【連載小説】見える二人②
二件目 分かんない 午前8時、伊月は昨日の仕事のこと、木下とのことを思い出しながら、会社へと向かった。伊月が会社に着くと、木下はすでに出社していた。
「おはようございます。」
「あっ、おはよう。よかった、伊月くんは来てくれた。」
「あの、来てくれたっていうのは。」
「いや、昨日の仕事見て、次の日から来ない人とかいるから。」
伊月は少しだけ、自分のトラブルを起こしたくないという性格を恨んだ。木下は会社の奥にある棚の前にいた。
「木下さんは何してるんですか。」
「昨日の仕事の内容