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【企画】夜行バスに乗って

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2024.3月に行われた企画の収納マガジンです。 夜行バスに乗って新宿に向かう人々、見送る人々、あるいは……!! 珠玉の note クリエイターが描く、春の群像劇をどうぞみなさま…
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#夜行バスに乗って

【新企画】夜行バスに乗って〜20字以上の小説募集〜

「春と風林火山号に乗って新宿に行こう!」 そう書かれたポスターは春色のデザイン。 運転手の「乗合 春」に合わせて可愛らしいポスターに仕上けたと信玄似の社長が笑っていたっけ。 この春、帳面町から出発する「風林火山号」で、私もいよいよデビュー。この日に向けてたっぷり研修してきたんだもの。きっと無事に乗客の皆様を新宿まで送り届けられるはず。 春は旅立ちの季節だから、どんな人が乗ってくるか超たのしみ。 私は鏡に向かって紺のネクタイをキュッと締め上げ、ニッコリ笑顔を作る。 どうせ

SS 夜に走る【夜行バスに乗って】豆島圭さん企画参加作品

 夜行バスに乗ると疲労気味の運転手がうつむいていた。バスの運転は激務と聞いている。心配だ。 (事故が起きたら……)  薄暗いバスの通路を歩くと座っている客は外国人が多い。田舎の研修場から都内まで逃げるつもりなのか。  その時に眼のすみに奇妙な人間を感じた。夜行バスのトイレの横の席で、フードをかぶった男? が座っている。外人なのかもしれない。  激安の新宿行きのバスだ。どんな奴が乗っているのか判らない。一番後ろの席に座ると眼をつむる。 xxx 「……サービスエリアに

短編小説 | スタートライン

 集合場所に集まった全員、メガネだった。夜行バスだからね、こうなるわなと最初に言ったのは隼人だ。ワックスをつけていないせいか、いつもより髪がさらさらして爽やかに見える。華のメガネ初めて見たかも、と言って私のメガネをひょいと奪った優里に、マジでやめて、見えないから、と返すよう催促する。湊おせえな、と隼人がスマートフォンをいじりながら言う。湊が時間通りに来るわけないじゃん、と言いながら優里は、手鏡を持ち、ひっきりなしに前髪を撫でている。そのとき、突然背後から声がした。湊、家出るの

会いたい人 #夜行バスに乗って 企画参加作品

・帳面町からバスタ新宿までの夜行バス ・① 「4B」の席には 10代後半~20代くらい?男性? (フードを被ってマスクをして いるのでよく分かりません)が 出発直前に乗り込みます。 ・夜中の2時過ぎ、サービスエリアの 休憩中に座席に座ったまま、 ある物を床に落とし慌てて拾い上げます。 それは「拳銃」に見えました。 ※ ※ 企画に参加させていただきました。 これで大丈夫でしょうか? ( •̀ - •́;)ドキドキ #夜行バスに乗って

帰るためにバスに乗る【#夜行バスに乗って|豆島圭さん企画】参加記事

豆島圭さんの企画【#夜行バスに乗って】参加します。お題としてお借りし、後は独自設定にて。 夜行バス。冬の北国のそれは、休日前とは言え閑散としていた。早く暖かくならぬものだろうか。待合室で両手をこすり合わせる。 「どちらまで行かれるの?私はね、孫夫婦に会いに行くのよ」 話し好きそうなご婦人が、隣から俺に声を掛けてきた。実家に帰る旨を告げると「そうなの。それはご両親がお喜びでしょうね」と笑顔が返された。 喜んでいてくれるのだろうか。こんな俺を待っているのか、2人は。しばし

【創作】旅立ち #夜行バスに乗って

 こちらの企画に参加です。サムネ画像は「スズムラさん」の作品をお借りまました。 https://www.canva.com/design/DAF-bsmvlYQ/8Mv_yaE29uGzV7gRCRHCmg/watch (本文 ここから)  バスが到着し、待合室に居た人々は皆無言で自分の荷物を手に立ち上がった。智恵子が時計を見ると時間は20時55分だった。ほぼ時間どおりに出発できそうなので安心する。  バスから降りてきた運転手は若い女性だった、雨は降っていないものの、遠く

無理しないで、元気でいてね #夜行バスに乗って

豆島 圭さんの企画に20字小説(6話)で参加させていただきます。 ① 最前列の席を買った。俺は、生まれ変わる。 ② 出発。誰かの視線を感じる。気のせい、か? ③ 間違いない。見られている。この中の誰か。 ④ 何か落ちる音。アレは……!アイツなのか? ⑤ なぜ俺を見る?見るな!アイツからやるか? ⑥ バスタ新宿。結局、俺は何者にもなれない。 #夜行バスに乗って #バスジャック未遂 #君の事など誰も見ていない #見送る母の祈り #20字小説

初体験 #夜行バスに乗って 企画参加作品 #お題【突然の猫ミーム】 #毎週ショートショートnote #ショートショート #春と風 #シロクマ文芸部 #胸アイ

春と風土料理を堪能し 笑顔の少女2人。 これから初めて夜行バスに乗る。 サービスエリアが楽しみで ウキウキしながら 血生臭さい服を脱ぎ捨てた。 彼女達は暗殺者。 ルナは現場にいた子猫を抱きながら 猫吸いを始めた。 そんな様子をカヲルは スマホで撮影する。 ピンク髪のツインテールの少女と子猫。 ダブルで可愛い♥ 突然の猫ミームに発生に スマホで連写する。 SNSに乗せればバズり確定だが 投稿するわけにもいかない。 「子猫連れて行きた〜い」 「だめです。ちゃんと保護施

【創作】お祭り大魔王の初舞台~座席3A~

春と風邪って何か関係あったっけ?と疑うほど毎年この時期になると鼻水が出てくしゃみが止まらなくなる、なんて思っていたらただの花粉症だった。 明日、夜行バスに乗って東京へ行くのにもし流行病だったらと心配して念のため受診をするとあっさりとそう診断された。 実は前から懸念はしていた。けれどその事実を認めたくなくて頑なに受診を避けていた。でも今回ばかりは花粉症の診断に安堵していた。例の感染症だったのなら東京に行けないところだった。 安心して気が緩んだからか、ずっと堪えていたくしゃみ

新宿に向かう人々 #夜行バスに乗って 企画参加作品 #お題【突然の猫ミーム】 #【据え膳の猫ビーム】 #毎週ショートショートnote #ショートショート #春と風 #シロクマ文芸部 #胸アイ

春と風に舞ったピンク色の花びらが 夜のサービスエリアを彩る。 休憩毎にご当地の お土産を大量に購入する 私達は、大きいビニール袋を 抱えながら戻る。 が、突然の猫ミームで 猫モード突入のルナは サービスエリアで猫を見かけては 「撫でさせて下さい!」 と飼い主にお願いしていた。 その度にスマホで 写真を撮ってしまう 私も私だが(笑) 夜行バスの発車時刻ギリギリまで 据え膳の猫ビームを浴びている ルナをカヲルは引き剥がして、 引きずりながらバスへ戻る。 拳銃を持っている

夜行バスに乗って。

帳面町の片田舎から新宿へ。 僕は東京へ行く。帳面町から僕の存在を消すために。 僕には妙な力がある。 人の心の声が聴こえるんだ。 この能力にだいぶ参ったけれど、蓋をする事を覚えてからは心が保てるようになった。 今ではコントロール出来るようになって狙いをつけた人だけの声が聞けるようになった。 確実に異能力だ。それを人に言ってしまうと僕は孤立することがわかったから誰にも言わない。 帳面町から逃げるように東京へ行く。 僕は……町の人から気持ち悪がられているから。 20:45 早

[ 置き土産 ]:夜行バスに乗って

※有料マガジン「みかんのおはなし」(1980円)をご購入で、すべての有料のお話が読めるようになります。 ↑こちらの企画に乗車しました〜 ちゃちゃっと書いたので、出来栄えは、まぁ、いつもと変わらんか😆 ショートショートです〜 [ 置き土産 ]  あ、今落としたの  アレ拳銃だったねぇ  ま、ホンマもんじゃないだろうけど  でも、最近の若いもんは、何を持ってるか分からんからなぁ  一応、運転手に言っといた方がいいかな  あ、でも、まぁいっか  どうせロクでもな世の中だ  最

¥300

不安 #夜行バスに乗って 企画参加作品

・帳面町からバスタ新宿までの夜行バス ・① 「4B」の席には 10代後半~20代くらい?男性? (フードを被ってマスクをして いるのでよく分かりません)が 出発直前に乗り込みます。 ・夜中の2時過ぎ、サービスエリアの 休憩中に座席に座ったまま、 ある物を床に落とし慌てて拾い上げます。 それは「拳銃」に見えました。 ※ ※ あれは 夢か幻か。 平和な世界線。 ※ 企画に参加させていただきました。 #夜行バスに乗って

#夜行バスに乗って 企画参加作品|

1牧野詩織  春と風林火山号に乗って……と、ポスターには書いてあった。どういう意味だろう、と思っていたら、運転手さんの名前が乗合春さんというらしい。それがわかったとき、私は運命めいたものを感じた。私の娘の名前は、春香というのだ。春香のために、春さんの運転するバスに乗る。そんな偶然にあやかりたくなるほど、今の私は緊張している。  空気の冷えた三月の夜、ターミナルには同じバスを待つ人々が並んでいる。学生らしい複数人の男女、ピンクのツインテールが艶々した美少女、くたびれた様子の中年