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ママが読み聞かせたい英語の絵本5選

「とにかく本には、お金をかけよう」

これは、私達夫婦が唯一、たったひとつ、といっていいほど珍しく価値観が同じだったこと。子供と暮らす中で、本と暮らせる環境をよしとしてくれた主人には、とても、感謝しています。本だけは、子供とのコミュニケーションのの中で譲れないツールでした。現在、私が5歳の息子と暮らす地域には、近くに図書館がありません。日々、amazonで、中身も見ずに購入することも多いのが現状です。

33歳、ママ5年生の私がいま、子供に伝えたいことをたった一つ上げるとすれば、それは「リスペクト」。私の中のリスペクトの解釈は、「自分と違う人やモノを理解しようとすること。大事に想うこと。まず自分から与えること。もちろん自分自身もリスペクトすること。」

普段、そんな風に思いながら、5歳の息子と過ごす中で、最近買ってよかったと思った絵本を5冊ご紹介いたします。

①Dragons Love Tacos (英語)

Adam Rubin (著), Daniel Salmieri (イラスト)

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<あらすじ>

ドラゴンは、あのメキシカンフード「タコス」が大好きなようです。なぜドラゴンはタコスが大好きなの?・・・でも、作ってあげるときにはちょっと注意が必要なのです。それはなんでしょうか?

<推しポイント>「なんでかな?(WHY?)」が詰まっている。

子供同士でもよく見かける「それ、間違ってるんだよ。違うんだよ。」という発言。例えば、"靴は白を履くこと"と決まっている保育園で、ある子が真っ赤な靴を履いてきたとします。それを「違うんだよ!」と言う子がいたりするのです。正しいこと、を伝えるのは、とても大切です。しかし、もしかしたら、その子は昨晩一生懸命靴を綺麗にしたけれど朝までに乾かなかったのかもしれませんし、足を怪我して包帯を巻いているからいつもの靴が履けないかもしれません。それを聞くことなく、「だめだよ!」というと、その子はどう思うでしょうか。

わたしは、できれば、自分の子供には、"自分と違う見た目、行動をしていて、理解できない人がいたとしても、その背景を一度考えてほしい"と思っているため、「なんでかな?(WHY?)」という気持ちを育てたいな、と思っています。そんななか、この本は、WHYな気持ちを育ててくれるだけでなく、ワクワクドキドキするドラゴン(そう、ドラゴン!)の話なのです!

真面目真面目な絵本ではなく、子供がニコニコするようなエンターテインメント性抜群のストーリーとキュートなイラストが素敵です。是非、お子様とキャッキャ笑いながら、読んでみては。ちなみに、我が家はこの本を読んだあと、スーパーに買い物に行き、タコスをつくって食べました(^-^)♪

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<得点>

英語の難易度:★★☆☆☆

エンタメ度:★★★★☆

「リスペクト」の心を育てる度:★★★☆☆


②What Do You Do With a Chance? (What Do You Do With ...?) (英語)

Kobi Yamada (著), Mae Besom (イラスト)

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<あらすじ>

ある日、僕は"チャンス"と偶然遭遇するんだ。でも、突然のことでどうすればいいかわからず、逃してしまう。別の日、また別の"チャンス"がやってくるんだけど・・・。

<推しポイント>一歩踏み出す背中を押してくれる。

いじめ問題は後を絶ちませんが、そこに浮かび上がってくる「見てるだけいじめ」にも心を痛めることがあります。いじめをする側とされる側、そして、それを見ている側。もしかしたら、「やめなよ」って言いたかったかもしれないし、「大丈夫?」と声をかけたかったかもしれない。でも、喉元まで出かかったその声を、ふとしたきっかけで逃してしまうこともあると思います。チャンスはたくさんやってこないからこそ、掴もうとする勇気や、その一歩を踏み出す自分自身の強さを付けてほしいなと思って、この本を選びました。

簡単な英語と、壮大なイラストが、胸を打ちます。読んでいる大人が、ある意味、明日への一歩を踏み出そうと思えるようなそんな絵本です。自分のためにも、一緒に「一歩踏み出す」大切さを学んでみてはいかが。

<得点>

英語の難易度:★★★☆☆

エンタメ度:★★☆☆☆ 

「リスペクト」の心を育てる度:★★★☆☆

※コビ・ヤマダさんのシリーズは、「アイデアたまごのそだてかた (日本語)」という別の絵本が日本でも出版されているようです。

③The Family Book (英語)

Todd Parr (著)

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<あらすじ>

あらすじは、特にありません。1ページに1つ、家族の形が紹介されています。

大家族もいれば、小さな家族もいる。みんな同じ肌の色の家族もいれば、それぞれ肌の色が違う家族もいる。でも、どんな家族も大好きなことがあるよ・・・それは、何だと思う?

<推しポイント>一番身近な存在を通して多様性を知る。

こちらは打って変わって、原色カラーとポップなイラストがかわいらしい絵本。この絵本を手に取ったきっかけは、息子の一言です。

「なぜ、○○君のおうちは、お父さんがいないの?」

私達の仲の良い家族は、離婚をしています。いわゆる母子家庭。遺伝的なお父さんはもちろんいるけれど、会うこともないそうです。おうちに遊びに行かせてもらうと、いつもママとお友達二人です。それを疑問に思った息子は、私に聞いてきました。そのとき、私は「お父さんがいないおうちもあるし、お母さんがいないおうちもあるんだよ。」そう説明したけれど、同時に、息子が本当に「色々な家族があっていいよね!」と自然に理解し納得するのは難しいと感じました。息子の通う保育園には、母子家庭の子も父子家庭の子もおらず、みんなお父さんとお母さんがいます。息子の通う保育園では、多様な家族を伝えることはないようです。

しかし、聞いたところによるとアメリカの保育園(ナーサリー)では、家族の多様性を授業で取り扱うところもあるようです。人種、宗教、出身地、言語、性別…様々な人々が暮らすアメリカならでは、と感心すると同時に、一方で、「色んな家族の形があるんだよ」と伝えることは、日本に住むわが子にも必要である、と強く感じています。そして、私自身にもそう。この先どんな家族へと形を変えていくか分からないのです。私が明日交通事故に遭う確率は0%ではありません。その時に人と違う家族であることを恥ずかしいと思ってほしくない。この絵本は、とても大事なことを、とても優しく分かりやすく受け止めやすく描いている絵本だと思います。

ページをめくると、「確かにそんな家族もいるよね」と思える多様な家族形態が、かわいらしいポップなイラストで紹介されています。

ステップマザー(継母、義母と訳すのは違和感がありますが)やステップファザー、ステップブラザーやステップシスターのいる家族もいます、子供を養子として迎えている家もあります。
お母さんが二人いる家族もいれば、お父さんが二人いる家族もいます。二人の親ではなくて、一人親の家族もいます。

イラストが人間だけではなく、猫や鳥や犬や牛など、子供たちの良く知っている動物でも家族の形を伝えているのが、ほんわかする作品です。

<得点>

英語の難易度:★☆☆☆☆

エンタメ度:★★☆☆☆ 

「リスペクト」の心を育てる度:★★★★★

④What If Everybody Did That?(英語)

Ellen Javernick (著), Colleen M. Madden (著)

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<あらすじ>

ジュースを飲み終わって、ぽーい。別に、大丈夫だよ、僕一人がやったって、どうってことない。でもね、これ、他のみんな全員が同じことやったらどうなっちゃうかな?!

<推しポイント>「ちゃんとして!」と怒る前にちょっと待って。魔法の言葉があるんです。

子育てをしていると、思わず言ってしまうワード「ちゃんとして!」。外食でファミリーレストランに行くと喜んで走り回る子供に「ちゃんと座って食べなさい!」とイライラして般若のような顔で怒ったり。スーパーでカートを押したいと駄々をこねるので、「ちゃんと前を向いて押して!」なんて言いながら、ヒヤヒヤして買い物をしたり。

でも、そのイライラ・ヒヤヒヤ子育ては、パパママの精神にも悪いですよね。実は、この絵本はamazonで「respect picture book (リスペクト 絵本)」で検索して出てきた絵本です。"リスペクト"で検索して出た本は上から順番にたくさん買いましたが、この本が一番息子に刺さりました。子供部屋で静かに遊んでいるなと思って様子を見ると真剣な表情でこの絵本を読んでいたり姿も何度も見かけます。

この本を読んで以来、息子がマナーを思わず逸脱してしまうようなときには、「What if everybody did that?(他のヒトも同じことしたらどうなる?)」と聞いています。そうすると「だめだね」と本人も納得してやめてくれるのです。

例えば、映画館で前の椅子をドンドン蹴った時、ジャケットをきちんとハンガーにかけずに放っている時、他の人を押して何かを見ようとしたとき等…「○○しちゃだめ!」「ちょっと、やめなさい!」ではなく、「What if everybody did that?(他のヒトも同じことしたらどうなる?)」と言うようにして、子供に考えさせてみています。子供の豊かな想像力を活かして、子供自身が納得してやめられると一番理想的。

「○○しちゃだめ!」と共に言いがちなのが、「○○したら、もう△△買ってあげないよ」とか「○○したら、もう知らないよ」とか、やらないことを引き換えにしてしまうこと。これも、「What if everybody did that?(他のヒトも同じことしたらどうなる?)」で、私自身言わなくなるといいのですが…とはいえ、「○○しちゃだめ!」と言ってしまう時もまだまだあります…(;´д`)トホホ

子供とのコミュニケーションの一環として、ゴミ拾いを定期的に行っています(前ポスト:「家族3人で2.2kmを3時間かけてゴミ拾いしたら、約180Lのゴミとヤバイ事実が集まった」参照)が、実際に絵本を読んだ後、アクションしてみるのもオススメです。

<得点>

英語の難易度:★★★☆☆

エンタメ度:★★☆☆☆

「リスペクト」の心を育てる度:★★★★☆

⑤Mama, If You Had a Wish (英語)

Jeanne Modesitt (著), Robin Spowart (イラスト)

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<あらすじ>

子ウサギのバニーは、お母さんに尋ねます。「ねえ、ママ。もし、願いが叶うなら、私に絶対泣かないでほしい?」そんな質問に、バニーのママは、なんと答えるのでしょう。あなただったら、どう答えますか?

<推しポイント>育児は育自であることを教えてくれる。

この絵本は、「いいこってどんなこ?」というタイトルで日本語に訳され、多くのママさんに愛されています。1994年創刊なので、もしかしたら小さい時に読んだことがある方もいらっしゃるかもしれません。

絵本に出てくる子ウサギのバニーのママへの質問は、子供の不安を大きく映し出しています。子供って親の愛情がそんなに不安なものなのだろうか…と、改めて考えさせられました。うちの息子も「ねえ、お父さんと僕とどっちが好き?」とか「○○君と僕、どっちがすごい?」と人と比べて自分はどうなのか、よく確かめてきます。誰と比べるわけでもなく、息子があるママの存在が大好きだよ、と伝えてはいるのですが、それでも、口癖のように(特にお手洗いの個室の中などで)聞いてくるのです。

この絵本を寝る前に息子に読んだ時にうさぎの子「バニー」の名前を、自分の息子の名前に変えて読みました。すると、息子に語り掛けているようなお話になりました。何だか、寝る前にすごく満足したのか、笑顔でぎゅっと私に抱き着いてきたかと思うと、ストンと落ちるように眠りについたのです。

ついつい、泣いたり怒ったりしている息子を「男の子なんだから、泣いちゃダメ」とか「なんで、そんなに怒るの」と言ってしまいがちです。心の中では、一旦瞬間にやってしまった、と後悔しています。読み聞かせるだけではなく、自分に向けて読みたい一冊です。

<得点>

英語の難易度:★★☆☆☆

エンタメ度:★★☆☆☆

「リスペクト」の心を育てる…むしろ育てられる度:★★★★★

最後に

どうでしたか?きっと、毎日たくさん本を読んでいらっしゃるnoteの皆様だからこそ、たまには、絵本もいかがでしょうか、という気持ちも込めて書きました。子供がいらっしゃる方はもちろんなのですが、周りの環境に子供がいない方も「分かりやすく」「ワクワクしながら」学ぶという一つの材料として、気になる絵本を1冊でも手に取って頂けると幸いです。


<2020年初投稿>

改めまして、新年あけましておめでとうございます。去年noteを再開し、数投稿したにもかかわらず、1投稿にあまりにも時間をかけてしまい、続かなくなってしまいました。少し、こだわるタイプで、完璧主義というか、画像が少しでも見にくいと嫌だとか、文章はもっとこうすれば伝わるのではないか、と何度も読み返すたびに修正を加えてしまうのです。今年は気軽に投稿し、自分の想いを発信したいと思い、まずは簡単な絵本紹介から始めてみます(とはいえ、これも再考しすぎてしまいました…)

これからもこんな私ですが、宜しくお願い致します。

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