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チェインフェリス-幸せの再定義#7

徐々にサービスが大きくなり社員数も20人まで増えた。廣瀬は大学を卒業して、役員にフルコミットすることができるようになった。20人のうちビジネス職が15人(メディア側:6人・広告側:9人)・エンジニア5人となった。純利益も300万まで増えた。オフィスもそろそろ移転しようと思っていたある日。

よくチェインフェリスに出向してくれているお客様から
「そろそろ自社独自のインタビュー記事も載せていいんじゃないですか?」
と言われた。
今までは他サイトから、記事を買ってそれをまとめていたところであったので利益が少し減っていた。また、自社で見る意味がなかったので他サイトとの差がなかなか出づらかった。そこに自社でインタビューを掲載することによって、自社の価値があがり競合との差別化をすることができる。
それを淳平に相談すると

「勝負に出るかあ。ちょっと廣瀬と社長と俺で話し合うか」

自社独自の記事はリスクもある。まず、社員数を増やさねければならない。結果として、採用コストがかかる。インタビュー記事で人気が出なければ、無駄採用になる。2つ目は人選だ。インタビューする人が炎上した場合、恐らく記事自体も大きなダメージを受ける。そしてビジョンとして持っている『世界を幸せにする』という目標から大きくハズレる。

3人の話し合いで淳平が
「まだいいんじゃないかな。View数も順調に伸びてきているから」
「確かにそうですね。社長はどう思いますか?」

確かに今のままでもいいかもしれないな。そう思ったが、オフィスに貼ってあるビジョンを見た。『世界を幸せにする』。売上はたしかに伸びてきているけど、世界を幸せにすることはできるだろうか。俺みたいな子供を減らすことはできるだろうか。

「いや、待ってくれ。独自記事をやろう。自社記事を出そう
 改めて役員の俺らが『世界を幸せにする』をできるかどうかを考えよう」

と言った。
淳平と廣瀬ははっとした顔をした。そうだ。売上ばかりを気にしてしまいビジョンを忘れていた。リスクをとってでも独自記事を作っていくことに決めた。

そして最初に10人の採用をした。記事作成・インタビューコンタクト・企画の3チームで形成された。

独自記事はすぐに人気になった。今までSNSでのシェア数は約10ほどであったが、独自記事は平均50までいき人気記事は100を超えるようになった。記事内容に関しては雄大も参加し、本当に幸せになるかどうかを慎重に決めるようになった。そしてこの独自記事のリリースと同タイミングでアプリ版も始めたことにより、View数も格段に増えた。

徐々に社員数も増やしていき、気づけば50人を超えて部署数も4部署まで増えた。(メディア対応・広告営業・独自記事・人事労務管理)そして日本の記事ランキングも20位以内に入り、注目されるようになった。

オフィス移転をし、雄大は不安を口にした。
「世界の人幸せになっているかな」
淳平が
「この前有名人の人が『チェインフェリスだけはシェアしたいネット記事だな』って言っていたよ。多分幸せになっている人はいると思う」
言っていた。

徐々に人気になってきているのか、社長としてインタビューも受けるようになってきて、『世界を幸せにしたい』と発することができたので、改めて自分たちが何をしたいのビジョンが強くなってきた。

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