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不定期でリーグアンやフランス代表に関する記事を投稿中。
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#リーグアン

【セリエA再挑戦】パウロ・フォンセカがリールに遺したもの

【セリエA再挑戦】パウロ・フォンセカがリールに遺したもの

オランピック・ドゥ・マルセイユにホルへ・サンパオリ🇦🇷、FCナントにセルジオ・コンセイソン🇵🇹、OGCニースにフランチェスコ・ファリオーリ🇮🇹...。

かつてフランス人ばかりだったリーグアン監督業界において、ここ10年で上位クラブを中心に外国人監督が増えた。戦術のイロハを体得した猛者たちが新たな環境として、戦術味の薄い農地を選ぶムーブが高まりつつある。

しかしながら、その逆もまた然

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【若手監督の宿命】ウィル・スティルが悩む壁

【若手監督の宿命】ウィル・スティルが悩む壁

新しい学校、新しい学年、新しい職場...。「始まりの季節」と称される4月。例として欧米の学業における年度始めを9月に制定しているのに対して、なぜ我々の国は年度の始まりを4月に制定したのだろうか?

複数の憶測がある中で有力視されているものを1つ取り上げると、どうやら"農業"に関係しているようだ。

前年の夏に開幕した欧州のフットボールは4月になると、既にタイトルor降格が決定したり、デットヒートが

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ラヤン・シェルキに待ち受けているのは"天国"か"地獄"か

ラヤン・シェルキに待ち受けているのは"天国"か"地獄"か

今季のリーグアンの1つのトピックになっている、名門リヨンの不調。一昨年に就任した新オーナーによる粗雑な予算管理により、目標の上位進出に見合ったスカッドが形成できず、まさかの降格圏争いに巻き込まれていた。

昨季のどん底から立て直したローラン・ブラン、サポーターからの信頼が厚いOBファビオ・グロッソを解任した後に、アンダーチームからピエール・サージュを昇格させ、成績は僅かながら上向きの傾向にある。

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失敗に終わったグロッソとガットゥーゾのリーグアン挑戦🇮🇹

失敗に終わったグロッソとガットゥーゾのリーグアン挑戦🇮🇹

今季から18クラブ制に削減したリーグアン。2月時点での順位表を見ると分かるように、2位以下の競争率がかなり激しくなっている。

そんな中で今季は4クラブで計6人の監督が解任・辞任された。

今回はその内の、2006年W杯優勝に貢献した2人の元カルチョ戦士🇮🇹に焦点を当て、初めてのリーグアン挑戦を振り返る。

元リヨネーの血×リーグアンの経験

会長を追い出して独裁者を気取った男の末路

オラン

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ルイス・エンリケPSG 解体新書

ルイス・エンリケPSG 解体新書

太陽暦であるグレゴリオ暦の閏日として、4年に一度訪れる2月29日。欧州フットボール界ではちょうど勃興するクラブと凋落するクラブがはっきりしてくる時期にあたる。

とりわけ世間の注目の的となるUEFAチャンピオンズリーグラウンド16では、久保建英所属のレアル・ソシエダがフランス王者パリ・サンジェルマンと相見えることとなった。

今回は普段リーグアン及びPSGを見る機会が少ない方向けに、今季のPSGの

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リーグアン目線で見るアフリカ選手権2024

リーグアン目線で見るアフリカ選手権2024

覇権奪回を目指し、1月のアジア杯に臨む日本代表にリーグアン三銃士の伊東純也(スタッド・ランス)、中村敬斗(スタッド・ランス)、南野拓実(モナコ)が選ばれました。

同じくリーグアン勢からはイガンイン🇰🇷(PSG)、ムサ・アル・タマリ🇯🇴(モンペリエ)、アブドゥコディル・クサノフ🇺🇿(RCランス)が参戦します。

アジア杯と時を同じくして、1月に開催されるのがアフリカ選手権(AFCON)

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23/24 リーグアン 前半戦総括

23/24 リーグアン 前半戦総括

1年の最後の月である12月は「師走」という表現を持っていますが、実は12月にはたくさんの異名があるのです。

冬の最後の月を表す「季冬」・弟が末を意味することから「弟月」・春を心待ちにする「春待月」・年の終わりを示す「歳極/年果つる月(年果)/限月/極月/成終月」などなど。

ことば遊びは一種の遊戯としてもうんちくとしても楽しむことができます。1年はあっという間。思えば8月に始まった今季のリーグア

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定点観測 フランス🇫🇷代表

定点観測 フランス🇫🇷代表

記憶に新しくない高校時代。部活終わりの部室にて1人の後輩とテニスの大阪なおみ選手に関する話をしていたところ、もう1人の後輩から「誰かを応援する気持ちがわからない。だからスポーツなんて見ない」という言葉を投げかけられたことがあります。その時はムッとしたわけでもなく、なぜか「ああ、そうだよね」と思ってしまいました。

我々が健常に日々を過ごしていることが当たり前ではないということと同じように、誰かを応

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"Nextデ・ゼルビ"が率いるOGCニース

"Nextデ・ゼルビ"が率いるOGCニース

W杯以降初の監督続投が結果的に功を奏している我らが日本代表。過去に比べて、欧州強豪クラブかつ巧みな戦術家のもとでプレーする代表選手たちが増えてきており、顔ぶれもだいぶ豪華な面々が揃うようになりました。

日本代表選手の中でも最高峰に話題を集めているのが、ブライトン所属の三笘薫選手。ABEMAではブライトンの試合が度々無料配信されていたり、「三笘ってる」「三笘らない」などの造語もライト層の人気を集め

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サポーターはクラブ以上の存在?

サポーターはクラブ以上の存在?

国内ではラグビーW杯の高まりと共に、春秋制のプロ野球やJリーグはシーズンの終焉を迎えています。欧州に目を向けると、シーズンはまだ始まったばかりですが、これから様々なコンペティション含め忙しい日々が始まります。

そんな中で南仏からは信じられないようなニュースが舞い込んできました。現地時間9月20日13時20分、一部サポーターからの脅迫が原因でマルセイユのマルセリーノ監督が辞任するという公式発表がな

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リーグアン開幕直前スペシャル 23/24シーズン徹底プレビュー

リーグアン開幕直前スペシャル 23/24シーズン徹底プレビュー

オフシーズンは日本で多くの試合が開催されたように、あっという間に時が過ぎつつも1年の循環性を感じさせてくれた夏でした。

改めてフットボール選手は休みがほとんどなく、かなりの情熱がなければやっていけない職業であることを痛感させてくれますが、プレシーズンが終わったらいよいよ23/24シーズンの覇権を争う戦いが幕を開けます。

もう既にスコットランドやベルギーではシーズンが始まっていますが、フランスの

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中村敬斗の加入が噂されるLOSCリールとは

中村敬斗の加入が噂されるLOSCリールとは

ブライトンでは三笘薫、レアル・ソシエダでは久保建英など過去に比べて各欧州クラブの核を日本人が担うことが増え、フットボールへの情熱が高まってきている日本国内。

昨季フランスリーグアンでは伊東純也がスタッド・ランスの快進撃に貢献したり、南野拓実がモナコへ、オナイウ阿道はトゥールーズで、川島永嗣と鈴木唯人はストラスブールというように5人の日本人がリーグアンを湧かせてくれました。

鈴木唯人と川島永嗣は

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クヴァラツへリアに続け! ジョージア🇬🇪の逸材 ジョージズ・ミカウタゼ

クヴァラツへリアに続け! ジョージア🇬🇪の逸材 ジョージズ・ミカウタゼ

イタリア・セリエAは2011/12シーズンからユベントスが9連覇を果たしていましたが、それを止めたのがインテル、翌年はミランという北部のチームが復活を印象付けました。

しかし、昨季躍動したのは南方のナポリでした。インシーニェ、クリバリ、メルテンスという功労者を失いながらもスパレッティ体制のもと圧倒的な強さで33年ぶりのスクデットを獲得しました。

ナポリ中でとりわけ輝いていた人物の1人に、ジョー

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14年ぶりにリーグアンに帰ってくる育成の超名門クラブ ル・アーヴルAC

14年ぶりにリーグアンに帰ってくる育成の超名門クラブ ル・アーヴルAC

フットボールリーグといえば、昇格・降格があるのが1つの醍醐味。上に行けば行くほど特に資金面で潤沢な報酬を獲得することができます。

それよりも、選手たちにとっては上のリーグで戦える喜びというのは夢でありやりがいの一例に当たるのではないでしょうか。まるで優勝したかのように降格争いを制したり、昇格争いを制した後の選手たちやサポーターの様子は映画の1本が作れてしまうかのような盛り上がりを見せてくれます。

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