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NSW州で始まった「Voluntary Assisted Dying Laws」

「Voluntary Assisted Dying Laws」ーしっくりする日本語訳は何だろう。尊厳死援助法?翻訳に入れてみるとー「自発的死亡幇助法」と出てきた。特定の条件下で自己決定に基づいて、死の手段を自ら選択することを可能にする法律である。完治する見込みのない病気や終末期の耐え難い苦痛に苦しむ患者が、自らの意思で医師の支援を受けながら穏やかに死を迎えることができるようにすることを法律で認められるということ。この法案は 2022年5月 19日に可決され、Voluntary Assisted Dying Act 2022に基づき、ニューサウスウェールズ州居住者は、2023年11月28日から自発的な死の幇助を受けることができるようになった。

カナダ、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグなど法律で認められている国も存在するが、倫理的、法的、および医学的な観点から賛否両論だと思う。患者が望む場合に限り医師が薬物を処方し、患者が自らの意思でそれを服用し死に至る。これに関する議論は、個人の権利と尊厳、医療の自己決定権、医療の倫理、社会的・文化的価値観など様々だと思う。
医師の役割は治療と救命であり、患者の死を促進することは医療の倫理に反するとして、医療の現場で患者は自分の意志に反して生かされてきたケースもあるのではないか。かくいう私も、もやもやした経験がないといえば嘘になる。

患者の希望とはいえ、実施するためには厳格な条件が設けられており、患者は十分な精神的能力を持ち、自らの決定を自主的に行うことができる能力が求められる。NSW州の【Voluntary Assisted Dying】には11のステップがあるようです。詳しい説明はこちらを参考にしてください。現在日本では合法ではありませんが、終末期医療における延命治療の中止に関するガイドラインはあるようです。

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