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職場ランチから抜ける勇気をくれた『吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる』

今の職場で働いて4年半になりました。

私は社員ではなく、外部の人間なのですが
社員さんのご厚意で最初の頃から社員さんたちと私は複数人で一緒にランチをしていました。

皆さん明るいし、あまり陰口みたいのはないしで、楽しい時間ではあったのですが、
3年目頃からそれがだんだん苦痛になってきて、ランチは一人になりたいと思うようになってしまいました。


社員と社外の人間、という立場の違いから、
対等に話せるわけではないので、
基本的に社員さんの話を、相手を立てつつひたすら聞く、という時間になってきてしまい、

興味のないドラマの話であったり
経済的にも使えるお金がとても違うことや
会社の内情など立ち入れない話もあり、
気を使うことが増えてきてしまったのです。

また、深く知るほどにそれぞれのお互いの価値観の違いがわかるようになり、
あまり共感できないな、と思うことや、
もっと近づくと苦手になりそうな方もいて、
距離を取りたいなと思うように。

しかし、一旦グループになってしまっていると、そこから離脱するのはなかなか難しく、
たまたま一人ランチになった日はほっとして
あまりの気楽さに、ああ、もうずっと一人で気ままにのんびりと過ごしたい!と思うようになってしまいました。

ずっともやもやしていましたが、
ある時えいや!と勇気を出し、
体調を口実に抜けることを伝え、
(完全なる嘘ではないものの、後からこの口実はあまり良くなかったと後悔するのですが)
それからは基本的に一人でご飯を食べるようになりました。

半年くらい経過したけれど、
途中微妙な空気が流れたりしながらも、
最近は一人で食べるキャラができあがり、
おかげさまで今はのんびりとしたお昼休みを送っております。


とはいえ、
抜けようかなどうしようかな、
角がたつよな、
せっかく仲間にいれてくださっていたんだし、
でも苦しいし、
というモヤモヤ期はかなり長く、
1年くらい続いたでしょうか。

夫や親にもぼやいてきたので、
周囲に迷惑をかけ本当に申し訳なかったのですが、
最後はこの本が勇気をくれました。

『吉本ばななが友だちの悩みについて答える』/吉本ばなな

この本は私がとっても頼りにしている本の一冊で、読者からの36つの悩み相談に対してばななさんが回答しているのですが、

個別の状況は自分とは全く関係ないと思っても、その答えに含まれるばななさんの人間関係の捉え方が本質をついており、とても役に立ちます。

例えばママ友問題で悩んでいる質問への回答が、子どものいない自分にも、すごく為になったりする。

仕事の人間関係にまつわる悩み回答も多くあり、

・仕事というのは自分の経済に関わるものだから、そこでの人間関係にトラブルをきたすと非常に苦しく、しかしすぐに逃れることが難しいので、慎重に接するべきこと

・職場は友達作りの場所ではないということを自覚すること

・つまらないなと思っている会に
惰性で参加することは
相手に対して失礼だということ

・離脱したければ、気持ちよく断る術を身につけること

・本当の人間関係を作ろうと思ったら、相手を便利使いしないこと

これを読んで決心がつきました。


ランチのグループから離脱することで
一時的に波風を立てるかもしれないけれど、
そして嫌われるかもしれないけれど、
相手に失礼なことをし続けるほうが失礼だし、
そんなことでストレスをためて
自分に、そして自分の家族に、ストレスを与え続けるのはもうやめよう。

そしてばななさんの

人間関係は移ろうもの、
それを固定しようとするときに無理が生じて、トラブルになりがちだという指摘も勉強になりました。

移ろうもの、と思っていれば
今、その時の出会いやその時間を思いっきり楽しみたいと思えるし、
ある特定の関係に変に執着せずにすむ気がします。
自分の気持ちが変わることも、また、自然なことだなと思える。 



今回、口実はあまり良くないものだったので
多少なりとも皆さんをきっと傷つけたかもしれないのですが、 
仕事では普通に接しているので、
実際仕事で困るようなことはなく、
またみんなのことが嫌いだから離れた訳ではないというのはなんとなく伝わっている模様。
思ったほど怖いことにはならなかったです。
 
あまり器用にできなかったのですが、
これも練習、いい経験となりました。

人にも、自分にも優しい距離を
さりげなくとれる大人になっていきたいな。


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