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オタク病

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オタクが病気として扱われている日本で奮闘する男女のラブコメディ。
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2023年5月の記事一覧

第16話 好きだから 「小説:オタク病」

 俺たちは大きな観覧車のもとまでゆき、チケットを買い、観覧車に乗った。  俺と環が隣に座…

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第15話 木漏れ日のスポットライト 「小説:オタク病」

その後、卓球やテニスもやったが同様の結果になったので、ラケット競技をするのはもうやめよう…

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第14話 ペア 「小説:オタク病」

「いやー無事、補修乗り越えられてよかったな」 「ああ、こればっかりは環に礼を言うしかない…

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第13話 障碍者 「小説:オタク病」

 今日も掃除の時間は相変わらずクラスメイトは談笑をし、真面目に掃除をしているのは俺だけだ…

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第12話 依存 「小説:オタク病」

夢を見た。たまに見る昔のことだ。 「オタク、きめえ。いのお、たくや。いの『オタク』や! …

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第11話 同時視聴 「小説:オタク病」

「遅い」 「やっぱりそうですよねー」 「反省してるの?」 「してますしてます。お得意の土下…

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第10話 自分の世界 「小説:オタク病」

 放課後。俺は教室の掃除をしている。週を明け、今週は教室の掃除になったのだ。  真面目に掃除する中、他の生徒は談笑している。 「あー猪尾、悪いんだけど後、掃除任せてもいい? 俺ら用事あるから~」  同じ掃除当番の男子生徒が俺に言う。 「…………」  いいわけねえだろ。つーか、この量ひとりで掃除すんの無理だから。 「えー、猪尾、後掃除してくれるの? 優しいー」  女子生徒が言う。  だから、ひとりでやんの無理だから。引き受けてねえし、優しくねえから。  つーか何この典

第9話 スクールカースト 「小説:オタク病」

「で、どうしてこうなった」 「まあいいじゃねえか」 「問題児の監視役、だね」 「………」 …

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第8話 勇気 「小説:オタク病」

「デートはどうだった?」  休みが明け月曜日。登校し、教科書を机に入れていると一ノ瀬が俺…

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第7話 デート 「小説:オタク病」

『人がいっぱいいるわ』  土曜日。俺と環は秋葉原に来ていた。しかし―― 「ああ、いっぱい…

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第6話 進歩 「小説:オタク病」

 昼休み。俺は環を対面にして座り昼食を摂っていた。  女子とふたりで昼食なんて、正直緊張…

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第5話 ヘッドフォン 「小説:オタク病」

 翌日の朝、俺は環の席の前に立つ。それに反応し、環はヘッドフォンを外す。 「…………お、…

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第4話 同族 「小説:オタク病」

「……っ、私と、付き合って。私の彼氏に、なって」 「へ?」  久遠の髪が風になびく。  …

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第3話 落とし物 「小説:オタク病」

 昼休み。空馬は女子のグループで昼食を摂り、一ノ瀬も他の女子と一緒に昼食を食べている。俺はひとり席で弁当を食す。  弁当を食べながらふと周りを見回すと久遠が目に入った。  久遠もひとりで弁当を食べていた。白いヘッドフォンをしながらピンクの弁当に箸をつける。  あいつもひとりなんだな。というか、今日の午前中見ていたがあいつが誰かと話したのを見た覚えがない。  休みになるとすぐに白のヘッドフォンをして読書をする。席を離れるときもあったが、すぐに戻り同じようにヘッドフォンを着