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【ワクワクするビジネス_No7~J1リーグの経営 川崎フロンターレ】

Jリーグもあと6試合程度で終了ですね!!
優勝争い、残留争いが盛り上がってきてワクワクしています。
サッカー好き会計士のいとけんです。

今回は、Jリーグマネジメントカップ2020J1カテゴリー
優勝となった川崎フロンターレについて特集してみます。

川崎フロンターレは2018年度以来2年ぶり2度目の優勝を飾りました!!

川崎はマーケティング、経営戦略、財務状況の3つの“ステージ”で首位
経営効率の分野においても6位タイとなるなど圧倒的な強さを見せ、

史上最速優勝、最多得点、最多勝など記録づくめで王者に輝いた
フィールドマネジメント(FM)面と同様、

ビジネスマネジメント(BM)面においても地力を発揮した結果といえます!


2020年シーズンは、周知の通り感染症による影響で
試合日程の変更、観客数の制限など異常事態に見舞われたシーズンでした。

満員のスタジアムという印象が定着した川崎にとって
スタジアム観戦の制限は大きな打撃でしたが、

それでも入場制限上限に近いファン・サポーターが足を運び、
またクラブと共に苦難を乗り越えようというスポンサーも多かったようで、

ほぼ前年同水準のスポンサー収入を維持できたことが
優勝という結果に結びつきました!!


そして、ビジネスマネジメント(BM)と
フィールドマネジメント(FM)の関係に焦点を当てたのが

「勝点1あたりチーム人件費」「勝点1あたり入場料収入」であり、
トレードオフの関係性にもある効率性と顧客満足度のバランスを見る指標です。


感染症の影響という点では後者の「勝点1あたり入場料収入」は

入場制限の影響を大きく受け、
従来、入場料収入が大きかったクラブほど苦戦する結果となりました。


一方、「勝点1あたりチーム人件費」は、

各クラブにおけるコストの中で最も大きな比率を占めるチーム人件費を、
いかに効率的に試合結果に結びつけられているか
を可視化する指標です。

史上最高勝点で優勝した川崎は、
前年比▲12.7百万円(▲25.8%)の36.6百万円となり、
大きく数値が良くなっています。


昨シーズンと比べてほぼ同等のチーム人件費に抑えつつ、
勝点を前年比+23に伸ばしたことから、KPIが改善しています。

これはJ1平均の53.5百万円を大きく下回る水準であり、
経営効率という観点で川崎が顕著な成果を収めていることがわかります。


川崎フロンターレの経営力の1つに、
スタジアム集客率の高さがあると言われていますが、

エンターテインメント性に富んだユニークな企画で
観客を呼ぶ工夫をしています。


地元に愛されるチームになって、川崎にスポーツの文化を根付かせたい
という考えが、独自の企画を行う文化につながっているようです。

J1リーグで初めて優勝したときに、
優勝記念皿ではなく、
風呂桶を当時のキャプテン中村憲剛氏が掲げていました

これは、逆転優勝であったため、
優勝記念皿がスタジアムになかったためですが、
なぜ風呂桶だったかというと、

地域密着を図る事業のひとつとして
川崎浴場組合連合会とコラボレーションした

市内の銭湯利用促進キャンペーン
『いっしょにおフロんた~れ』にちなんだものでした。

この時の光景は地元密着
川崎フロンターレを象徴しているように感じました。

翌年、川崎は連覇することになりますが、そのときはなんと
100万円相当のクリスタル・ガラスが散りばめられた
スワロフスキー社製の風呂桶が用意されていました!!!

このように地元密着の強豪チームとして君臨する川崎ですが、
チーム設立当初は苦難が続いていました。


川崎フロンターレは、
Jリーグの設立から5年後の1996年にチームが設立されました。
当時はJ2からのスタートでした。

しかし、Jリーグが始まってから少し経っていること、
そしてJ2であることで、
地元の方々の興味がなかなか川崎フロンターレに向きませんでした。


また、当時は川崎を拠点にしていた
スポーツチームが
他地域へ移転するという事態が続き、

地域の人々の愛着や期待も低く
川崎にはスポーツ文化が根付きにくい状態だったそうです。

例えば、「ヴェルディ川崎」というチームがありましたが、
2001年に東京に拠点を移してしまって。

サッカーだけではなく野球でも
川崎から別の地域へ拠点を移すチームがあった
ため、

「川崎フロンターレもすぐにどこかに移転するのでしょう?」
と、地域の方々には思われていたようです。

そこで、
勝敗に左右されずに、まずは地元の人たちに
愛されるチームにならないといけない」

と考え、始めたのがイベント企画だったそうです。


このような逆境の中でも、地元に対する熱い想いを持って、
取組をつづけてきた川崎フロンターレだったからこそ、

クラブと共に苦難を乗り越えようというスポンサーが集まり、
ほぼ前年同水準のスポンサー収入を維持できたのだと思います!!


やはり、熱い想いがあるからこそ人々の心を動かし、
ポジティブな行動を加速させるのだと思います!!

苦しい状況、逆境であっても、
熱い想いを持ち続けて、何事も取り組んでいきたいですね(^^)/

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