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【リーダー必読】令和では、丸投げをしよう。―ビジネス書『任せるコツ』

仕事の進め方や、チームの在り方は、時代に合わせて変動するものだ。

特に、2020年のコロナ禍では、それまでのビジネスの常識がすべて覆され、世界が大きく変化したことは記憶に新しい。対面でのコミュニケーションは制限され、テレワークやオンラインが主流となったことで、それまでのような生の感覚に頼った人付き合いが難しくなった。

また、最近のビジネスシーンの特徴としては、〇〇ハラスメントという言葉をよく耳にするようになった。「さすがに冗談なのでは・・・?」と思うほど些細なことが、受け手側の感覚次第でハラスメント判定されてしまうこともあるのだから、管理職や上司からすればたまったものではないだろう。
そんな世の中で、若者の出世欲が低下していることは頷ける。

東晶貿易が運営する転職メディア「転職サイト比較plus」が全国の20代男女2327人に対して実施した『出世欲に関するアンケート』では、(将来、役職者になりたい=出世・昇進したい)と回答した人の割合は2割程度だったという。
出世したいと思わない理由としては、責任感からの逃避だけでなく、ライフワークバランスを重んじる現社会にも関係があるようだ。



それでも…チームのマネジメントって最高に面白いじゃん、、!?
と思える、おすすめの1冊。

◇ 山本渉『任せるコツ』/すばる舎

サブタイトルとして、
【自分も相手もラクになる 正しい”丸投げ”】
帯には、
【「自分でやったほうが早い」がなくなる最高の任せ方!】


どんな方におすすめか。
本書の前書きで羅列されていた悩みには、まさに、リーダー職2年目の私自身が抱えているものも多く、惹きつけられた。
・人に頼みごとをするのが苦手
・チームワークがうまくできない
・自分でやったほうが早いので任せられない
・ついつい自分で仕事を抱え込んでしまう
・自分と同じように動ける人がほしい

チームは掛け算、「自分でやったほうが早い」の限界

特に3つ目の悩み。
自分で進めたほうが失敗がなく確実だと思い込み、ついつい商談では後輩にチャンスを与えず場の主導権を握ってしまう。
そして、終わってから反省する日々が続いていた。

そもそも失敗しないことが重要ではないということが抜け落ちていたのだと、本書には気付かされた。
もっと長いスパンで見たときに、今の小さな失敗が未来の人財を築くのであればトータルで得するのだという。
また、「任せられる人がいない」というのは自分の思い込みであると同時に、己のマネジメント能力の低さをアピールしているのと同義だ。

モチベーションは、つくれる

チームマネジメントをしていると、メンバーのモチベーションの維持は避けては通れないミッションだろう。
これを解決する一番の方法が、正しい丸投げであると本書はいう。
「成功体験を与える」
そこに向かうためには、いくつかするべき段階がある。
①常に客観的にチームを見て、面談では傾聴力を駆使し、各メンバーの情報をインプットする
②意欲や適性を見極め、メンバーに適した仕事をアサインする
②目的と動機付けを意識しながら、思い切って任せきる
③フィードバック・評価・感謝をセットで
この一通りの流れを総称して、”丸投げ”なのだ。

時代に合った、健全な任せ方

冒頭でも触れたように、世はまさに大変動時代のダイバーシティ。
VUCAの考え方を注視する企業も増えてきた。
常に変動する社会に臨機応変に適応するためには、多面的な考え方が必要となってくる。
多様性社会で、多方面の意見や価値観を吸い取ることで最高の成果を出すことができる。

マネージャーはメンバーよりも偉いわけではなく、役割が違うだけ。
自己至上主義ではなく、主役はメンバーであるというマインドにシフトする必要性があるという。
様々な考えを持ったメンバーたちを主役にすることで、自分一人のアイデアだけでは達成できないレベルにまで、アウトプットのクオリティを高めることができるのだ。

ついつい、後輩メンバーに負けてはならない。リーダーは、常に1番の姿を見せ続け背中で引っ張っていかなければならない。と気張っていたが、これからの時代のリーダー像として推奨されるのは、奉仕型の「サーバントリーダーシップ」と呼ばれるものだ。

与え続けろ、ギブ&ギブ

メンバーには見返りを求めず与え続けるくらいでちょうど良い。
ギブ&テイクよりも、ギブ&ギブを目指せという。
チームを陰で支え、存在さえ忘れられるような、いわゆる”空気のようなリーダー”になることが、ゴール地点だという内容にはハッとさせられた。
どこまでも、利己的ではなく利他的を選択する。多くの人にとってなかなか難しく簡単にはできないことだが、その先は、自己の成長にも繋がっているのだと思う。

これからの令和時代に、相手のことを考えた「正しい丸投げ」は、
個人も組織も劇的に成長させる。




リーダーとは?という根本的な認識から覆され、驚きの連続であった。
個人的な感想としては、1on1の推奨内容が具体的に記載されている点が、大変ためになり、良い収穫となった。早速実践してみたい内容だった。

マネジメントに行き詰まったとき、チームの成長やメンバーの育成に苦戦している方に、是非読んでほしい。

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