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俳句「葬ののち」(無季語)

葬ののち書斎に祖父の匂ひあり

亡き祖父を見送った後、帰路に着き書斎に入った私。主をなくした椅子と書棚の静かなこと。葬儀場では感じなかった祖父への懐かしさが込み上げてくる。
ここには祖父の気配がまだ残っている。
「ここにいたんだね」思わず口をついて出た。まだ少し一緒にいられるような気がして、目を閉じて祖父の匂いを感じていた。

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