【ショートショート】挑戦状
この作品はフィクションです。
実際の団体や人物は関係ありません。
田中は平凡なサラリーマンだった。
毎朝同じ電車に乗り、同じデスクで仕事をし、同じコンビニ弁当を食べる日々。
そんな日常がある日、郵便受けに届いた一通の手紙で一変した。
「人生にもっと毒を」と書かれたその手紙には、「君の日常は塩のないスープだ。スパイスを加えてみないか?」と挑発的なメッセージが。
田中は最初、その手紙を無視しようとしたが、好奇心に負けて指示に従うことにした。
最初の指示は、「仕事をサボって街の図書館で一日を過ごせ」というものだった。
久々の自由に心躍る田中。
次の指示は、「夜中に駅前の広場へ行け」というものだった。
田中は恐る恐る広場へ向かうと、影山と名乗る男が待っていた。
影山は薄笑いを浮かべ、「どうだい、これが僕のクリスマスプレゼントだ」と言って、田中にUSBメモリを手渡した。
家に帰り、田中はUSBメモリをパソコンに差し込む。
そこには彼の日常が隠しカメラで撮影され、編集された動画が入っていた。
映像には、田中が無意識のうちに巻き込まれた数々の出来事が映っていた。
影山の冷ややかな声が動画の最後に響く。
「君の人生にスパイスを加えるために、僕はずっと見守っていたのさ。次はもっと刺激的なゲームをしよう。君の寿命をかけてね」
田中はその言葉に背筋が凍る思いをしながらも、新たな冒険に胸を高鳴らせる自分を感じていた。
この奇妙な挑戦が、彼の退屈な人生に欠かせないスパイスとなったのだ。
次の朝、田中は机の上に新しい手紙を見つけた。
「第一の挑戦:今日から君の職場は変わる。新しい場所へ行ってみろ」
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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