私というASDの女性の恋愛観の一例と経験

タイトルの通り。前提としてこれは一例に過ぎない。ASDが発覚したのは最近だが、振り返ると恋愛観もジェンダー観も恐らく一般的とは言えないと思ったので記載する事にした。
私は恋愛に興味がない…と思う。多分した事がない。

小学生の頃、私を含めた男女2人ずつの組み合わせでよく話していた。その内の一人の男の子の事を周囲から「好きでしょ」と言われ、言われるがままにそうなのかなあ…と何となく意識してしまった。しかし今思えば違ったと思う。確かに彼のことは大好きだったが、友情から愛の種類を変えていない、純粋な友愛だったように思った。

中学生〜現在まで、そういった浮いた話ほぼない。ジェンダー観も中学生辺りから変わり始めた。
当時は男の子になりたかったし、女の子同士の探り合いやしがらみが嫌いだった。しかし、身体はどんどん女性らしくなって、でも性転換する程ではなくて。ジレンマがとんでもなかった。
高校までエスカレーター制だったので、最後まで馴染めなかった。当時の数少ない友人たちとの関係は断絶した。私と関わるのが申し訳ないと思ったからだ。

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・初めて告白された経験



唯一恋愛が絡んだのは最近だ。とある男性に長文メッセージにて告白された。相手は一度話したきり程度。仲良くなりたいから連絡先を知りたいと言われたので、無碍にする理由もなく教えた結果だ。私が全ての人に対して平等に接する事を心掛けていた事も要因の一つと思われる。現在、今後はもう少し警戒しようと反省している。

交流もなく顔見知り程度の、ほぼ眼中にない相手からそこまで想いを寄せられる事に酷い不快感を覚えた。また好きになった理由も分からないとの事。そして、私はファッションやメイク、体型や髪型など、外見にかなりこだわる。相手はお世辞にも私の価値観に合う外見ではなく、むしろ無頓着かと思われる。人に付き合ってと言うには対象の観察、分析、行動の全てにおいて努力不足だと思った。

仲良くしたいと言った割には初回に話した以降、直接その人と会話する事はなかった。アプローチも探りもなかったのだ。私はその人に対して、人としてそもそも興味がなかったのだ。

私の事を知ろうともしない、合わせる気もない。その上でありのままの自分を好いてもらおうなどと図々しさも甚だしいと激しい怒りを覚えた。私の感情、状況、視点を全く考えていないし、0.1%でもワンチャン押せばいけると思って告白したならとんでもない勘違いだ。恋愛感情以前の問題だし、率直に言うと、「テメェナメてんのかクソが!」と思った。
私は昔から外見で柔和な印象を持たれがちだが、実際は全然優しくない。現在は冷淡と言われがちな自身の特性を埋めるために努力している。振る舞いもなるべく明るく、コミュニケーションの場において話題も提供するし適度に自己開示もする。だから勝手に勘違いされたのだろうが、実際の私の粗暴、冷酷、理詰め、嫌悪対象に対する攻撃的な性格を知る気があったのだろうか?そもそも普通、相手が恋愛に興味があるか、既にパートナーがいるか等を探ったりしないか?

とても悪い言い方をするが、私は軽薄で衝動的な人、考えない人、感情論は大嫌いだ。よって私のジャッジとしては、もう人としてありえない。
逆上されたら嫌なので、男性は恋愛対象ではないと断った。
もっと男性が嫌いになった。最早ちょっとしたトラウマである。

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現在、様々な経験則から男性全体がうっすら嫌いである。しかし女性が恋愛対象かと言われると恐らくそれも違う。男性嫌いとは矛盾するが、そもそも性別に偏見を持ちたくないのだ。

そしてやっぱり恋愛にそこまで興味はないのだろうと思う。むしろ、この世に私と合う人間が少なすぎる。そういった方と出会える縁があれば友人でもパートナーでもちょっとした知り合いでも、関係性は何でもいいし、性別は問わない。

でも、古くから「恋は盲目」という言葉がある。我を失ってしまうほど、狂おしいほど愛おしく相手を想い、また想われる事に憧れのようなものはある。恋愛がメインでなくても恋愛要素の絡むアニメやドラマ、ゲーム、etc…はよくある。そういったコンテンツのキャラの感情を分析し、解釈するのが好きだ。そういった事から恋愛への概念は頭では充分理解している。だから、想いの通じ合った相手と過ごす事は特別だろうな、と思う。どんなに幸せなのだろうと思うが、経験がないので皆目見当もつかないし、特に縁もないだろうと考えている。

ずっと肉体と性自認は合致していて、しかし何となく満足していないという状況だった。当時は知識不足だったが、今は理解が進んで的確な言葉が認知されたように思う。
今はシスジェンダーとXジェンダーの間くらいの半端者だと認識している。私からしたら別に重い話でもないし、これはこれでいいのだと思う。でももしそういう話になった時に説明が面倒だとは思っている。