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教えるのではなく、楽しむ。言葉で伝えるのではなく、体と感情で全力で向き合う。

大学1年生のときから、COLEYOでインターンシップ兼アルバイトを行い、2021年の卒業後に正社員として入社。現在は『よのなか体験教室 タッチ』の教室長を務める橋本翼さんに、講師の仕事の苦労や喜び、子どもたちに接するスタンスについて、詳しく聞きました。


実家が障がい者の福祉施設を運営。社会との接点を作りたい。

—まずは、今の仕事につながっている、原体験を教えてください。

福岡県の久留米市で生まれました。実家が障がい者の福祉施設を運営しているので、小さな頃から障がい者の方と触れ合ってきました。一方で、学校では障がい者に対して、あまり正しい理解がされておらず、ギャップを感じていたのです。障がい者の方々に、社会との接点を提供することで、お互いのギャップが解消されて可能性が広がるのではないか。そう強く思ったことが、今の仕事にもつながっています。COLEYOの講師は、子どもたちの社会への興味を育むことが仕事ですから。

—なぜ、福岡から京都に出てきたのですか?

兄が先に京都に出てきていて、「京都には色々な人が集まっているから、世界が広がるよ」と言われて、僕も行ってみようかと。兄がCOLEYO代表の哲さんの大学の後輩で、そのつながりで紹介してもらいました。

大学1年のときから、インターンシップ兼アルバイトとしてCOLEYOで働いていました。僕が最初に哲さんと会ったときに、「明日、ヒマ?」と言われて、いきなり「寺子屋LABO」のアシスタントを務めることに(笑)。お寺でプログラミングのワークショップを行う講座なのですが、右も左も分からず、先輩に言われたことをこなしていました。ただ、世の中に無いものを生み出そうとする熱量をひしひしと感じて、これは面白い仕事だ!と感じましたね。

学生アルバイト時代に『無人島サバイバル』を立ち上げ

—アルバイト時代で、印象に残った出来事はありますか?

大学2年生のときです。サマーキャンプで『無人島サバイバル』のプログラムを、責任者として形にしたのが転機になりましたね。初年度は、段ボールの家を建てて、そこに住みながら様々なアトラクションを体験するプログラムでした。スーパーマーケットを回って段ボールをいただいて、みんなで運びました。2年目からは、火起こしや釣りを体験しました。ゼロから立ち上げて、収益も出さなくてはいけないので大変でしたね。初回は赤字だったのですが、改善を重ねて3回目以降は黒字化できました。

参加した子どもたちが「無人島に行ったんだよ!」と周りの友人に楽しく語ってくれたみたいで、嬉しかったです。10年後、20年後にも、無人島の思い出が記憶に残っていたら、あのときの体験が何らかの影響を人生に与えてくれたら、と思っています。

▲自らが企画して実施した、サマーキャンプの様子

—そして、大学卒業後、2021年に正社員として入社します。このときの経緯を教えてください。

就職活動では、障がい者の就労支援の仕事を探していました。ただ、なかなか上手く行かず、4年生の10月くらいまで就活を続けていて、ようやくある会社から内定をいただきました。そこで代表の哲さんに「就職決まりました」と報告したら、「話がある、、」と言われて口説かれて、COLEYOに入社したのです(笑)。

—もう1社の内定先と迷いませんでしたか?

迷いましたね。京都に来てずっとCOLEYOで働いていたので、外に出て社会を勉強したかったですし、障がい者の就労支援にはずっと興味を持っていましたから。ですが、COLEYOの方が裁量が大きく、何でも自分で決めて、自分で動ける。僕はもう少し先の将来に、自分の教室をゼロから立ち上げたいと考えているのですが、その準備としても、COLEYOで働き続けた方が近道になるかと。加えて、子どもたちと一緒に過ごすのが楽しかったので、残ることにしました。

アニメ作り、飛行機設計、ゲーム開発。24種類の「よのなか」を体験できる教室を立ち上げた

—COLEYOに正社員で入社した後は、どのような仕事を担当していますか?

入社1年目の6月から、『よのなか体験教室 タッチ』という教室の教室長を担当しています。立ち上げから携わり、講師をメインで務めていて企画にも絡んでいます。『タッチ』は、「アニメ作り」「お菓子のパッケージデザイン」「ゲーム開発」「飛行機設計」など、24種類の『よのなか体験』を提供するプログラムです。現在は120名の子どもたちに通ってもらっていて、保護者の方々とのやり取りも僕が行っています。

保護者の方とのコミュニケーションの中で、「ウチの子どもが●●に興味を持つようになりました!ありがとうございます!」と言われるのがとても嬉しいですね。最近、ニュースを調べるプログラムを開催しました。5年生の女の子と3年生の男の子のきょうだいが受けていただいて、家に帰ると「ニュースを調べてきたよ」「おばあちゃん、ニュースにはソースというものがあるんだよ」と楽しそうに話してくれたそうです。2人でiPadを使ってニュースを調べるようになって、分からないことがあれば質問するようになったとのこと。その話を聞いたときは、ちょっと感動しましたね。自分の授業を通じて、社会への興味を持つようになってくれたのですから。1回の体験を通じて、2人の人生の可能性はおそらく広がったと思います。

頭や言葉で教えるのではなく、体と感情で全力で伝える

—普段はどのようなことを心掛けて、授業を行っていますか?

第一は、僕自身が楽しむことですね。少しでもその気持ちが弱くなると、子どもたちは絶対に楽しんでくれません。授業のテーマに対する好奇心を、僕が表に出すことで、生徒も興味を持って取り組んでくれます。以前、授業内でのタイムスケジュールをきっちりと決めて、「間に合うようにやろう」と子どもたちの進行状況をプッシュしたことがありましたが、全く乗り気になってくれませんでした(笑)。「やらされ感」を持たせないためにも、いかに自分が楽しむかを大切にしています。同時に、生徒と同じ目線に立つことも意識していますね。こちらから教えようとするのではなく、一緒に問題を解くスタンスで接しています。

事前の準備にもこだわっています。机上の空論で話しても子どもたちには伝わらないので、ワークのテーマを事前に体験することも重要です。芸術の授業の月だったら美術館に行きますし、漁業がテーマのときには実際にスタッフ数名で海に行って漁師体験をしました。自分で体験したことは肌感覚を持って伝えられます。頭や言葉で教えるのではなく、体を使って全力で何かを伝えている感じですね。そうすることで、ようやく子どもたちの心が動いてくれる。そう思います。

『タッチ』で得意な分野を見つけて、日々を楽しく生きて欲しい

—橋本さんのクラスを通じて、子どもたちにどうなって欲しいのですか?

楽しく生きて欲しいな、と思います。『タッチ』の体験授業を通じて、何かをやり遂げることができれば、ちょっとした自信になります。たとえ、学校の勉強や運動が苦手だとしても、それ以外の分野で得意なことを見つけたら、毎日が楽しくなると思うんですよ。

自分が楽しむだけでなく、周りの人を受け入れられるようにもなって欲しいですね。『タッチ』には色々な生徒さんが来てくれます。ワークを一緒に進めることで、自分とは異なる価値観にも触れることができる。そこで相手を避けるのではなく、違いを受け入れることで、人間としての幅も広がるはずです。

僕自身、生徒に昔の姿を投影しているのかもしれません。兄が優秀で、親戚の中ではよく比較されていました。「お兄ちゃんはすごいね」とよく言われていたので、小学生のときは劣等感を感じていました。今思うと、心が狭かったなと(笑)。そうならないように、学校の勉強以外でも得意な分野を見つけて、周りを受け入れられるようになって欲しいと思っています。

泥臭いこともやれる講師に、生徒たちはついてくる。その先にお互いの成長と喜びがある。

—教室長として、他の講師にアドバイスする立場でもありますが、心掛けていることはありますか?

『タッチ』は合計5名で運営しています。コンテンツ開発担当が2名で、講師を務めているのが3名です。僕は教室長として講師業務をメインに行っています。タッチでは毎月の授業のテーマが変わるため、授業スケジュールを考えたり、コンテンツ開発チームが考えてくれたプログラムを、講師陣と一緒に改善することもあります。こちらから指示はほとんど出さないですね。それぞれの講師の色がクラスに出るので、僕の色を混ぜたくないのです。講師自身の色を出すことで生徒にも伝わり、唯一無二の体験が生み出せる。学生アルバイトの講師も1名いるのですが、基本的には任せています。僕が『無人島サバイバル』で感じた苦労や喜びを味わって欲しいから。生徒に対して新しい体験を提供することは、講師自身にとっても新しい体験になる。それは自分で生み出すしかないですし、だからこそ、この仕事は面白いし奥深いのです。

—最後に、どういった人と一緒に働きたいか、聞かせてください。

率直に言えば、泥臭いことを厭わない人ですね。子どもたちに新しい体験を提供するのは、簡単なことではありません。『無人島サバイバル』では、段ボールを近所のスーパーでいただいて自転車で運びましたし、ワークの一つひとつの要素を事前に準備するのも大変な作業です。COLEYOもまだまだこれからの会社ですので、充実した環境が整っているわけではありません。そのような中でも、新しい体験を生み出しながら、収益もきちんと上げる必要があります。

「人に教えるのが好き」「子どもたちの笑顔を見たい」という思いだけでは、難しい仕事かもしれません。ですが、講師が頑張っている姿に感化されて、子どもたちも頑張るのは事実です。泥臭いこともやれる講師に、生徒たちはついてきますし、その先に講師としての成長と喜びがあります。他の教育系の会社では得がたい経験が、COLEYOでは積めるのは間違いありません。


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