お茶の水博士との出会い①
タイトルは、私が現在お世話になっているかかりつけの内科医のことで、私が勝手につけたあだ名である。実際私の身近に接するごくごく僅かの人にはこの名前で言うと、誰のことを指すかすぐに分かる。
出会いは咳が止まらなくなり(コロナ前)、引越し先での内科で一番近かったから通ったことであった。
先生の話し方はこの辺のオジサマ方の生態からすると、「あるある」な感じなのだが、他地域出身の夫にはキツく聞こえてしまうらしい(そもそも私や職場の人が話してるのもキツく聞こえるらしい。最近ようやく慣れたようだが)
私はこの手のオジサマ達と若い時から仕事をしてきたし、地域的にもよく分かっているので、夫ほどびっくりしなかったが、それでも別の意味でビックリすることはあった。
「らびっとさ~ん、らびっとさ~ん!診察室へどうぞ!」
と呼ばれたので「失礼します…」と言って入ると
先生がいない…。
でも隣からは先生らしき人の声が聞こえる。
代わりに看護師さんが先生の席の隣にいて、『すいませんね~』と申し訳無さそうに言いながら、先生と看護師用のパソコンを準備している。
「いえ…。」
(なんか、変わった病院だなぁ~、今まで呼ばれてその場に先生いなかったなんてバージョンはないで。)
なんて思っていたら、先生が「おまたせ~」と言いながらやってきた。
そうやってその後2~3回通院したが、今回の咳はかなりしつこくて、薬を飲んでも、先生から最初に処方された吸引薬を使ってもなかなか治らない。
私「先生、吸引の薬、実は昔使ってたことがありまして、名前が思い出せないんですけど、紫のアンモナイトみたいな形をしたヤツがあれば、あれをお願いしたいんですけど…」
先生「アンモナイト?!…これのことか?」
私「そう、それです!!それを是非お願いしたいです!」
それでもマシにはなるが、なかなか治らない。そのうち飲み薬が切れてしまい、病院はそんな時に限って休診。やむなくドラッグストアで売ってる咳止めで何とかしのいでいたが、飲まないより少々マシ程度で、当然ながら治らない。
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そのうち診察に行くと、先生は私の顔を見るなり「今度は何や!」と言った。(怒ってるというより、『またか』と呆れてるという感じ。)
(え、どういうこと?なんでこんな言われ方せなアカンの?)と思いつつ、
私「先生、頂いた薬飲んでも、最後のひと押しと言いますか、もう一つ治りきらなくて…そうこうしているうちに飲み薬が切れてしまい、先生のところもお休みでしたし、やむなく〇〇(ドラッグストア名)の薬で先生の所に来るまで何とか耐えてたんですけど…」
「ほな、その〇〇の薬飲んどったらええやんか!」
「でもこの薬も5日以上飲むようなら医師の診察をって書いてあるし、私もどうしたらいいか困ってるんです。」
「………。ほなな、一回▲▲病院におるA君に頼んどくから、そっちで検査してきて!あることを調べたいんやけど、うちの病院にはその機械がないから、A君の所やったらあるからそこで検査してもうて、それからどうかまた見よう!様子見や!!」
ちなみに「様子見や!!」はお茶の水博士の最後に言う常套句である。
先生の名誉のために一応言っておくが、夫が通っていた自宅近所の理髪店のマスター曰く、「名医」とのことである。確かに患者はいつもいっぱいだし、言い方が独特なだけで、あっさり、さっぱりとした人柄だ。腕は確かなのはまちがいなさそうである。
この話は次回へと続く・・・
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