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人の懸命を嗤うな


僕が義母と確執を抱えていることは
以前にも書かせていただいたから、
改めて説明するまでもなく
ご存知の方もおられるかもしれない。


きっかけは新居を建てる前、
義母から間取りや設備について
かなりの干渉を受けたことだった。

お前の家なのか?
違うよな?
関係なくね?

みたいなことを

2~3日にいっぺん、
LINEメッセージで
5~10件だらだらと
送ってくるのである。


しかも
納得のいく返答をしなかった場合
失格となり、
また同じことを数日後に訊かれる
という罰ゲーム付きである。


キチイ~




執拗な連絡が半年以上続き、
僕はついにぷっつんした。


義母と会うときに
彼女の目を見て挨拶が出来なくなったのである。

そうしたら義母は

「目を見て挨拶できないなんて
なんて失礼な女なの?
そんな女が妻だなんて
あなたの社会的立場が心配になる。
ちゃんと礼儀を教えておきなさい」

と夫に言ってきた。


パワフル!


今まで義母のことを
(うぜーな)と思いながらも
大切な夫の母親だからと
尊重してきた自分の行いは
全て無駄だったとわかり、
ものすごく傷ついた。



おそらく義両親は
注文住宅を建てる経験を
することはないだろうから、
蚊帳の外におかずに
なるべく一緒に体験させてあげよう。
と思って
あれこれ連絡していたのである。

そのせいで干渉を受け、
僕は建てている家を
自分のものと思うことが出来ず
非常に苦痛だった。


それでも、夫の母親だから、と
懸命に望みをつないで接してきたのである。



そんなケチなこと言ってくるんじゃ
こりゃ「わからせる」しかないすね

戦じゃーーーー!!!

と冷静に本音で話し合おうとしたところ、

記載するのもためらわれるような
身の毛もよだつ暴言を受けた、
というのが事の顛末である。


その後
僕たち夫婦は非常に怒っていたので
義両親と接触するのをやめていた。


しかし義父から
さみしいというようなメッセージを受け、
これは応えるのが子どもでしょう!
と連絡をとり、少しだけだが
義両親と会う機会があった。


衝突以来、
義母は「僕のことを露骨に避けつつ
小声で嫌味を言い続ける妖怪」
みたいになっており

(夫にこれを言ったら
「妖怪に失礼だよ」との返答を受け
さすがサイコパス……と感嘆した)、

今回会ったときもそうだったわけだが


義父の言動から
「あいつは不愉快だけれど
放っておいてね。さ、話そう」
「さくらさんのテリトリーや
気持ちを傷つけることはしないからね」
という
とても温かで辛抱強い気遣いを感じ、
心がぐらぐらと揺れた。


必死に息子夫婦との縁をつなごうとする
義父の姿に、胸を打たれたのである。


背景には
義父が年齢を重ねて
温厚になってきたことや、
他の子どもたち夫婦とも
疎遠がちなことがあるのだろう。


僕たち夫婦には子どもがおらず
今のところつくる予定もない。

要はジジババヘルプを求めていないから、
ここで義母との不仲を放置してしまったら
本当に縁が切れてしまうということを
非常に賢い義父のことだから
よくよく承知しているのだと思う。


義父からしたら
「もう少し嫁として
この姑に辛抱してくれたら嬉しいな」
「こいつめちゃくちゃ口悪いな」
とか、僕に対して不満とか
たくさんあるだろうに、
それでも僕の気持ちを尊重して
絆を結ぼうとしてくれる姿に

親の愛情とか
懐の広さとか


同時に
哀愁とか
情けなさとか

そういったものを感じ、

今非常に動揺している。


こんな風に懸命にかかわって
向き合ってくれてる人のことを、
嗤ったり、軽視したりできるか?

できるはずがない。


例えそれが
僕たちの必死を嗤い、
軽んじて踏みにじった人の夫だとしても。


僕はたぶん
夫の両親のことも
家族だと思い始めているのだと思う。






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