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子ども(未成年)が逮捕された場合に弁護士の僕ならどうするか-13(学校との話し合い)

【 自己紹介 】

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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。

僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。

ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。

あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。

ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。

【 今日のトピック:少年事件 】

今日も、昨日に引き続き少年事件について書いていきます。

昨日は少し耳の痛い話をしてしまいました。未成年の子どもが事件を起こしたことについて、親の影響は否定しようがない、という話です。

だから、子どもが事件を起こした場合は、親自身も、自分自身を見つめ直す必要があります。

今回の設定では、事件の本質(=原因)は、

・交友関係

・人生に楽しいことがない

の2つでした。

これらを改善するため、子どもと真摯に話し合って、これからどうやっていくか結論を出さなきゃいけません。

今回の設定だと、高校に戻って勉学に励むという結論に至りましたので、父親である僕としては、退学処分だけは避けなければいけません。

そのためには、高校と話し合いの場を設ける必要があります。

まずは、担任の先生に連絡して、息子が逮捕された理由や、息子が罪を認めていて反省していること、高校に戻って勉強に励みたいと考えていることを伝えなきゃいけません。

高校としても、いろいろと気になる点があるはずです。

・いつから高校に戻れるのか

・どんな処分がくだされるのか

・他の生徒に悪影響を及ぼさないか

・世間体は保てるのか

・本人が高校生活をきちんと送れるのか

高校としては、こういった点が気になるはずなので、答えを事前に準備しておく必要があります。

順番に書くと、

・勾留は10日間続くので、その間は高校に戻れません。更に10日間勾留が延長されることもあるので、そうすると、更に10日間高校に戻れません。そして、その後鑑別所送りになると、更に4週間は戻れません。そして、最終的に少年院送りになると、1年間少年院で過ごさなきゃいけなくなります。

・息子が逮捕されるのは初めてで、覚せい剤に依存しているわけでもないので、少年院送りになる可能性はほとんどなく、また、鑑別所に送られる可能性も低いと考えられます。したがって、勾留が終われば、釈放されて元の生活に戻れる可能性が高いです。

・逮捕された生徒が何のお咎めもなく登校すると、問題を起こさず真面目に高校生活を送っている他の生徒の皆さんに示しがつかないと思いますので、反省文を書いて反省の態度をきちんと表現したり、授業の遅れを取り戻す意味もありますが、補習授業を受けたりして、必要な範囲で高校からの処分を受けるべきと考えています。

・家庭裁判所が最終的に保護観察処分を下せば、裁判所が、元の生活を営むほうが息子の更生に役立つと判断したことになりますから、高校としても、その判断を尊重する必要があり、尊重した結果として、元の高校に戻したのであば、それを世間から責められるいわれはないと思います。また、本人も、高校に戻って勉強したいと考えており、この姿勢が評価された結果として保護観察処分が出たのであれば、なおのこと、高校も協力する必要があるはずです。こういった理由を説明すれば、逮捕された生徒を高校に戻したとしても、世間体は充分に保つことができると考えています。

・本人は、初めての逮捕で、自分のやったことの重大さを身に染みて反省しているので、再犯の可能性はありません。また、高校に戻って勉強したいと話しており、間違いなく、まじめに勉強してくれると思います。

僕だったら、こういった答えを用意した上で、高校の先生と話し合いの場を設けます。

高校の立場にたって考えるのが大切です。

高校の先生から今回の事件を見ると、事情もよくわからないまま、いきなり生徒が学校に来なくなって、その理由が「逮捕」らしいということで、かなり不安で心配になっているはずです。

事情がわからないままだと、処分も決めようがありません。出席日数が足りなければ退学処分とせざるを得ませんが、今後出席する見込みがあり、高校に戻しても構わないと判断できるだけの事情が説明されれば、おいそれとは退学にしないはずです。

高校の先生たちも、生徒を退学にしたくて教師になったわけではありません。

退学処分を下さずに済む理由をほしがっているはずなので、その理由を懇切丁寧に説明します、僕なら。

そして、想定していない質問を受けたら、「それはまた後日回答します」と言わなきゃいけません。

息子と話して結論を出せていないことにまで、親が勝手に言っちゃうと、息子との信頼関係を壊してしまいます。

例えば、「勉強したいと話しているそうですが、勉強したい理由や、勉強の目的・目標はあるんですか?」と聞かれたら、「勉強したい理由については、元々中学生の頃は勉強が好きだったので、もう一度一生懸命勉強してみたい、ということなんですが、勉強の目的・目標はまだ聞けていないので、本人から聞いてきて回答しますね」と言わなきゃいけません。

ここで口を滑らして、「一生懸命勉強して、東大に合格することを目標としていると思いますよ」なんて、予測で話しちゃダメです。そんなこと本人は全然言っていないので。

息子本人には、どこか行きたい大学が他にあるかもしれませんし、そもそも大学を目指していないかもしれません。

息子本人は、逮捕されているので、警察署まで来てもらわない限り、自分の口で高校の先生に話すことができません。

だからこそ、両親に代わりに話し合ってもらっているのですが、その両親が、自分が言ってもいないことを勝手に話すようであれば、もう何も話せなくなります。自分が言っていないことを、さも自分が言ったかのように話してしまう人には、何も話せませんし、何も伝えたくなくなるからです。

僕だったら、息子から聞いていないことは「聞いていない」ときちんと言います。ここだけはぜったいに守ります。

今日はこの辺にします。

それではまた明日!・・・↓

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