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姑、および子育てについて思いを巡らせる 2

僕はゴルフが大好きである。


ゴルフというのは
多くの漫画や映画、ドラマで描かれている通り

プレーヤーや趣味にしている人の
治安が非常に悪いスポーツである。


お金だけ持っている下品な人や
ゴルフ場や一緒にプレーする人
たちへの敬意を欠く人も多いし、

アクセサリーやステータスの一種として
扱って行っている人も多い。


そういうメンタリティの人が
集まりやすい性質の趣味なのだろうし、
そういう人たちでも続けられてしまうくらい
ある意味では結構チョロいことなのである。


そういう部分も
全部ひっくるめてゴルフを愛しているかと言われると
ぜんぜんそんなことはない。


さてそんな話は置いておいて
そんな無法地帯のゴルフであるが、
いくつか
「これは守っておいた方が無難だぜ」
みたいなルールも存在する。


ひとつは
「普段の生活で左利きでも
よほどの違和感がなければ
ゴルフにおいては右利きで行え」
である。


レフティとなると
クラブの選択肢が非常に限られてしまう上、
練習場での打席も数が少ない。


要するに
プレーしたり練習したりするとき
余計なコストを要求されがちになるから、
ということだと思う。



実際のところ
有名なプレイヤーで左利きというと
日本では羽川豊プロと
海外ではフィルミケルソン選手くらいしか
僕は思い出すことが出来ない。


なんでもマスターズの舞台
オーガスタはレフティが有利だそうだが、
オーガスタのことだけを考えて
ゴルフをはじめて続ける人はそんなにいないだろう。


(僕は女王アニカソレンスタムが
愛息にレフティでのプレーを許しているのは、
オーガスタを見越してのことだと思っている。
アニカソレンスタムはそのくらい
賢くて精神の強い恐ろしい女性なのである)



先日、夫が
「母親の発言を
家族全員が無視するのは
日常茶飯事ではあるんだけど、
中でも場が特別に凍った」
として話してくれたのが、


義母による
甥っ子姪っ子の育児への口出し
衝撃エピソードである。



「Aちゃん、
ふとしたときに左手を使うよね?

左利きだけは絶対に直した方がいい。


世の中の道具とか
家の建具とかは
全て右利き向けに作られている。


だから左利きは
必ず矯正すべき」


と、夫のきょうだいが
相談したわけでもないのに
演説し、断言したのだそうだ。



さすがに
義父も夫もきょうだいも
シーーーーーンとなって、
雰囲気が悪くなったらしい。



そんな、性格の悪い婆の
見本みたいなことを言う人、
実在したんだ……
というのが僕の感想である。




産んで育てている親が
「利き手を矯正したほうがいいかな?」
だとか
「矯正したほうが今後生きやすいかも」
とか相談なり意思決定なりをしてこない限り、

口を出すべきではない
のは当たり前というか
人としての常識だと思ってたよ?


ていうかそんなことしてるのに
この間僕を
○○だとか○○だとか○○だとか
罵ってきてたの? どしたん?



実は僕は左利きだが
周囲から「左利きは下品」だとか
わけわからんことを言われ
追い詰められた気の毒な母から、
右利きにするよう矯正を受けたことがある。


結局、自身のアイデンティティである
絵を描いたり字を書いたりすることは
利き手を死守したい僕に母が根負けし、
食事関係だけ右利きとすることで落着
以降僕は両利きとして生活している。



冒頭のゴルフについても
誰に何を言われるまでもなく
右利きで行っているし、
特に違和感もない
(腕前が上達しないのは
利き手以前の問題であるからして)。


義母の言う
ドアのノブや取っ手などが
右利き向けのつくりだから、
開け閉てするのに不便だなあと
感じたことは記憶の限りでは皆無である。


小学生の時
隣の子と肘がぶつかるのは
不便だったかもしれない。
あと、字を書いていくとき
左利きだと紙の構成上
手のひらにインクがこすれ
汚れることが多かった。


確かに、このあたりは
本人もいちいち気になるだろうし
育てている親御さんにとっても
気になるポイントになりうるかもしれない。


ただ、
現代は子どもの数が少ないから
机をぴったりつける配置もそうないだろうし、
字を書くことも一時気になるが
小学校を卒業するころには忘れるくらいだろう。


左利きの人はみんなそうかもしれないが
意外と右利き向けの常識に
勝手に順応して暮らしていけるものなのである。


なにより
「子どもが左利きなのは下品、
良識ある親なら矯正すべきだしできる」
ということを
周囲から押し付けられて
追い詰められていた母のことを思い出すと、
可哀そうになあと思う。


生真面目な母は、
「うるせえほっとけ」
と言い放つこともできなかっただろうし
左利きはよくないことだと断言され
狼狽もしただろうと思う。


そして当の娘が

ぜんっぜん言うことを
聞かないのである。


すっげえ生意気に
反抗したんだろうな~と
記憶にはないが
容易に想像できる。



周囲からの圧力と、
娘からの反応が合わさり
自身のことを駄目な母親と感じて
落ちこんだりしてしまったのではないだろうか。

気の毒すぎて言葉が出ない。


だから子育てに
他人が口出すもんじゃないって
僕は言ってんの。


まあ
こんな僕の経験談を話して
義母に「左利きはそんな不便じゃないし
欠点てことでもないすよ」なんて
話しても時間と労力の
著しい無駄だろうから絶対やらないが。


(夫のきょうだいも
義母の狼藉には慣れているので
利き手云々、それ以外の
子育てへのあらゆる口出しも
うまいことスルーできているだろうから
僕がしゃしゃり出る必要はないのである)


それに左利きだろうと
右利きだろうと
腕のいい外科医は両手で
結紮とかできるみたいだから、

どうでもよくない?

ちっちぇ話だぜ。

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