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チェインフェリス-幸せの再定義#3

淳平と会いモヤモヤしていたある日就職前に、実家に帰って里親に連絡をしようと思い妹と一緒に帰省をした。

「ただいま、母さん」
「おかえり雄くん!里奈ちゃん!」
久しぶりに帰ってくる家はいつもと違った感覚がする。
匂いや家具の位置が微妙に違っていたりするけど、懐かしい雰囲気はある。

自分の部屋に入った際に、小学校の頃毎日の日記提出の宿題があったので、開いてみた。そこには
『今日はお母さんとお父さんと里奈とピクニックをしました。
 僕はウインナーが好きなので、沢山食べて楽しかったです。』
と書いてあった。
嘘である。日記に書くことがなかったので、俺は空想上のあったら良いなと思うことを書いていた。

隣の部屋の妹がアルバムを持ってきた。
そこには中学以前の写真はない。写真を撮ってもらったことがないからだ。
唯一残っている中学以前の写真は、生まれたばかりの俺を抱いている母親の写真だ。満面の笑みで写っているが、なんでこの後俺と妹を捨てたのかを知りたい。モヤモヤはやがて憎悪に変わった。幸せになりたい。そう俺は幸せになりたいと思っていたんだ。今の俺はなんのために生きているんだろう。

その夜食事を食べていると母親から
「雄くん。就職はどうだった?」
「あ!外資系コンサル企業に就職することが決まった。」
「へえ!すごいね!母さん嬉しい
 何するの?」
「色々な企業にアドバイスをする会社みたいなイメージかな」
「世界幸せにできる?」
「え?」
「雄くんが中学校の頃ずーっと言っていた
 『僕みたいな人を作らないために、世界を幸せにしたい』って言っていたじゃん。」
「あー。。。まあ昔のことだしさ。後里奈のこともあるから」
「そっかあ、、、」
若干の沈黙があった後、母親が

「ダメ!絶対にダメだ!雄くんダメだよ!」
今までにない声量だった。
「夢があるなら実現しなさい。逃げちゃダメ」
「でも、里奈のこともあるし」
「ばか!私たち親子なのよ!迷惑かけなくてどうするの!
 起業したいんでしょ?ねえ」
「お兄ちゃん。私もバイトするからお兄ちゃんの人生を歩んで。
 そんなお兄ちゃんが私はみたい」

俺は泣いていた。涙がポロポロこぼれていた。
「起業したい。俺世界の人を幸せにしたい。」
この時俺は決意した。

翌日淳平に電話を入れて
「この前の起業の話ありがとう」
「ゴメンな無理に誘ってしまって、雄大くんも大人になったから
 起業のことなんて、、、」
「しよ」
「え?」
「起業を一緒にしよう。淳平と一緒に幸せな世界を作る」
「、、、、最高だよ。。。社長」

こうして俺は起業することを決意した。

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