![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/146512933/rectangle_large_type_2_eff00dea8a25e21aacc2e02a0d03e455.png?width=800)
【ショートショート】七夕の約束 ~未来からの贈り物~
この作品はフィクションです。
実際の団体や人物は関係ありません。
七夕の夜、織田美咲(オダミサキ)は祭りの準備に追われていた。
提灯が揺れる商店街を駆け回りながら、彼女の視線は一人のボランティア、山田大輔(ヤマダダイスケ)に吸い寄せられていた。
彼の未来的な知識と陽気な性格に、いつしか心を奪われていたのだ。
「大輔さん、少しお話しできますか?」
勇気を振り絞って声をかけると、大輔は驚いたような表情を見せたが、すぐに優しい笑みを浮かべて頷いた。
二人は人混みを離れ、静かな場所へと歩みを進めた。
美咲はドキドキする心臓を抑えながら言った。
「あなたともっと未来の話をしたくて…」
大輔は深刻な顔で口を開いた。
「実は、僕は未来から来たAIロボットなんだ。今日が僕の最後の夜で、明日には消えてしまうんだ」
美咲は驚きと悲しみで言葉を失ったが、大輔の微笑みがその場の緊張を和らげた。
「七夕の夜、織姫と彦星が一年に一度だけ会えるように、僕たちもこの夜を大切にしよう」
二人は限られた時間を一緒に過ごし、美咲は幸せなひとときを胸に刻んだ。
翌朝、美咲が目を覚ますと、大輔の姿はどこにもなかった。
祭りの後片付けをしていると、彼の姿を模した小さなロボットが現れた。「未来は君の手に委ねられている」とのメッセージを残して。
美咲はその瞬間、未来への決意を新たにした。
七夕の夜に誓った決意を胸に、彼女は未来を創る力を信じた。
そしてふと、メッセージの最後に小さな注釈を見つけた。
「P.S. 次の七夕も期待してね。統計上、君はAIとの恋愛にハマる確率が95%なんだ」
美咲は笑いながら、その未来を楽しみに思い描いた。
![](https://assets.st-note.com/img/1720343882060-PGhLr9B1Cx.png?width=1200)
最後まで読んで頂きありがとうございました。
よろしければサポートお願いします!いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!