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休むことも大事だけど、学ぶことはもっと大事。指導主事的ワーク・ライフ・バランスって何だろう・・・。

私が指導主事になった4年前頃から、学校でもよく聞かれるようになった「働き方改革」という言葉。特にタイムカードもなく、勤務時間の管理すらされていなかった学校現場に勤務時間削減の「波」が押し寄せてきました。

以前のエントリー(激務って本当?今、指導主事の「働き方改革」も進んでいます)にも書いたとおり、指導主事にも「働き方改革」の影響があり、時間外勤務原則禁止の「一斉退勤日」やパソコンのログオン/ログオフによる「勤務時間管理システムの運用」などが始まっています。

そんな中、私の所属する教育委員会では昨年度から「ワーク・ライフ・バランス強化週間」というのが始まります。なんと、期間中の1週間、毎日時間外勤務を原則禁止にするという取組です。

それまでワーク・ライフ・バランスと聞いても「仕事があっても早く帰ればとりあえずいいんでしょ(無理だけどね・・・)」としか考えていませんでした。今回は、いろいろな方の本を読んだり、実際に『1週間毎日定時に帰る』を実践してみて、指導主事的ワーク・ライフ・バランスの在り方について考えたことを紹介します。

1.学校のワーク・ライフ・バランスを考えるために「本」を読んでみた。
2.ワーク・ライフ・バランス強化週間、1週間毎日定時に帰ってみた。    3.   今の「私なりのワーク・ライフ・バランス」について考えてみた。

1.学校のワーク・ライフ・バランスを考えるために「本」を読んでみた。


「働き方改革」=「勤務時間削減」なのか?管理職から「早く帰って~」と言われ、勤務時間が減ったように見えても、それは”見た目”だけであって、結局、ワーク・ライフ・バランスとはほど遠いんじゃないか?

そのへんをまず、はっきりさせたいなぁという思いと、とにかく勤務時間短縮だけではなく先生方の真の意味での働き方改革の成功例を知りたいなぁということで、手に取った本が「全職員が定時で帰る スクールリーダーの職員室革命」(中村浩二:著 明治図書 2020)でした。

明治図書HP:https://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-218117-7

以前、みんなのオンライン職員室で「学校組織開発ゼミ」を受講していた時に、同じ参加者として中村先生にお会いしたことがあり、学校における「働き方改革」の取組について、紹介していただいたことがありました。

この本を読んだときも、中村先生から直接お話を聞いたときも、真の意味での「働き方改革」は、休む時間を増やすことではなく、勤務時間の見直しによって生まれた時間を、個人の意志で自分のアップデートに使うことだと感じました。

ここでいうアップデートは、そんなに難しいことではなく、自分の趣味を探す、広げることでもいいし、職務に関することを学ぶことでもいい。つまり、「自分の人生を豊かにするための時間を増やすこと」がワーク・ライフ・バランスには大事なことになります。

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2.ワーク・ライフ・バランス強化週間、1週間毎日定時に帰ってみた。


ちょっと前の8月にちょうど「ワーク・ライフ・バランス強化週間」がありました。お盆近辺の1週間だったので、試しに「毎日定時に必ず帰る!」と決め、1週間実践してみました。

とはいえ、学校訪問がピークになる10月中旬の時期に「ワーク・ライフ・バランス強化週間」が設定されていたとしたら「何言ってんねん!!」って感じです。以前のエントリー(子どもたちは夏休み、先生方は勤務日。では、教育委員会の指導主事は何してる?)にもあるとおり、7月末から8月は学校が夏季休業のため、大きな仕事はないので、実践してみました。

まず、やったことは「図書館に行く」です。小学校教員だった頃は小説が好きで、帰る途中にある図書館に寄り、ベストセラーになっている話題の本やシリーズものの歴史小説を借りて読んでいました。

指導主事になって、勤務終了時間が17時30分になり、学校勤務の時よりも遅くなってしまったため、仕事終わりに図書館に立ち寄ることがなくなっていました。

平日夜の静かな図書館が好きで、閉館間際までフラフラしていたあの頃を思い出しながら、以前読んだ本を何冊か借りてきました。当然、次の日も早く帰る予定でしたので、借りても読む暇がないなぁと思うこともなく、久々にゆったりした時間を過ごすことができました。

もう1つしたことは「NitsやGoogle for educationのyoutubeを見ること」です。youtubeはよく見ていますが、普段、家に帰ってからの時間でNits(独立行政法人教職員支援機構)の講義動画やGoogle for educationの授業動画を見る時間はとれません。

時間的なこともそうですが、仕事を終え、疲れて帰ってきた後で、教育に関する真面目な動画を見る気力がわかないという理由もあるかもしれません。定時に帰ると、普段に比べて時間的にも心理的にも余裕ができたので、見たいなぁと思っていた動画をまとめて見ることができました。

こうして振り返ってみると、「早く帰ったんだから、早く寝よう」ではなく、意外と趣味や仕事に関することに生まれた時間を使っていたんだなぁと思います。無意識のうちに”バランス”をとっていたのかもしれないですね。

3.   今の「私なりのワーク・ライフ・バランス」について考えてみた。

ワーク・ライフ・バランスの最後に「バランス」という言葉が付いているとおり、単に勤務時間を短くすることが、本当の働き方改革の目的ではないのではないかなぁと思います。

教育委員会の指導主事のレベルで、学校の大幅な業務の削減をしたり、今の制度を変えることはできません。ですが、自分が読んだ本や自分の体験を通して実感したワーク・ライフ・バランスのよさを伝えていきたいなと思っています。

全ての先生方が、生き生きと働くことのできる教育現場を目指して・・・。

最後までよんでいただき、ありがとうございました。

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