目がつかない。この色もスライスした魚肉ソーセージを焼いたときのあの色と似ている。
ケミカルな感じはしないけど、この赤さは想定外でした。

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↑こんな色を想像していました。※写真はフリー素材からお借りしました。

実食

こうして焼き上がったビヨンドミートのハンバーグがこちら!

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ルームシェアの家の限られた食器で盛り付けているので、お皿の小ささや盛り付けの下手さは無視するとして……。
なかなか良いんじゃないでしょうか? 美味しそう!

ビヨンドミートの素材の味を知りたかったので、ソース無しでいただきます。

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おいしい!!!!

しっかり焼いたので固くなっているかと思っていたのですがそんなことはなく、柔らかくて弾力のある食感になっていました。
押すとあふれるような肉汁は無いけど、しっとりしていて噛むとお肉のようなエキスが出てきます。

そして何より驚いたのは、お肉の塊があるような舌触り。
大小異なるお肉の粒が感じられ、安い冷凍ハンバーグよりもよりリアルな肉っぽさを感じました。

味は、動物の肉に近いけどお肉の味とはまた違ったジャンルの旨さでした。鶏肉のようなあっさりさはなく、牛肉と豚肉の中間のような味? ブイヨンの旨味成分を凝縮した味といったら伝わるでしょうか。
ご飯やパンに合う濃い味でした。

冷めると食感が変わり、肉の塊が少しボソボソと乾燥した感じになりました。冷凍と解凍を繰り返した豆腐や大豆ミートのようなスポンジっぽさに近いです。大きく味が落ちることはないですが、冷めたときの味は好き嫌いが分かれそうかな。
今回はソース無しで食べたので、これがもしソースありだったら味の変化はそこまで感じなかったと思います。

まとめ

人生で初めて100%植物由来の代替肉を食べましたが、思った以上に濃い味でおいしくいただけました。この味だったら動物の肉の代わりとして食べるだけではなく、ただ単においしいからという理由で代替肉を選ぶ人も出てくるんじゃないかと思います。

ネックな点は冷めたときの味と価格でしょうか。お弁当やテイクアウトなどで気軽に使えないと用途の幅に限りが出てしまいますし、富裕者層だけしか買い続けられない値段だと一時期の流行りで終わってしまいます。
植物由来の代替肉が人々の生活に定着すれば環境問題の解消にもつながると思うので、ビヨンド・ミートやインポッシブル・ミートなどのスタートアップ企業にはぜひ質の向上と低価格化をがんばっていただきたいです。応援しています!

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