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あなたの時間が増えるかも。テレワークの効果って?(後編:個人編)

テレワークの上手な活用で、年間520時間、20日以上の自由な時間が生まれるとしたらあなたは何をしたいでしょうか?

「あなたの時間が増える。テレワークの時間効果って?(前編:仕事編)」では、テレワークの生み出す時間効果、「会社での仕事の効率(労働生産性)の向上」に関して整理・考察してみました。

今回は、少し広義の「人の全ての時間の生産性向上」に焦点をあてて、前回をふくめた本記事のまとめをしたいと思います。

まずは、再びテレワークが「もたらす5つの効果」の図の確認から。

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図1)出所:テレワークポータルサイトを参考に筆者作成

(1)業務生産性向上
(2)新規雇用離職防止
(3)社員のワークライフバランス向上
(4)コスト削減
(5)事業継続性確保


無くなった通勤時間で増える自分の時間


この中の(3)社員のワークライフバランスの向上”を考察します。

私たちは、仕事だけをして生きているわけではありませんので、私人として時間と仕事をしている仕事人としての時間を分けて考える必要があります。そんなわけで、今度は仕事以外の時間をみていきます。

テレワークによって生み出される時間(個人編)

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図2)出所:筆者作成

ここではモデルケースとして、「在宅勤務」で完全に通勤がなくなった場合としてみます。個人が所有している時間は、○で示した部分になります。

そして「通勤」と入っている部分ですが、ここは振る舞いや場所が制限されてしまうため「個人」としての時間でもなく、またこの時間の賃金を受け取れるわけでもありませんので、「仕事人」の時間でもありません。つまりちょっと、中途半端な個人の時間なんですね。

在宅勤務に切り替えることで、この、ちょっと中途半端な「通勤に充てていた時間」がまるまる自分の時間になります。

1年間で21日分の自分の自由な時間が生まれる

ドアツードアで片道1時間かかる通勤だったとすると、1日で2時間、1週間で10時間、これを単純に52週換算すると520時間です。自由になる空白の時間として、まるまる21日以上が生まれてしまう計算です。

この時間は個人のものですから、資格の勉強などの自己学習や副業などをする事でその人個人の経済生産性を上げることにつかったり、また家族とのふれあいの時間や趣味の時間を増やしてこころの余裕を増やすことに充てたりすることができるようになります。

これが(図1)ー(3)に書かれている、ワークライフバランスの向上に繋がってゆきます。

よく“通勤時間の削減が生産性の向上に繋がる”と表現されることがありますが、ここで表現される「通勤時間の削減で向上する生産性」は、実は個人の人生における生産性という事になります。

またもちろん、企業からみても、通勤費(出張費も)の削減や従業員満足度の向上により、結果的に(2)で挙げられている「離職の防止」に繋がるなどのメリットもあります。

物理的な移動をなくし時間をうみ出すテレワーク

コロナ禍に背中を押されたテレワークの普及ですが、後退することはないと思われます。

テレワークは物理的な移動を削減して時間に代える仕組みです。

移動と言えば、通勤時間や営業訪問もそうですが、このあとも引き続き影響を受け続けそうなのは「出張」などでしょうか。なぜなら、「目的指向」かつ「莫大な時間を要していた移動」であるため、目的が達成されればそれでよいからです。全ての出張がなくなるとは思いませんが、それでも何割かは最適化されてゆかざるを得ないでしょう。

先の例では「在宅勤務」を取り上げましたが、「前編:仕事編」でも述べたとおり、テレワーク=在宅勤務ではありません。いつでもどこでも、通信技術をつかって同じクオリティの仕事をするあたらしい仕事の形態です。もし、あなたがテレワークを活用出来る立場にあるのであれば、存分に活用して新たな時間を副業などのスキルアップやプライベートの充実にあててみちゃいましょう。

※この記事は私が以前に「コクヨ 経営ノウハウの泉 powerd by 総務の森」に寄稿した記事を元に再構成をしています。

https://www.soumunomori.com/keiei-izumi/archives/author/auto


Photo by Hannah Wei on Unsplash

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