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夏の夕方はスプマンテを開けないと始まらない


イタリアでは、夏はそんな生活でした。

スプマンテ大好き♪ 
(Spumante:イタリアンシャンパンの総称)


でも いくらなんでも
毎晩ボトルを空にしてたわけじゃないですよ?
(『量より質』派)


私が経験したイタリア生活では
イタリアの人でも、特に愛好家でなければ
家にワインをストックする習慣はあまりなくて、


いつもスーパーなどで
その週に特価になっているトスカーナワインや
他の州のワインを、
エティケッタ(ラベル)に書いてある情報をみながら
選んで買って、
普段の食事のときに開けて飲むのが
一般的みたいだった。


スプマンテも夏になると特価になるので 
私も、プロセッコやシャルドネや、
時には色のきれいなロザート(ロゼ)のスプマンテを買って、
フラットメイトや友達たちなど、
その日に集まれる誰かと
楽しく飲んでた。


開けてしまったスプマンテが飲み切れない時は
残りを500mlのペットボトルに移し替えて
冷凍庫へ。
(↑あまり多く入れ過ぎないように気を付けて)


アルコールのおかげで
カチンコチンに凍ったりはしないから、
翌日
マラカスみたいにシャカシャカ振ってからグラスに注ぎ、


『わたしレシピ』としては 
100%のオレンジジュースを上からかけて
Granitaグラニータ風ミモザ』(*) にして、
その日のAperitivoアペリティーヴォ(食前酒)の
1杯めにしてた。

(*ミモザ:スプマンテなど辛口スパークリングの白+オレンジジュース
のカクテルの名前。
イタリアで頼むときは「ミモーザ」って、
真ん中のoにアクセントを置いて発音してください。
グラニータはイタリア語で「かき氷風ドリンク」のこと)


これ自体、別に何てことないアイデアなのに
周りで同じことをやってる人はいなかったみたいで、
作って出すとみんな 
「美味しい!」と感動してくれて、
イタリア人にも、日本人にも、好評だったよ。


日本に戻ってきて夏が近づいた頃、
そういえば、スプマンテを
どこで調達できるのだろう…
と心配した。


そりゃあ、お金を出せば
見つけられることは知っていたけど
イタリアでは5ユーロ以内でも
美味しいプロセッコ(*)が気軽に買えていたから、

(*Prosecco:厳密には有名な商品名だけど
イタリアではプロセッコと言えば、ほとんど「スプマンテ」の意味)


日本でのスプマンテのお値段を見たときには
「そこまで散財するべきものだろうか…?」
という『根源的な問い』を自らにしてしまい、
心理的、お財布的に納得いかなくなってしまう。


輸入品だから仕方ないんだけどね。


でも私の場合 
特別な時のための一本を買うわけじゃなくて、
毎日でも開けるつもりでおりますゆえ…
(麦茶か)

 
でも よく探してみると日本でも
イタリアのスーパーと変わらない値段(400~800円)の
フランスやスペイン、
ニューワールドなどの
美味しいワイン(スパークリング含む)を見つけられる時もあるから
今のとこ、ワインの禁断症状は出なくて済んでる。

(チリ産ワインは裏切らない。
ことごとく美味しい!
すごいねチリ!)


5月半ばくらいから 
9月はじめくらいまでのイタリアは、
日が落ちるのが夜8時過ぎ~9時くらいになるので
夏の夕方から夜にかけては、
長い享楽きょうらくの時間となる。


フィレンツェでは7月末までは、
街のあちこちの広場や、歴史的な場所を利用して
野外コンサートや野外オペラ、
ジェラート祭り、
Wine Night など、 
さまざまなイベントがあるから


仕事のあとに待ち合わせて 
どこかのLocaleロカーレ(夜にお酒の飲める場所の総称)で
アペリティーヴォ(*)してからそれを観に行ったり、


アペリをしながら
ステージを観られるロカーレもあるし


早めに家でCenaチェーナ(夕食)してから、
気になるイベントを観に
Centroチェントロ(街の中心地)へ行ったり、


イタリアで
夏の夜に外で時間を過ごすのは、 
気持ちの良い、楽しい習慣だった。


(*ここでは単なる「食前酒」の意味ではなく、
『ドリンク代を払えばビュッフェが食べられる、
いわゆるHappyHourサービス』のこと。
今やイタリア全都市でやってると思う)


涼しく心地の良い、やわらかな風に吹かれて
散歩しながら
Gelateriaジェラテリーアでジェラートを買って、
食べながら、また散歩を続けたり


広場のベンチなどで
座って音楽を聴きながらおしゃべりをしたり(*)


暑い季節は 暑い季節の楽しみが、
生活のなかにあった。


(*よく広場や道で、演奏してる人たちがいる。
ヨーロッパは石の街だから
屋根があったり、壁同士の位置で
音響がすごく良くなる場所もあって、
そういう場所での演奏は、聞き応えがあった。


ヴァイオリンやフルートのソロ演奏、
カルテットなど複数での演奏、
オペラのアリア、
外国から来た人たちの民族音楽、
ポップスなどのギターの弾き語り、
タンゴを踊って見せる男女、
ジャズの小さなグループ… etc.)



8月に入ると一転して、
イタリア人たちは皆、
ヴァカンツァに出かけてしまうから
街のイベントはほぼ皆無となってしまう。


チェントロに散歩に行っても
コメディの大道芸人さんくらいしか居ないし、
毎年同じ人たちがやっているので、
一度見てしまったらあまりもう…  興味がわかない。
(チャプリンの格好でリナシェンテ横が定位置のおじさん、
今もやってるのかな)



お店も長期休暇に入るところが増えて、
人(イタリア人)が少なくなり、
街は(外国人)観光客ばかりになる。



でも
ジェラテリーアはちゃんと開いてるから大丈夫♪ 
もう、それさえ開いててくれれば🍦(笑)



フィレンツェではときどき、夕食後に
「映画でも観に行く?」と
散歩がてら映画館までぷらぷらと歩いて行って
映画を楽しむこともあるんだけど
(料金は5€~8€ですよ、日本のみなさん…)
↑私が住んでた頃の値段


映画館にも当たり前のように夏休みがあって、
夏の間は完全に閉まってしまう。


でもその代わり
Cinema Sotto Le Stelleチネマ ソット レ ステッレ(星の下映画館)といって
夏季限定の 
臨時の『映画専門野外シアター』が
街のサッカースタジアムや、
広い空間をとれる広場などに設置されてオープンするので



ヴァカンツァに行かない地元のイタリア人たちは 
そういうところに出掛けたり、

友達同士で誰かの家に集まってお喋りしたり、

チェントロエリアか
週末には車で郊外のロカーレに、
踊りに出掛けたりする。
(そういう場所ではラテン音楽がかかってることが多い)



こういったところは観光客たちの行動範囲からは
少し外れた場所が多いし、
毎年必ず同じ場所でオープンするものでもないので、
地元の人や、
Tourist Informationツーリストインフォや、
ホテルの人などから、情報収集してみてね。



そして まだ日が高く見えても、
だいたい18時過ぎには
フィレンツェはもう、アペリティーヴォの時間なので



その時間を過ぎたらイタリア人に合わせて、
「忙しく動く生産的な活動」は終わりにして
(When in “Italy”, do as the Italians do♡)



雰囲気の良い、
気に入ったBarバールに入って席を見つけるか、



家でくつろいだ服に着替えて
いちばん景色の良い窓辺か、風の渡るテラスで

 

辛口の、良く冷えたスプマンティーノで
『その日の夜』をスタートしてください♪
(Spumantino = “スプマンテちゃん” 
↑時々こう呼ぶイタリア人もいる)



誰かと予定を話し合って 
シャワーを浴びてさっぱりしてから、 
すてきな夏のドレスや、
男性なら麻の服などを着てお洒落して
出掛けても良いし、 



そのまままったりと、家で過ごしても楽しい。
(ソファで映画を観たりして)



長い夏の毎日が続いて
仕事で消耗してても、 
夕方に、冷えたスプマンテに辿たどり着けたら
リチャージ出来てたなあ。



イタリアは なんといっても気候が良いよ。
日本みたいに
湿気に体力を持っていかれないのは、
大きいと思う… 🥵



というわけで 
フィレンツェは夏の夜も楽しいです♪



昼間いろいろ動いて疲れても、
ホテルやアパートで一休みしたら、
夕涼みがてら ジェラートを食べに 
外に散歩に出かけてみてね。


気候、雰囲気、街の様子…



日本では味わえない、大人の時間です😉


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夏の思い出

書いたものに対するみなさまからの評価として、謹んで拝受致します。 わりと真面目に日々の食事とワイン代・・・ 美味しいワイン、どうもありがとうございます♡