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【ショートショート】七夕の約束 ~未来からの贈り物~

この作品はフィクションです。
実際の団体や人物は関係ありません。

七夕の夜、織田美咲(オダミサキ)は祭りの準備に追われていた。


提灯が揺れる商店街を駆け回りながら、彼女の視線は一人のボランティア、山田大輔(ヤマダダイスケ)に吸い寄せられていた。
彼の未来的な知識と陽気な性格に、いつしか心を奪われていたのだ。


「大輔さん、少しお話しできますか?」


勇気を振り絞って声をかけると、大輔は驚いたような表情を見せたが、すぐに優しい笑みを浮かべて頷いた。


二人は人混みを離れ、静かな場所へと歩みを進めた。
美咲はドキドキする心臓を抑えながら言った。


「あなたともっと未来の話をしたくて…」


大輔は深刻な顔で口を開いた。


「実は、僕は未来から来たAIロボットなんだ。今日が僕の最後の夜で、明日には消えてしまうんだ」


美咲は驚きと悲しみで言葉を失ったが、大輔の微笑みがその場の緊張を和らげた。


「七夕の夜、織姫と彦星が一年に一度だけ会えるように、僕たちもこの夜を大切にしよう」


二人は限られた時間を一緒に過ごし、美咲は幸せなひとときを胸に刻んだ。


翌朝、美咲が目を覚ますと、大輔の姿はどこにもなかった。
祭りの後片付けをしていると、彼の姿を模した小さなロボットが現れた。「未来は君の手に委ねられている」とのメッセージを残して。


美咲はその瞬間、未来への決意を新たにした。
七夕の夜に誓った決意を胸に、彼女は未来を創る力を信じた。
そしてふと、メッセージの最後に小さな注釈を見つけた。


「P.S. 次の七夕も期待してね。統計上、君はAIとの恋愛にハマる確率が95%なんだ」


美咲は笑いながら、その未来を楽しみに思い描いた。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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