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FUJIFILM使いになるまで2

FUJIFILM使いになるまで。前回の分を読んでいないひとはこちら。↓

その続きからです。

デジタルに完全移行したのは2017年。わずか3年前。

デジタルに移行できたのは、FUJIFILMのカメラと出合ったからです。

写真集と写真展の違い

私は2015年に六本木ミッドタウンにあるフジフイルムスクエアで「不二之山_新」という写真展をやりました。

2014年に出版した富士山写真集『不二之山』(亜紀書房)

これを見た富士フイルムの方々が厳正な審査を行って企画を通してくれ、フジフイルムスクエアで写真展を開催する運びとなったのです。

当初は写真集『不二之山』に掲載されている写真で写真展を行う予定だったのですが、「一枚一枚ページを繰りながら順に写真を見せていく写真集と、いきなり空間に放り込まれる写真展は違う。『不二之山』あれはあれで本として完成している。新作でやる」と私が無茶を言って、担当者の方を青くさせたのでした(笑)。企画が通ってるのに、写真が一枚もない。2014年の10月から2015年の3月まで半年間富士山に通い詰めて撮影し、最終的に撮り終わったのは、写真展が始まる1ヶ月前でした。それからセレクト、プリント、パネルにDM制作と、本当にぎりぎりでした。今でもその時の担当者の木内さんには「あの時は肝を冷やしましたよー」と時折チクリと言われます(笑)

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2週間でのべ2万人の方に見てもらい、その後も、大阪、名古屋の富士フイルムのギャラリーをめぐり、とても貴重な経験となりました。

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それがきっかけでできた富士フイルムとのご縁。もちろんフィルム時代には、FUJIFILM製品のフィルムを使っていた縁はありますが。

知ってますか?

世界の2大フイルムメーカーといえば、アメリカのコダックか日本の富士フイルムです。世界中のカメラマンがそのどちらかのフィルムを使って撮影しているのです。コダックが東の横綱だとすれば、富士フイルムはいわば西の横綱。日本人として誇れるべきことだと思います。

私の代表作であるブラジルの写真群は、主に富士フイルムの「フジカラー NEW PRO400」というカラーネガで撮影しました。

この本は竹書房より2018年に出版しました。2001年よりブラジルに通うこと12度。その集大成ともいえる本です。最後に取材に行った2016年の夏、写真展以来、懇意にしてもらっている富士フイルムの木内さんに「今度ブラジルに行くんですよ」と言った際、「じゃあうちの製品も一台持っていってください」と言われ、選んだのがFUJIFILMのX-Pro2だった。

もともと、ライカM6、コンタックスG2、コニカヘキサー、マミヤ6、マミヤ7、プラウベルマキナ670、フジのGF670 Professionalなどのレンジファインダー式のカメラを愛用してきた身には、X-Pro2はすぐに気に入った。

まずシャッター音がいい。のせてくれる。軽くて小さいのもいい。

当時仕事で使っていた、キャノンEOS 5D Mark Ⅲはとても優秀で、信頼のおけるカメラなんだけれども、一眼レフのデジタルカメラは普段持ち歩くには、大きくて重かった。カメラを始めた頃、よくやっていた写真散歩には少々不釣り合い。次第に日常を撮る行為(スナップ撮影)をやらなくなっていた。

これいいなあ。サブカメラとしてブラジルに持っていこうと、木内さんを通じて、X-Pro2を借りたのだった。

2016年のブラジル行、持っていったカメラは、メイン機としてキャノンEOS 5D Mark Ⅲ、フィルムカメラのマミヤ7、サブ機としてX-Pro2。

ブラジルなどの危ない地では、仰々しく大きなカメラを構えてじっくり撮影などできない。襲ってくれと言ってるようなものだ。なのでどうしても小さなカメラが好ましくなる。

1ヶ月使ってみて、すっかり気に入ってしまった。

XーPro2で撮影したブラジルでの最初の写真

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それで改めて購入したのがFUJIFILMのX-Pro2。

現在のメイン機といってもいい。普段持ち歩きいちばんシャッターを押している。X-Pro2を所有したことにより、写真散歩も復活した。

その後、下記のFUJIFILMのプロモーション動画に出演したことにより、

X- H1を頂き、必要に応じてX-E3とX-T3を購入し、気づけば、FUJIFILM使いとなっていた。自然とデジタルに移行していた。

それができたのは、フジのカメラで撮影したJPEG画像が良かったからである。

FUJIFILMのカメラの特徴

これまで20年間、フィルムカメラでの一発撮りにこだわってきた身に、それはマッチした。後処理でどうにかするのでなく、なるべく現場で写真を撮りきる。それが写真だと信じやってきた。後処理でどうにかするのは写真ではなくデザインだと。(もちろん、多少の修正は理解できるが、やりすぎると写真ではなくなる。)そういう気概である。できるだけその場、その瞬間で完結する。それが私の思うハンターとしての写真家。

写真を撮る行為は、英語ではshooting(シューティング)。

射ぬく、撃ちぬく。

私のような考えの写真家にとって、JPEG撮って出しのできるレベルにあるFIJIFILMのカメラはぴったりだった。

外観と操作周りもいい。

デジタルカメラでありながらも、アナログのような佇まい。

液晶モニターをタッチして、設定を変えるのではなく、露出やシャッタースピードはダイヤルを回して調節する仕組み。目で確認して、つまんで操作する。実際にはその方が早くて確実である。

言っておきますが、ここまでつらつらとフジ製品の良さを書いてきましたが、私は別に富士フイルムからお金をもらっているわけではありません(笑)

本当に、自然とフィルムからデジタルに移行できたのです。さすが、フィルムメーカー。そもそもフィルムを作っていた会社の絵づくりに対するこだわりと、その実績は伊達ではありません。

もちろん、不満がないわけではありません。広大な風景を撮る際には、APS-Cサイズじゃなく、フルサイズだったらいいなと思いますし、スポーツを撮る際には、もう少しAFが速くて確実だったらなあとも思います。

でもそれらの不満を払拭して余りある魅力がFUJIFILMのカメラにはあるのです。

もともと、主にフィルムのレンジファインダー機で撮影していたから、多少の不便さは気にならない。むしろそれを味があると捉えられるのでしょう(笑)変態ですね。

メカではなく、写真機。それがFUJIFILMのカメラ。

ここまで愛情たっぷりに書いたんだからなんか欲しいわ。富士フイルムさん(笑)

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