つるんと綺麗でないもの

画像1 指輪は、20歳になった時に母がくれた。母は20歳になった時に祖父からもらったらしい。持っている中で一番しっくりくる気がするのに、ぞんざいに扱って一度紛失した。しかし、縁があるものは必ず戻ってくるものだ。私は、古めかしくて味があるものが好きだ。新しいものはつるんと綺麗すぎて、興味が湧かない。同じように心に古傷がありながら、実にさりげなく生きているような人に惹かれる。傷をただ静かに見つめて、生きていると色んなことがあるよねぇと言う。そういう器の大きい大人に憧れていた。もう充分大人なのに、まだまだ未熟な私だ。

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