L-TRIP(間質性肺炎と肺移植を伝える会)

「肺移植・間質性肺炎に関する情報不足と不安を解消したい」との思いから発足した組織です。…

L-TRIP(間質性肺炎と肺移植を伝える会)

「肺移植・間質性肺炎に関する情報不足と不安を解消したい」との思いから発足した組織です。 質問箱とnoteで情報発信していきます。中の人:患者家族&薬剤師&医学生。

最近の記事

臓器移植の長期予後について:肺移植を例に

最近、臓器移植後の予後・臓器移植そのものについてやや否定的なSNS投稿を目にするようになりました。臓器提供の有無は個人の自由意志に完全に委ねられておりますが、臓器移植を待つ患者さんやその周囲の方に誤った情報が届くことは避けたいと考えるため、今回臓器移植の長期予後について簡単にまとめさせて頂きました。 やや長文になってしまいましたので、時間のない方のため、冒頭に本記事の結論を記載しておきます。 臓器移植後の長期予後が悪いということはない(管理の特に難しい肺移植においても5年

    • L-TRIPインタビュー企画 #3-3(後編)『肺移植と社会』

      本記事は前編・中編・後編の3部構成の中の「後編」となります。 ▼前編▼ ▼中編▼ ー ゲスト:nasubi365さん 30代男性。高校生の頃から特発性間質性肺炎に罹患し、30歳で脳死片肺移植を経験して、現在は酸素不要の生活を取り戻している。移植前まではリハビリ関係の仕事をしており、現在は体調に合わせながら在宅でPCを使って働いている。 — 9. 治療中の困難とその乗り越え方を振り返る— 肺移植前後の体験を聞かせていただきありがとうございました。ここからは、一旦現在までの

      • L-TRIPインタビュー企画 #3-2(中編)『肺移植と社会』

        本記事は前編・中編・後編の3部構成の中の「中編」となります。 ▼前編▼ ー ゲスト:nasubi365さん 30代男性。高校生の頃から特発性間質性肺炎に罹患し、30歳で脳死片肺移植を経験して、現在は酸素不要の生活を取り戻している。移植前まではリハビリ関係の仕事をしており、現在は体調に合わせながら在宅でPCを使って働いている。 — 5. 肺移植の連絡は突然に— 移植待機登録をしてから実際に移植までの流れをお伺いしたいと思います。最終的に30歳で移植されたとのことですが、待機

        • L-TRIPインタビュー企画 #3-1(前編)『肺移植と社会』

          L-TRIPでは、「間質性肺炎と肺移植に関する情報不足と不安を解消し、人々の自己実現に貢献する」ことを目標としています。これを達成するために、間質性肺炎や肺移植の経験者、それに関与する医療従事者等にインタビューを行い、生きた経験談や意見を蓄積していく予定です。 このインタビュー企画の第3弾では『肺移植と社会』というテーマで、高校生の頃から間質性肺炎と闘病され、脳死肺移植を経験された nasubi365 さんにお話を伺いました。 (インタビュー実施日:2023年2月18日(土)

        臓器移植の長期予後について:肺移植を例に

          L-TRIPインタビュー企画 #2-3(後編)『小児白血病と間質性肺炎』

          本記事は前編・中編・後編の3部構成の中の「後編」となります。 ▼前編▼ ▼中編▼ ー ゲスト:T.N.さん 20代男性。小学校3年生の時にフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)を発症、造血幹細胞移植を経験。その後中学校、専門学校等を卒業し、現在は慢性GVHDによる間質性肺炎を発症。現在は自宅療養中。 — 10. 肺移植への意識— 「先生からも『肺移植』という言葉が出るようになった」とのことでしたが、具体的にどのように出たのでしょうか? そもそもです

          L-TRIPインタビュー企画 #2-3(後編)『小児白血病と間質性肺炎』

          L-TRIPインタビュー企画 #2-2(中編)『小児白血病と間質性肺炎』

          本記事は前編・中編・後編の3部構成の中の「中編」となります。 ▼前編▼ ▼後編▼ ー ゲスト:T.N.さん 20代男性。小学校3年生の時にフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)を発症、造血幹細胞移植を経験。その後中学校、専門学校等を卒業し、現在は慢性GVHDによる間質性肺炎を発症。現在は自宅療養中。 — 5. 移植後の生活— 無事に骨髄移植を終え、その後の生活はどのようなものでしたか? 移植直後から肝臓の数値が悪化してきていました。医師からは急性の

          L-TRIPインタビュー企画 #2-2(中編)『小児白血病と間質性肺炎』

          L-TRIPインタビュー企画 #2-1(前編)『小児白血病と間質性肺炎』

          L-TRIPでは、「間質性肺炎と肺移植に関する情報不足と不安を解消し、人々の自己実現に貢献する」ことを目標としています。これを達成するために、間質性肺炎や肺移植の経験者、それに関与する医療従事者等にインタビューを行い、生きた経験談や意見を蓄積していく予定です。 このインタビュー企画の第2弾では『小児白血病と間質性肺炎』というテーマで、急性リンパ性白血病と特発性間質性肺炎の両者を経験し、現在も闘病中のT.Nさんにお話を伺いました。 (インタビュー実施日:2022年8月9日(火)

          L-TRIPインタビュー企画 #2-1(前編)『小児白血病と間質性肺炎』

          L-TRIPインタビュー企画 #1-3(後編)『肺移植経験者に聞く間質性肺炎』

          本記事は前編・中編・後編の3部構成の中の「後編」となります。 ▼前編▼ ▼中編▼ — ゲスト:Y. Y. さん 職業はITエンジニア。1児の父。特発性間質性肺炎と診断され、在宅酸素療法が必要になる。 2017年に脳死肺移植により、酸素不要の生活を取り戻す。現在は、社内SEとして、フルタイムで働いている。 — 10.退院後の生活とコロナ禍— 移植後、退院されてからの生活はどのようなものでしたか? 仕事は半年ぐらい休みながら、掃除や料理など少しずつできることを増やしていき

          L-TRIPインタビュー企画 #1-3(後編)『肺移植経験者に聞く間質性肺炎』

          L-TRIPインタビュー企画 #1-2(中編)『肺移植経験者に聞く間質性肺炎』

          本記事は前編・中編・後編の3部構成の中の「中編」となります。 ▼前編▼ ▼後編▼ — ゲスト:Y. Y. さん 職業はITエンジニア。1児の父。特発性間質性肺炎と診断され、在宅酸素療法が必要になる。 2017年に脳死肺移植により、酸素不要の生活を取り戻す。現在は、社内SEとして、フルタイムで働いている。 — 5. 急性増悪— 大学病院で検査を行って以降、体調に変化はありましたか? 検査を行ってから何年か経った後に、1回目の急性増悪が起きてしまいました。急性増悪というのは

          L-TRIPインタビュー企画 #1-2(中編)『肺移植経験者に聞く間質性肺炎』

          L-TRIPインタビュー企画 #1-1(前編)『肺移植経験者に聞く間質性肺炎』

          L-TRIPでは、「間質性肺炎と肺移植に関する情報不足と不安を解消し、人々の自己実現に貢献する」ことを目標としています。これを達成するために、間質性肺炎や肺移植の経験者、それに関与する医療従事者等にインタビューを行い、生きた経験談や意見を蓄積していく予定です。 このインタビュー企画の第1弾では『肺移植経験者に聞く間質性肺炎』というテーマで、特発性間質性肺炎の患者であり、脳死肺移植を経験されたY. Y. さんにお話を伺いました。 (インタビュー実施日:2021年12月11日(土

          L-TRIPインタビュー企画 #1-1(前編)『肺移植経験者に聞く間質性肺炎』

          L-TRIP(エル・トリップ)を立ち上げます

          みなさまこんにちは。このnoteを開いていただき、本当にありがとうございます。関西で医大生をしております、名倉と申します。 突然ですが、「間質性肺炎」という病気をご存知でしょうか? 医療者の方なら聞き覚えがあるかもしれませんが、そうでない方はほとんど耳にしない病名なのではないかと思います。 この疾患についてもっと知っている方が増え、当事者の方が不安のない世の中にするために、活動をスタートしていきます。 1. L-TRIPとは?L-TRIPとは、「間質性肺炎と肺移植に関す

          L-TRIP(エル・トリップ)を立ち上げます