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【読書感想】アラビアンナイト〜魔法のランプと願い事〜

●何でも願いごとが叶う、魔法のランプ

『アラビアンナイト』の中に出てくる、アラジンと魔法のランプの物語は、映画や絵本などで、広く愛されている作品の一つだと思います。
アラジンという青年が、願い事を叶えてくれる魔法のランプを手に入れて、お姫様と結ばれる、というストーリーです。

魔法で願い事が叶う描写は、寓話やおとぎ話のなかで多く扱われていて、いつの時代も人々を魅了してきたように思います。
今回のテーマの中心は「願い事」です。
願い事は人の心理と深い関係があるように思い、『アラジンと魔法のランプ』を取り上げてみたいと思います。

ただ、アラビアンナイトの原典を読んだことがなかったので、今回の機会に、改めて読むことにしました。
昔、子供の頃に知っていたストーリーと異なっていたり、お姫様の名前も、本当は『バドラ姫』だったり、舞台が中国の長安だったりと、知らないことも多く、違ったワクワク感があって楽しめました。

●あらすじ

原作のアラジンは、お母さんと二人暮らしの貧しい青年です。ランプの魔神に、「お腹が空いたから、食べ物を出して」と願うたびに、魔神は銀の食器に乗ったご馳走を二人に用意します。
そして、アラジンは使い終わった銀の食器を売りに行って、少しずつお金を貯めて、商売を始めます。
これが、お姫様と出会うまでの前半のストーリーでした。

つまり、原作ではランプの魔神に無制限にお願い事をすることができ、「願い事は3つまで」という上限ルールはありませんでした。

さて、皆さんは、こんな魔法のランプがあったら、どんな願い事をしますか?

●もしも、奇跡が起こったら?〜ミラクル・クエスチョン〜


魔法のように願っていることが叶う。

これは、おとぎ話の中だけでなく、カウンセリングの中でも扱われることがあります。
有名なものには、短期療法の技法の一つ「ミラクル・クエスチョン」が挙げられます。

例えば、「あなたが、夜眠っている間に奇跡が起きて問題が解決したら、朝、起きたあなたは、それを、どんなことから気がつきますか? 」

という旨の質問をカウンセラーがします。

本人はなりたい姿をイメージして、具体的にどのようなことが、変化して欲しいと思うか考える。
そんな、未来志向で問題を解決していく手法です。

奇跡という、現実的な制限を一度抜きにした質問を考えることは、「本当に自分が望むことは何か」を見つけるための糸口になります。
私は時折、このミラクル・クエスチョンに近いことを考えたり、自分に問いかけてあげることで、セルフケアの手助けにしています。

例えば、「もしも奇跡が起きて、明日目を覚ましたら猫になりたいなぁ」という考えが、なぜか浮かんだとします。

猫になりたい背景には、腰痛や肩こりに悩まされない、しなやかな身体を
手に入れたいと、思っているのか?
それとも、自由きままにお昼寝をしたりして過ごしたいと思っているのか?

それを願ったポイントを丁寧に探ることがポイントです。

この時の私は、腰痛に悩まされて、それがストレスであること、また、仕事の依頼を複数同時並行して受け過ぎてしまっていた時期だったので、知らず知らずのうちに、自分の時間が取れないことが、小さなストレスとして蓄積していたことに、気がつくことができました。

そうしたら、次は、その問題解決に取り組みます。

●未来志向の問題解決

自分が思うテーマを決めたら、後は具体的な行動をする段階です。

腰痛が辛いのであれば、仕事を調整して鍼灸や整体、自宅でのストレッチの時間を確保し、身体のケアをする。
忙しさがストレスであれば、何もしない、お昼寝したり、ぼんやりしたり、おいしいものを食べたりする、自由気ままな時間を意識的に作る。

このように具体的にやりたい事を挙げて、時間の確保など、それをどうやったらできるか、作戦を立てていきました。

どの仕事だったら、調整できそうか?
クオリティにこだわり過ぎない、納期を延ばしてもらう、誰かに頼む・・・。
様々な方法を検討しました。

このような手順を踏むことで、実際の猫にはなれないけれども、私の生活の満足度は上がりやすくなりました。

ご参考になりましたら、幸いです。

自分の願いを探ったり、その実現方法を考えるなど、メザニンのカウンセリングが、お役に立てたら幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
メザニンカウンセラー:SATOMI
編集:メザニン広報室

※上記でご紹介した方法は、心理療法としての短期療法そのもののご紹介ではなく、未来志向の視点を取り入れた、個人的なセルフケアの例として書かせていただいております。
また、具体的な行動レベルという考え方は、SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)の考え方を意識しています。機会がありましたら、そちらについても書きたいと思っています。

※表紙はAI制作のイメージ画像です。参考にした原典は下記の本です。


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