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ヘルシンキの壁と窓




中と外、家と街。

それらに境界線を引く「壁」と、繋ぐ「窓」。



相反するような「壁と窓」ですが、街側から見ればそれらはひとつの平面で、街の生活の背景として日常に溶け込みます。

街の風景は壁と窓がつくる。と言っても過言ではないかもしれません。



今回は、ヘルシンキで壁と窓を探す旅に出かけます。


西の港の方の壁と窓。この地区は、ヘルシンキの中心部と違って新しい建物が多く、どれも似たような雰囲気をしています。

軒がなく、全体的にすっきりとしているところも特徴的。



続いて、中心部にあるブレヴァルディ通りの壁と窓。トラムの走るこの道にはたくさんの樹木が植えられており、夏には緑が、秋には紅葉が街の風景に彩りを添えてくれます。


木漏れ日の下に人びとは集い、壁には繊細な光と影が映し出されます。人、街、自然が調和した、美しい街の風景です。


街角もまた、魅力的。
街のアイコンとなります。


湾曲した窓は石造りならでは。ヨーロッパらしい街の空気をつくるのは、このポップな窓なのかもしれません。


最後は、色の壁。ヘルシンキの街歩きが楽しいのは、狭い範囲の中で街の雰囲気が劇的に変わるからかもしれないと、ふと思いました。



これらの色彩・色彩感覚は、実は北欧特有のものではないかと思うのです。夏の強い日差しでもビビッドにはならず、淡くエレガントな印象が保たれています。

淡いカラーコードは、いわゆる「北欧デザイン」にもよく見られます。パッと見ただけでも“北欧っぽい”と感じられるのは、その繊細な色彩によるものでしょう。


たとえば、ラプアンカンクリのテキスタイルは、北欧らしいやわらかな色彩でデザインされています。


対して、マリメッコやフィンレイソンのような老舗ブランドでは時折ビビットな色彩も見られます。しかしながら、そういう強い色を使う際は絵柄をポップにしたり、角を丸めたり、塗り面を小さく分解したりと、エレガントな空気感を保つ工夫をしているようにも見えます。




色彩を欠く、北欧の冬。


その暗闇を彩るのは街の壁、そして街の人たちの装いです。




lumikka

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