君たちはどう生きるか?を観た。【一部ネタバレかも】
私は2時間半圧倒され感情と思考を動かされ続けたまま、糸が解けたようにエンドロールで止めどなく涙が溢れた。
本編が終わりエンドロールが流れた瞬間、監督がこの作品に込めて放った愛とさよならを感じた気がしてしまったのだ。
この作品を世に残してくれて、ありがとうございますという気持ちと、しっかり受け取って生きていきますという気持ちにさせてくれた。
知らない誰かがSNSに書いていたように、この作品は、82歳の宮崎駿監督が私たちにくれた最後の手紙のように感じた。これが遺作になるかもしれないという思いや覚悟のようなものも感じた。
この映画はワクワクウキウキするような多くのジブリ作品とは違うし、ストーリーではあるけれども物語を伝えたい作品ではないと思う。各シーンにあらゆるメッセージが吹き込まれていた。それは今までも監督が伝え続けてきた事で、形を変えて再度私に訴えかけたように感じる。
細部まであらゆるメッセージが混在しながら夢の様に飛躍するシーンの数々が、どうやって私の心にまとまりを得て着地したのか不思議な程に、最後には監督が伝えたかった事をしっかりと受け取ることができた気がしている。
一番グッときたのは、それぞれの世界に戻る前のヒミの言葉だ。私の考察や妄想に過ぎないが、宮崎駿監督本人も誰かの死をあんな風に解釈し、自身を癒してきたのかもしれないと想像した。
人生は、必ずしも「短い=不幸」というわけではない。やはり、何に触れ何をし、何を考え、どう自分の人生を生きたか?なのだと思わせてくれた。
つらつらと事細かに思った事を書き残そうと思ってこのnoteを開いたが、やめた。様々で両極端な感想がある事すらこの映画の素晴らしさのように思う。
私はもう一度この映画が見たいし、アートに触れたような、生き方を自分自身にしっかり問わせてくれるようなこの映画に出会えてよかった。
人生に迷った時、辛い時、この映画をまた見ようと思う。
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