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就活前の自分に読ませたかった【 苦しかったときの話をしようか 】森岡毅


今日紹介する本は、学生時代に出会いたかった!と本気で思わされた1冊。

むしろ義務教育レベルに覚えるべきだろ!としか言えない知識が詰まっていた。


今回は


森岡毅 著

苦しかったときの話をしようか
ビジネスマンの父が我が子のために
書きためた「働くことの本質


著者の森岡毅さんはマーケターをされています。
分かりやすく説明するとマーケティング(売れる仕組み作り)で企業の成績を伸ばす人と言えば伝わりやすいでしょうか。
P&Gを経てUSJに入社し、低迷していたユニバーサルスタジオジャパンをV字回復させた経歴をもつ凄腕マーケターです。

少し前に同著者が書いたマーケティングの基礎本も感想作りましたので興味わいた方は是非


わたし自身が過去に商学部を選考していたので彼の実体験や考えは興味深さしかなかった。
上記の本を読んでマーケティングと言うものを改めて学び直そうと読んで見ましたが度肝を抜かれまくり。

それと同時にマーケティング以前に必要な「人生で大切なこと」も後半にたくさん書いていてマーケター以前にこの人の考え好きだ〜となったのを数ヶ月経った今でも覚えています。

そんな著者の考えにフォーカスされた1冊が今回紹介する本書。


元々は就職活動を控えた " 我が子 " に向けて書きためていたメッセージだったのですが、事務所を尋ねた編集者がこれを読み「森岡家だけでなくキャリアに悩む全ての人のためにも役立てるべき」と感動させられ世に放たれた有り難き助言が詰まった1冊です。


我が子のために父が教えたいことが詰まったメッセージのためピックアップすべき点があまりにも多かった本書。

・自分の強みの見つけ方
・学校が教えない社会の仕組み
・マーケティングについて
・父である著者の想像を絶する苦しい過去
・我が子へのメッセージ

と全てに触れると時間もある程度の文字数も足りないので特に重要かな?な箇所に絞って触れていく形の紹介になるのを許してほしい。

冒頭だけでも長くなりすぎたので早速内容に触れていきましょう。




自分の「軸」を明確にする


就職活動でよく目にしたフレーズこと「軸」から説明させていただく。

本書でも

自分の中に基準となる「軸」がなければ、やりたいことが生まれるはずも、選べるはずもない。

24ページ

と書かれているので自分を知るうえで1番必要でしょう。

・年収を上げ続けたい
・将来急成長する企業に入りたい
・営業トップを更新し続ける

といった仕事面の目標だけでなく

・静かに暮らしたい
・在宅で働ける仕事がしたい
・オフィス、自宅、遠征先どこでも働ける生活

などのライフスタイルも該当することでしょう。

キャリアを考えることにおいて必要なのは自分がこの先こうしたい!という目標というのが「軸」の正体。と言えば理解しやすいでしょう。

本書はこの「軸」を明確にしていくというのが一応の目的となります。




自分の強みを明確にせよ

自己分析で度々聞いた事あるでお馴染みのフレーズから始めてしまったがここについて深堀りしていこう。

【世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方】という本の著者である八木仁平さん
Microsoft Wordを開発したリチャード・ブロディさん。
など多くの方々も「好きなこと」「やりたいこと」「得意なこと」にヒントが隠れている事を提唱されています。

詳しく解説していきます。

20年も生きてきたのなら、君の強みは必ず好きなことの中にある。

121ページ

とも書かれていますし、会社は君の強みに給料を払っているという考えまで書かれています。

本書などで言われる「強み」とは自分が苦なくできること。

というのが自己分析で多く言われるものです。

本書や他書でも動詞にこそ「強み」はあると多く見てきました。

この本でのやり方を説明すると

1.まず好きな行動を50~100個書いていく
2.書いた中で似た内容にフォーカスする

といった所でしょうか

本書の例を出すと

考えることが好き 問題を解くのが好きなどの
頭を使うことが好きな人は研究者やマーケターなどが天職でしょうし。

交流が好き、話すことが好きなど
伝えたり人と繋がるのが好きな人は営業やなどが向いていることでしょう。

達成する事が好き、挑戦することが好きなど
変化を起こしたり人を動かすことが好きな人はリーダーになったりベンチャー企業などが合うかもしれません。



例えでややこしくなってきたので私を例にすると。

・作品のストーリーや登場人物について想像することが好き
・気に入ったものを他に広めることが好き

なのですが、これを更に形にしていくと

・脚本家
・シナリオライター
・ブログなどのアフィリエイト
・コラムニスト
・評論家

などになっていきますかね。

特に気に入ったものを広めるのはこの投稿も該当しますし。


更に更にややこしくなったのでまとめますと
自分の「好き」を深堀りしていき得意分野を探した方がいいということでとりあえず覚えておけばいいでしょう。



強みを磨くことに一点集中する

強みの話からの続きになります。

もし「強み」を見つけたのなら一点集中で磨いて行くことが大切です。
というのも同じ強みを持ったものと競走になったり、差別化を図って生き延びなければならないから。

そのためにもう1つ必要になるのが「弱み」にフォーカスしないこと。

日本は「苦手を克服」に重点をよく置きがちですが克服した所でマイナスがようやく0や1になるようなものです。
それなら既に5にも10にも上昇していく強みに集中した方がレベルアップしていくことは明確でしょう

しかも時間は限られているので尚更な話。

著者が本書と他書でも書いていた内容ですが

ナスビには、ナスビに適した土俵があるということだ。ナスビを合っていない土俵の事情に無理矢理合わせたり、ましてやキュウリにしようとしてもダメなのだ。それをやってしまうと、ナスビはただ残念なナスビになってしまうだけだ。自分がナスビなら立派なナスビへ、キュウリなら立派なキュウリになるように、ひたすら努力を積み重ねれば良いのだ。

150ページ

わたし個人的な話、著者の考えが好きになったキッカケの話でもある。

話すことが苦手な人に営業や電話を任せるのはNG。
ならばメールやチャット、ライティングで完結する職場にいた方が力は磨かれるという認識なら分かりやすいでしょうか?

人と接する事が強みなら営業や介護。
コミュニケーションとる事が好きじゃない人なら個人で発信する仕事(Webライター、ブロガー、YouTuberなど)が適しているかもしれません。

自分の「長所」「短所」を明確にしたうえで適した環境を探すことは仕事を選ぶ中で最重要事項というのを覚えておいていいでしょう。




「職能」こそ重要な財産


職能だけじゃ分かりづらいので「職能=スキル」という認識でOKです。

本書は就職活動に挑む娘さんに向けて書かれていますが、就職以前に重要なことにも触れています。

それは会社ではなくスキルを重視しろということ。

いい会社でも、買収や事業変更で環境が変わったり、最悪は倒産することだってある。

会社と私では永遠に両思いにはなれないのだ。

君がいくら会社に惚れ込んで結婚したくても、会社はどうしても君とは結婚できない

36ページ

さらには、その会社でしか活躍できないというデメリットを背負うことにもなる。

・会社限定のスキルしか無い人
・1つのシステムにしか依存しなかった人

になってしまう前に己に投資せよということでしょう。

例えば「この会社の○○というシステムなら私に任せろ」「大企業で20年働いてきた」という肩書きなら今の会社でしか通用しない人材止まりでしょう。

逆に「文章作りが得意でブログやWord、SNSなど多方面で評価された実績あり」や「エンジニアとして数多の会社をサポートしてきた」といった様々な環境で通用する力を付けた方が将来的にお得というわけです。

自身を高めれば周りのライバルとも差をつけられますし、AIに仕事を奪われずむしろ君の仕事ぶりに託したい!と思わせられた方がこの先圧倒的に有利でしょう。

仮に資産を失ったとしてもインプットしてきた知識や経験で這い上がることだってできることでしょう。

最終的に頼れるのは自分自身というのが著者が伝えたいメッセージだと個人的にはなりますが感じ取れました。

それに自分のスキルなら会社が無くなっても次の企業にステップアップする選択肢も増えます
さらには起業やフリーランスとして活躍する道も開けますし、倒産しても知識と経験があれば再び立ち上がる事も可能です。

最後に信じられるのは自分のスキル、経験、さらには人脈といった「見えない資産」になるという事です。



「外側の世界」を知る


個人的にはこの本で最も重要な部分がこちら。

" 義務教育レベル " と冒頭に書きましたが、この章は学校が教えてくれない(もしくは教えたくない)大事なことが説明されています。

そのひとつが経済格差についてです。

それについて覚えておくべき内容こそがこの章の本題でもある「資本主義」について。

わかりやすく説明すると本書では

資本主義とは、人間の「欲」をエネルギー源にして、人々を競走させることで社会を発展させる構造を持つ。

59ページ


私の経験で資本主義について多くの本で見てきました。
有名な本で「金持ち父さん 貧乏父さん」というのがあります。私自身お恥ずかしい話YouTubeの要約でしか聞いた事が無いのですが。
その名著を元に名付けられた本「金持ちフリーランス 貧乏サラリーマン」という本は実際に読んだことあるのでそちらの言葉を借りて説明させて頂きますと。

資本主義とは、ありていにいえば「お金がすべて」の世界です。(省略)つまり資本主義の世界では、お金持ちはどんどんお金持ちになり、貧乏人はどんどん貧乏になる。これが自然な流れだというのです。

金持ちフリーランス 貧乏サラリーマン
3ページから引用


つまりサラリーマンが稼いだお金を資本家が山分けしているというのが実体ということです。

資本主義社会とは、サラリーマンを働かせて、資本家が儲ける構造のこと

61ページ


学校教育という構造ではサラリーマンのなり方しか教えられないのは義務教育、高校、もしくは大学を出た人からすれば既に体験済みでしょう。

ここで伝えたいのはサラリーマンも資本家も知識的な大差はないということ。

学校教育で気づいたでしょうが資本家になれないよりも「そもそも知らない」というのが結論です。

これは資本家の話以外でも重要な発想です。

他で言うなら、サラリーマンしか知らない人は起業やマイクロ法人、フリーランスという道を開く発想すらないということです。

私の人生バイブルで書かれていた好きな言葉をお借りすると知らないことは選べないのです。


この本やその他参考文献は決してサラリーマンという生き方を否定する訳ではございません。

私もフリーランスやブロガーなどの自分ペースで働く生き方が適していそうと自覚してはいるものの。
決まった給料、労働基準法、二階建て年金、確定申告の代行をしてくれる会社員という生き方の素晴らしさには毎度驚かされます(私の立ち位置もそこなので)

ただ自分の内側、外側の世界それぞれを知ったうえで " 選べる立場 " になる事は生きる上で1番と言っていいほどに重要です!!!

誰もが資本家になれる訳ではないものの、チャンスを掴み取るためのアンテナは常に張っておく意識だけはしておいた方がいいとは私も思います。




「変わる努力」を継続する

最後は私個人が驚かされた内容に触れていきます。

最初からすぐに変われないことを覚悟して、時間がかかることを織り込んで、変わる努力を継続することだ。

286ページ

人間の脳は現状維持を選ぶことが多いのを様々な所で聞かされたことがあるので理解しかなかった。

著者もP&Gでの艱難辛苦を乗り越え、確固たる地位を掴みとったとのことです。
しかし選んだのはユニバーサルスタジオジャパンへの転職でした。

P&Gの海外部署を離れる際にも「惜しい人材」というイメージだったようなので一見すると勿体無く見える選択です。

結果的に彼はUSJをV字回復させた凄腕マーケターとして有名になり、今では「 刀 」という組織を立ち上げ資本家へと転身しました。

P&Gに残る選択をしていればおそらく見ることのできなかった景色だったでしょう。


ここから学べることは人間常に成長を選んだ方が人生という旅は充実していくということ。

書いてる私も今の仕事から離れた方がいい事は承知しています。単純作業なので今の時点でも転職は厳しい部類かもしれません汗

ただ20代ラストに差し掛かったのもあって人生で最も重要な期間に変化出来ていない恐怖も襲いかかってきて焦っているのが今でもあります。

本当に恐ろしいのは変化しない事なのかもしれません。

仕事から内容離れますが、この投稿している私の習慣も初め書いたことより少しずつではありますがレベルアップしてるな〜と手前味噌ながら思いました。
すごく気分がいい。

労働どころか全てにおいて成長する事こそが素晴らしい人生を創造していくんだなと改めて感じられました。

人生、キャリアに悩んだ今出会えた本が森岡さんのメッセージで良かったと心から感謝しています。



といった所で終わりにしましょう。


この本は他にも

・年収が決まってしまう法則
・儲からない業界で資本家になる発想
・強みを見つけるための3分類
・面接受けるうえでの極意
・自分をブランド化するという発想
・著者のP&Gでの経験

上記だけでなく今回ピックアップした内容も、そのセクションのごく1部にすぎないくらい人生で大切なヒントが詰まった1冊です。

初版が2019年と書かれていたので既に学生終えていた私からするともっと早く読みたかった泣と嘆くくらい今の学生いや我々社会人にもオススメしたい1冊です。

1ページ辺りの文字ギッシリ&300ページある本なのである程度読書してきた私ですら怯みそうでした。

それでも小遣い削ってでも学生諸君に読むことを強く強くオススメできる1冊でした。

タイムスリップして就活に危機感抱かなかったノホホンな大学生していた私に叩きつけたい1冊です。
読書に興味微塵もなかった私に無理矢理読ませて目覚まさせてやりたいくらい。

ハードル高いけど普段読書しない人にオススメしたい程の名著です。

・就活の準備何すればいいか分からない。
・自分何がしたいか分からない
・高校生だけど進路とかどうしよう?
・既に社会人だけど今の人生迷ってる。
・このままサラリーマン続けていいのか?
・自分に合った選択が欲しい

など抱える学生、社会人いや全大人、全中高生にオススメの1冊です(何回いう?)







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