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こころを整えるには、誰だって、一人になる時間が必要だ。

先日、雨が降った日。
朝通勤していて、大きな駅で乗り換えようとホームから階段を降りている途中、下から5段目くらいだったかと思う、
濡れていた階段で足がつるっと滑って、

ぎゃー!こける!!

と思ったところ

おっとっと、、、という感じで不思議に身体が立ち直り、普通に歩いて降りた。

あれ?
派手にこけて青アザできるとこだったよね、いつもの私なら。
やったー!だいぶ体幹が鍛えられてきたかもしれない、と嬉しくなったのでした。

ピラティスをはじめて、もうすぐ11ヶ月。
疲れやすく、頭痛が絶えない身体をどうにかしたくて、月10日ほど、こつこつ通ってきました。

ピラティスって、
背骨自体を動かして骨の位置を整える動きと、
ぐらっと揺れてもぶれない体幹を鍛える動きがあって。

身体がぐらついても元に戻れる身体になったことにしみじみ感動。

そして、

"ぐらっとしても中庸に戻る"こと、

身体と同じように、
こころもそうできたらいいなぁ、
と思ったのでした。


わたしはこころを整えるのが苦手で、
何かあると、もやもや振り回されがちで。

辛いときはもっぱら夫に話を聴いてもらうことが多いのだけど、あれこれ言うのは一回だけと決めている。

(何度も口にすると心により刻まれてしまうので、できればある程度振りかえったら忘れたい)

それでも自分の中で消化できない時には、
本を読むことが多いです。

これはその本のうちの一冊。

「海からの贈物」/アン・モロウ・リンドバーグ

大西洋単独飛行を成功させたリンドバーグの奥さんにより書かれた本で、
アンさんご自身も飛行家であり、5人の子供を育てた母でもあり、
いわゆるワーママの先駆けだったのだと思う。

離島で一人で休暇をすごすストーリーのなかで、
恋愛~結婚~出産~中年期に差し掛かる
女性の人生を振り返りながら、
いつも誰かのためにと奔走し、様々な雑事で振り回される女性が、そんな日常の中どうやって自分の軸を整えていくかが
美しい文章で綴られています。

章のタイトルは全て貝の名前になっていて、
海辺で拾ったいろんな貝殻に女性の人生を例える比喩が秀逸で美しく、自分も一人静かに離島に休みに来て、貝を手に、アンさんの語りをそばで聴いているようなおだやかな文章。

けっこう昔(1955年)に書かれているけれど、
書いてあることは今のことじゃないかと思えるほど、古さを感じさせず、
自分のことが書いてある!と思える。


揺らいでも元に戻れる自分でいることが
ひいては周りの人の幸せにもつながるということ。

そのためには、数分でもいいから、一人になる時間が必要だということ。

美容室や買い物や人付き合いなどなどよりもまず優先した方がいいくらい大切なことなのに、
ついつい後回しになってしまいがちなこと。

自分が自分の気持ちをちゃんとつかめていないとき、もやもやしたり、イライラしたり
人へ優しくなれなくなったりしてしまうこと。


アンさんのストーリーを読むと、
今の自分の状況を客観視できる。

普段なんもしてないように感じるけれど、
家族のこと、仕事のこと、自分のこと。
よくがんばってるよなぁ、わたしなりに。
と思える。

人生のエッセンスがたくさんちりばめられていて、ほんとそう!!!と膝を打つ部分と、
正直、まだ理解できてない部分があって。

きっと、人生の課題をひとつづつ乗り越えられたときに、少しづつ分かってくるのだろうなと思う。

人生のその時々で味わいたい、
深く余韻のある本です。

海へ旅する時、お供に連れていきたいな。


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