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デジタルフォトの意義。

絵画には絵画論、いわゆる画論がある。それがないと立派、一人前とは言えない※1。写真にもそれと似た面があるのではないか。いわゆる写真論である。写真はカメラを用いたデッサンだ、カメラという機械を用いて得たイメージだ、リアリティである、コミュニケーションによる結果だ、否、心を癒すための薬だ・・・色々な立場がある。現代は特にデジタルフォトの時代、だからこそ、その基礎的な学びが大切、それによって結果的にはイイ写真を撮りたいという願望がある。「デジタルフォト」とは新たに生まれた形式であり、写真という手段に大きな変化やインパクトを与えた。それによって写真が大きく普及する事になった。しかし画としての写真の本質には変化はないという点も納得できるだろう。いわゆる写真の技法や技術には大きな変化が伴い易い。デジタルフォトもそのひとつである。その中に変化しない本質があるとすれば写真を科学的に支える写真論の柱になり得る。どう撮るか、どう編集するかはその人の自由な面があり、カメラの機構への洞察を深めさせ、かつフィルムからデジタルへの移行はその変化し得ないものへの眼差しを逆に深めさせたとは言えないか。英語文化圏では例えばブライアン・ピーターソン、ブルース・ブラウバムらなどにより、撮影やプリントの調整法の研究とアイディアが出され、写真とは何かという考察がなされている※2。技法研究が変化し易いものだと知りつつも、その変化の中に動かない本質を見たいのだ。これが様々な表現を可能にするデジタル技術の中で、私が考えるデジタルフォトの意義である。
※1:「基礎から学ぶ日本画」(京都芸術大学藝術学舎)※2:「BRYAN PETERSON PHOTOGRAPHY SCHOOL」「THE ART OF PHOTOGARAPHY」

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