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やさしいひと

 ※シザーハンズネタバレ注意!





 映画「シザーハンズ」をみました。ジョニデとティムバートンの組み合わせは良いですねえ~。これのほかにはチャーリーとチョコレート工場しか見たことがないので、ほかにもジョニデ×ティムバートン見てみたい。

↑チャーリーとチョコレート工場感想 よかったら見てねん



 主人公のエドワードシザーハンズは、その名の通り、手が「ハサミ」になっています。長年お城に住んでいて、外のことは何にも知らなかったけれど、たまたま化粧品販売員をしているペグと出会い、外の世界を知ることになる。


 ペグが、「うちにいらっしゃいな!」と言った時は、あまりの展開の速さに思わず吹き出してしまった笑 
 え?!?!?!!手がハサミなんだよこの人?!!しかもなんかパンキッシュな見た目だし??!!怪しすぎるよ???って突っ込んでしまった。


 まあ、こんな親切(?)なペグにひろってもらえたことが、エドワードの最大の幸運ですね。


 ペグには家族がいて、夫のビル、娘のキム、息子のケヴィンの四人家族。ビルもケヴィンも割とエドワードに友好的ですが、キムだけが、「何こいつ?!!」という反応。多分、自分がいない間に、手がハサミの知らん男に部屋が使われたからだと思う笑

 ちなみに、キムのベッドはウォーターベッドになってるんですけど、最初ウォーターベッドのこと知らなくて、エドワードと一緒に驚いてました。ベッドに水とかあり~?!と思って調べてみたら、整骨院でも使われてるんですね。世の中には知らないことがまだまだあるなあ。


 しかし、エドワードはそんなキムのことが気になっちゃう。つんけんするキムをみて、たじたじになってるエドワードがかわいすぎる。


 でも、エドワードの手は刃物だから、人を傷つけてしまうことがある。うまく使えば、庭の剪定、ペットや人間のヘアカットに利用できるけど、ちょっと間違えば、人の信用を失う結果になってしまう。そのせいでエドワードは、周りの人の反感をかってしまう。(まあ、元凶はジムっていういやな男なんですけど)


 警察沙汰になってしまい、逃げようとするエドワードはますます周りの人を傷つけてしまう。最終的に、周りの人は「エドワードをやっつけろ!」という風になるのですが、一緒に過ごすうちに、彼のやさしさに触れ、好きになっていったキムは、エドワードをかばう。


 結局エドワードは元の城で暮らすことになり、キムとはもう二度と会うことはなかった。


 でも、キムもエドワードもお互いを忘れることはなかった。エドワードは、冬になると氷で天使の彫刻を作り、街に雪を降らす。それを見て、キムは、「エドワードはそこにいる」と毎年確かめるのだ。


 ちょっとほろ苦いハッピーエンド。でも、人間のやさしさがわかる素敵な映画だと思います。



 もちろん、人間の良さも伝わってくるけど、それと同時に、人間の愚かさも見えてくる。

 最初、街の人たちは、エドワードのことをいいように使っていた。庭の剪定、ペットのトリミング、ヘアカット。しかも、お金は一切払わない。お菓子とか飲み物とかをあげる人はいたけど。エドワードも、社会のことは全然分からないので、皆が喜んでくれるなら!と一生懸命働いていた。ちゃんと彼にお金が行くようにしようと考えていたのは、ペグの家族だけ。


 そして、エドワードが事件を起こすようになると、たちまち手のひら返し。しかも、彼がわざとやってるんじゃないのに。


 彼は、急に冷たくなった周りに困惑し、自暴自棄になって、さらに騒ぎを起こしてしまう。そんな時、キムが「私を抱きしめて」という。傷つけてしまうのでは、と彼は恐れたが、キムはエドワードの腕を自身の体にまわす。ここが好きなシーン。それから、エドワードが降らした雪の下でキムが踊るシーンも。



 やさしさはあるのに、人と違うというだけで、孤立してしまうことがある。周りに迷惑をかけてしまうんじゃないかと、自分を表現できないこともある。でも、そのやさしさがあれば、きっと誰かが見ていてくれる。手を差し伸べてくれるはず。


 この映画のラスト、エドワードのことを考えると悲しい。だって、一度外の世界にでて、ペグやキムの暖かさに触れてるんだよ?!それを経験したうえで、もう一度あの独りぼっちの世界に戻るなんて・・・。つらいよ・・・。しかも、エドワードは人造人間なので、年を取らない。キムが死んでしまっても、彼はずっと、街に雪を降らせ続けるのだろうか。


 でも、キムに会いに行かない、ずっとここで暮らす、と決めたこと自体が、エドワードの心の清らかさを一番表しているとも思いました。


 正直者が馬鹿をみる、とよく言いますよね。人間関係の中で、いい人でいる努力なんてほんとあほらしい、と思うことはありますが、それでもめげずに、できるだけいい人でいたいな~と思いますね。



 それでは、この辺で、さようなら。

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