【掌編小説】ゼロ、イチ、ゼロ #青ブラ文学部 #腐れ縁だから
「コンピュータは数字のゼロとイチの組み合わせで動いてるんだ」と零くんは言っていたけど、わたしにはよく分からない。
窓の外からはミーン、ミンミンミンミー、といつまでも続く蝉の声に混じってきゃはは、と歓声が聞こえた。このマンションに住む子どもたちが鬼ごっこをしているのだ。
わたしは外で遊ぶのが苦手だ。走るのがおそいし、すぐに疲れてしまうし。
だから学校が終わると毎日こうして零くんが何やらパソコンをいじっているのを眺めている。零くんにくっついているうちにわたしはみんなにイチ、と